バランスの定義 逆転のポーズ編
「バランスを取りましょう」と普段何気なく使ってるのではないでしょうか?では実際バランスが取れているとはどういう状態でしょう。
生体力学上の基本的原理では「支持基底面上に身体重心を持ってくること」です。
『支持基底面』とは、
「身体の床面に接している部分の外周により作られる広さ(領域)」のことで、支持基底辺が広く、重心線が支持基底辺の中心に近いほど安定性が高まります。
そして『身体重心』とは、
「上半身の重心(第7〜9胸椎)と下半身の重心(大腿の1/2〜近位1/3の中点)の間」の中間点です。
でもこれは真っ直ぐ立っている時(ヨガでいうタダーサナ。すいません、画像のタダーサナの下半身の重心はもう少し下方でした)の場合。
なので、逆転のポーズではより頭方に移動すると思われます。
大事なのはこれをどうアサナに活かすかという「オチ」ですね。
例えばハンドスタンド等の逆転ポーズがキープできない場合、まずは『身体重心』が『支持基底面』の垂線上からどの方向に傾くクセがあるかチェックします。
それがわかれば、あとはその傾きを作る原因となってる部位にアプローチすれば良いだけです。(特定のアサナで解決することもあれば、トレーニングや施術が有効な場合もある)
経験上、その理由の大半は『下半身の重心』のポジション問題です。
先日、「ハンドスタンドができるようになりたい」と僕のパーソナルセッションを受けてくれた方がいました。ちなみに何度もその分野で有名な方々のワークショップを受けた事があるようですが、言ってることがバラバラでよくわからなかったそうです。
ムーブメントを見せてもらったところ、骨盤が特定の方向に傾くクセが見られたので、その修正となるアサナ(主に腸腰筋の活性化が目的となる)を2種類おこなってもらいました。すると他に何もやってないのに、アジャストすらしていないのにハンドスタンドが上手に。
結局は小手先のテクニックを磨くより、自分自身の身体にとって『支持基底面上に身体重心を持ってくること』がキープできるようにアライメントを調整する方がよっぽど効果的なのです。
それが掴めれば、後は応用。
ムーブメントの中で揺れ動く身体重心を把握し支持基底面上に乗せ続けていれば、動画のような逆転系のフローも可能となります。
より詳しく重心の調整を知りたい方は随時受付けているプライベートセッションや、たまーに開催するワークショップにお越しくださいませ!
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