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海のある街、鈴凪駅周辺を歩く(空想お散歩ブログ②)


読者の皆さん、また会いましたね。とらつぐみです。

今日の記事は、普段行ったことのないまちをぶらぶら散歩するブログの第二弾です。

前回


前回は大学に通っている時にとある街の周辺を散歩していました。
今私は就職してその頃とは違う街に住んでいます。毎朝、自宅からバスと電車を乗り継いで通勤しています。

仕事をするようになってからは平日は職場と自宅の往復をひたすら繰り返すだけで、嫌になってきます。

毎朝、通勤客でごった返す駅で電車を待つたび、いつもと反対方向の電車に乗って、知らない街に行ってみたい、という衝動に駆られます。

………駆られるので、いつもは家で寝ているだけの休日を使って、行ったことのない街をお散歩してみたいと思います。

というわけで今回は、初音市を通る私鉄沿線の駅、鈴凪駅と、その次の駅である麻木駅の間をぶらぶら散歩しようと思います。



☆  ☆  ☆


散歩がしたい。そう思って職場に行くのとは反対方向の電車に乗り、鈴凪駅に降り立った。

鈴凪駅は海に近い急行が止まる駅で、大きすぎず小さすぎない駅。つまり、散歩のスタートにはちょうどいい駅だ。

駅前の時計の謎の装飾にも期待が高まる。惑星の軌道図かな?

散歩を始めるその前に、駅横のビルでお手洗いを借りる。駅のトイレが何故か全部使用中だった。

急に幸せかどうか聞いてくるの何?

5分くらいビル内でトイレを探して彷徨い、無事借りれた。先行きが怪しい。

駅ビルの感じは少し怪しかったけれど、駅前通りに出てみると、チェーン店やスーパーの並ぶ、普通の感じで少しホッとした。

所々に置かれた動物の銅像も癒し。

チェーン店以外の個人の店もちらほらあったけど、怪しい店が多い。不動産屋っぽいのに、犬と猫を売り捌いているのか?

怪しさが漂っているけどたぶん中華料理店?

ちなみに表通りから一本入るとこの猥雑さ。

コンビニの数より多いと言われる歯医者。怖い絵で脅すタイプの歯医者がありました。

こっちはさらに一本入った路地の歯医者。一見かわいいけどよく考えたら巨大な歯ブラシって怖すぎる。

目の大きさがプリキュアを彷彿とさせる男の子のマネキン。等身は当然3次元の人間サイズなので感覚がバグる。

とある駐車場で見かけた、鳥が集っているアーチ型の車止め。全然関係ないけど、初音市の名前の由来はウグイスの別名「初音」だと、どこかで聞いたことがある。

別の駐車場に設置されてた自販機。おしるこでビタミン補給は聞いたことないのでたぶん過大広告。

変なお店と店の間は駐車場になっていることが多い。昔からある店を潰して駐車場に、という地主も多いのかも。

かと思えば、新しくできたらしい観光客向けっぽい飲食店もちらほらあるので、よくわからない。
アイス落としちゃって、可哀想に……

表通り付近はあらかた見たので、住宅地の中を進む。なんてことない路地も猫がいれば絵になる。

こちらは駐車場にいたキジトラ。猫を見つめている時、猫もまた、こちらを見つめている。

住宅地の中にもポツポツと小さなお店は点在している。外壁に直接「寿し」と書いてあるタイプの寿司屋さん。

「お誂え」って今時あんまり言わないよな、という謎の感慨に浸れる、洋品店の看板。

奥には集合住宅、手前には昔からあるんだろうなという古い家がある。何の変哲もない住宅地でも、変遷や歴史が感じられて楽しい。

例えばこの哀れな看板。

風か何かで飛ばされてベッコベコになり、仕方ないので枝を切った街路樹の残骸にくくりつけられた
という変遷が感じられる。

例えばこれは……うーん、何だろ?

ゴミの分別方法を書いた看板を壊して作った形跡があるので、ゴミ集積所の目印的なものだろうか?

住宅地を歩いていて公園を見つけると嬉しくて立ち寄ってしまう。子供連れがいると不審者に見られないか心配になるが、この公園には人っ子ひとりいない。

入り口から見ると狭そうだけど、意外と広く、奥に東屋とかもある。

東屋に先客がいると思ったらでっけぇ木彫りのフクロウだった。

今度こそ人が、と思ったら、ひっそり佇むたぬきだった。この公園、やっぱり人間がいない。

公園を通り抜け、真っ直ぐ行くと堤防の上に続く道に出た。
海だ! それも漁港!

