東洋医学 人体の見方「天人合一思想」
「天人合一思想」とは東洋医学の基礎となる部分である。
そこで、今回は「天人合一思想」を説明する上で重要になる中国伝統文化の思考様式の整体的な思考から紐解いていこうと思う。
天人合一思想とは?
天人合一思想とは、天、地、人、物が互いに通じ合う物であると考え、それが一元の気の流れによってできており、人と自然の関係を表す考えかたである。
人は生きていくための食べ物も空気も、全て自然に頼っている。つまり人間の生命活動の源泉は天、地からなる大自然である。
これは、人と自然界との調和がとれた統一性がある。
また、人体内にも組織や器官など、皆それぞれ異なった働きを持ちながらも全体として有機的なつながりがあり統一性が取れている。
そして、自然界で暖かい空気は上方へ、冷たい空気は下方へ行くように、人体でも上半身はほてりやすく、下半身は冷えやすい傾向があるように
自然界と人体は通じあいがあると言える。
整体的な思考とは
整体的な思考とは、中国古代にあった独特な思考方法で、全体的な観点で物事を認識することである。
世界におけるすべての事物は孤立して存在するのではなく
互いに繋がり依存し制約し合う一体であると考える。
また、中国の古典哲学では、「気」、または「道」と言って一元論から出発し、宇宙であれ、自然であれ、人類、社会は一つの有機体でまとまったものであるとみなしている。
これを「気一元論」ともいう。
整体的思考は「天人合一思想」や「気一元論」の考えを強調しているといえる。
まとめ
人間は自然(万物)と同じように、天地の気を得ているので、天の時、地の利、社会環境や心理状態、生活習慣などは、人間の生理や病理にと密に関係していると言える。
このことから、一つの病気や不調があった場合、根本となる原因は様々な観点から見ることが重要であると言える。