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実写からAIへ:創作の無限ループと著作権のカオス

ストックコンテンツ業界に興味あるクリエイターとして、最近のAI技術の進展と業界の変化について、個人的な経験を交えつつ考察してみたい。

学習データとしての利用と対価

最近、私自身のアドビストックコンテンツがAI学習データとして利用され、その対価を受け取る機会があった。具体的には以下の2点だ。

  1. 投稿していた映像コンテンツがAI学習データとして使用され、対価が支払われた。 やはり映像も学習されていたのか。

  2. 投稿していたAI生成画像についても、AI学習データとしての対価が支払われた。

これらの支払いは確かに嬉しい出来事ではあるが、同時に幾つかの疑問も浮かび上がってくる。

対価の妥当性と今後の展望

受け取った対価が妥当なものかどうかは判断が難しい。
なぜなら、今後AIツールの発展により、既存のストックコンテンツの売り上げが減少していく可能性が高いからだ。
一時的な対価と長期的な収入減少を比較すると、果たしてこの取引が公平なものと言えるのか疑問が残る。

AI画像生成ツールと著作権:業界の混沌

AdobeのAI画像生成ツールを巡る状況は、AI画像生成ツールの複雑さを象徴している。

当初、AdobeはAI画像生成ツール「Adobe Firefly」に関して、著作権の問題を克服していると主張しています。
具体的には、FireflyはAdobe Stockから得た許可を受けた作品やフリーライセンスの作品、著作権が失効した作品のみを学習データとして使用しており、これにより商用利用においても著作権的な懸念がないとされています。

しかし、現状を詳しく見ると、いくつかの疑問が浮かび上がる:

  1. Adobe Stockの新規投稿の大半がAI生成画像であると推測される。

  2. これらの画像の多くは、Adobe以外のAI画像生成ツールで作成された可能性が高い。

  3. 各AI画像生成ツール企業が独自の判断で「商業利用可能」と主張している。 各サービスがどのようなデータセットを使っているか私たちにはわからない。

  4. それらのツールで作成された画像がストックサイトに投稿されている。

  5. 投稿された画像が再びAI学習データとして使用されているようだ。

この循環的な状況は、著作権の観点から非常に複雑な問題を引き起こしている。現在のAdobeのAI画像ツールがどこまで著作権問題をクリアしているのか疑問が生じるだけでなく、業界全体として著作権の扱いがますます不透明になっている。

特に懸念されるのは、異なるAIツールで生成された画像が相互に学習データとして使用される可能性だ。これにより、著作権の源泉が不明確になり、法的責任の所在も曖昧になる恐れがある。

この状況が今後どのように展開し、どのような法的・倫理的問題を引き起こすのか、非常に興味深い。業界全体として、この複雑な著作権問題に対する明確なガイドラインや規制の必要性が高まっているのではないだろうか。

もしくは、もはや誰も気にしていないのか。


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