反対側には、堤防へと登る階段と、そこに続く謎の細い道。地元住民の通行路だろうか。

魚の水揚げを狙ってか、港に戻ってきた船の周りをウミネコが飛び交っている。

ウミネコの鳴き声がやかましいけれど、それを差し引いても、駅前の猥雑さとは打って変わった静けさ。

地図を見ると、漁港の反対側には、海に流れ込む大木川の河口に沿うように公園があるらしい。

早速行ってみると確かに広々とした公園がある。川沿いの道で犬の散歩やランニングを楽しむ人も多い。

餌付けされているのか異様に人慣れしたカモたち。カルガモ(手前中央)やオナガガモ(奥中央右)はともかく、キンクロハジロ(奥中央左)まで餌付けされてるとは……

飛ばずにじっと立ち尽くして「餌待ち」をするユリカモメ。よく見ると畳んだ翼が不自然に飛び出している。怪我か、あるいは餌やりによる奇形(エンジェルウィング)か。

人に慣れすぎた鳥たちのいる区画とは別の区画には、謎のオブジェが立つ人口池が。こういう形の貨幣あるよね。

人口池の近くはやたら人が多かったので、川の上流の方を目指して散歩道を歩く。段々人が減ってきて、設備も哀愁が漂い始める。

これは河童の絵描き歌が書かれた丸い椅子。

今ではすっかり見なくなったofficeのワードアートでデザインされた看板。手作り感と役所が作りました感がすごい。

「街に緑を」のスローガンの横にポイ捨てされた野菜ジュースが何とも虚しい。

土台からへし折られ、木の枝に突き刺された可哀想な三角コーン。これをやった人は、三角コーンに親でも殺されたんだろうか。

途中で小さな橋を渡り、川の反対側へ。
橋の上で器用に蓋つきの飲み物のカップをひっくり返すカラスがいた。賢いね。

河原のそばは、畑の中に住宅が点在している。収穫されなかった白菜の怨念めいたものを感じる。

張り巡らされた用水路も風景の一部になっている。

川沿いの広い土地は意外と工場にも使われている。トタンの壁に書かれた物騒な注意書きはご愛嬌。

畑の中に再び現れた、officeで作ったかのような看板。緑から黄色のグラデーションで菜の花感を出しているのかな?

段々と、畑より住宅の密度が増えてきた。今にも工事が始まりそうな更地もちらほら。

階段を登った先に道路が伸びている不思議な区画。反対側は坂になっていて、普通に車が出入りできるようだ。

住宅地の中にあった、やや狭い公園。コアラとパンダが睨み合っているシーソー。人気者どうしバチバチらしい。

もう一つあったのは遊具の少ない、広場みたいな公園。入り口のオブジェをくぐって公園に入ると違う次元の公園に繋がる、みたいな都市伝説流れてそう(?)

公園を出て、川とは反対方向に進んでいく。直線的だった道が曲がりくねった道になり、突如石垣が出現したりする。

平坦な道は坂に変わり、坂の上には立派な家が建っている。高級住宅街のようだ。

この坂はとても静かで、人でないものに会ってしまいそうな雰囲気があった。

立派な家に圧倒されつつ進んでいると、何やら風情ある公園が。

古くからある庭園が公園として一般に開放されているみたい。

近くに川はあるのに公園の中にも小川が流れている。

小さな水車もあった。かわいいね。

風情ある庭園の中だからと油断していたら、またひっそり佇む動物が。今度はうさぎ。

うさぎのいたところからしばらく歩くと、神社が現れた。神社の鎮守の森と庭園の草木が一体化して、緑を形成しているみたい。

公園を出てまたしばらく歩く。ふと振り返ると、結構な急斜面を登っていたと気づく。瓦屋根と坂道は妙にしっくりくる。

ところで、あの建物から顔を出しているのは何だろ? また動物かな?

大仏でした。大仏かぁ……

坂を登って降りて、麻木駅の近くまでやってきた。このまま電車に乗ってもいいけど、ちょっと寄り道したいなと思ったらこんな道が。

歩いてみると神社にたどり着いた。(石碑を疑ってたわけじゃないけど)ほんとに参道だったんだ。

境内には鶏もいたけど、突かれるのが怖いので遠くから眺めるだけにした。




そのまま神社の周辺を歩いてみる。

このあたりは寺町らしい。立派な五重の塔を横目に歩く。あの大仏も、ここのどこかの寺のものだろうか?

お寺に張り出してある聖語、なんとなくいい言葉を貼ってるのではなくちゃんと出典があるというのを最近知りました。無知を晒してしまったな……



駅はもうすぐそばというところで、石畳の敷かれた素敵な商店街を発見。休日の午後にこの人通りなのも含め素敵。

風情ある西洋建築のふれあいセンター。

これはレトロな床屋さん。

色々彷徨った挙句、商店街の外れ、寺町の手前にあるお店で一休み。本格的な紅茶を提供してくれるティールームらしい。紅茶とスコーンのセットで、優雅な時間。

まったり紅茶を楽しんで店を出ると、かなり空が暗くなっていた。


五重の塔も、薄暗いと違う風に見える。

この時間になると夜のお店が営業を始める。薄暗い道に差し込む妖しい光は、まるで異世界への入り口かのよう。

いつの間にかもうすっかり真っ暗。灯りが着いて初めて知ったが、あの駅前商店街は消費税完納を推進しているみたいだ。


麻木駅前にとうとう着いてしまった。この散歩もここまでのようだ。
麻木駅は鈍行しか止まらない駅だが、住宅地へ向かうバスが頻繁に来る。しかもそれぞれ別の会社の路線バスが2種類。

商店街の雰囲気とどことなく似ているバスロータリーのアーチ。

私が乗りたいのはもう一社のほう。こっちは逆にめちゃくちゃ簡素なバス停。
ちょうど家の近所まで行ってくれるバスが来たので、これに乗って帰ることにしよう。


それではみなさま、また、どこかで。


※画像加工には「けしはん道場」アプリを使用しています。
このブログのために、たくさんの画像を提供していただいたみなさまにSPECIAL THANX!

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最近めっきり暖かくなり散歩日和ですが、これ書いたら一週間が潰れてしまったのでしばらくは書きません笑笑(とらつぐみ・鵺)