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北アルプスを登ったはなし

2021年9月24~26日で北アルプスを縦走してきました。今更ですがまとめます!


YAMAPの記録はこちら↓


登山計画

 深田久弥さんの『日本百名山』を読んだ私はどうしても槍ヶ岳に行ってみたくなり、どうせなら縦走にしようと恐れ多くも大キレットに挑戦し奥穂高岳を目指すことに。

9月24日(上高地~槍ヶ岳)

上高地~横尾

タクシーから転げ落ちた友人S
上高地までの山道でダウンした友人S

さわんどの駐車場に車を停め、タクシー乗り場に向かう途中で友人Rが転倒&手のひらを負傷しました。加えてタクシーに揺られ友人Sが車酔いでダウン。スタート地点で1時間休憩するはめに。

その後、なんとか出発し横尾までの平坦道を進みました。

河童橋にて

横尾~槍沢ロッヂ


まだはしゃぐ余裕がありました…

横尾山荘を突き抜けさらに先を目指します。大自然と、梓川を横目に気持ちのいいハイキングといった感じでした。
ちなみにザックの重量は20kg超。水を大量に飲むので荷物がとにかく重い…

命の水(槍沢ロッヂ)
槍が見えるよ看板と望遠鏡(見えませんでした)

上高地での1時間の遅れを巻き返すハイペースで歩いていたのでここでしっかり休みました。
看板の文字がかわいい。

槍沢ロッヂ~殺生ヒュッテ

槍沢ロッヂを抜けると槍ヶ岳までの長い長い上り坂が目に入りました。数日前にこのあたりで発生した大きな地震の影響で東鎌尾根が通れなくなったので下から登ることに。

やっと森の中をぬけました!
あの先に槍ヶ岳が(サークルTシャツがかわいい)

さっきまで林の中を延々と歩いていたので急に目の前に広がる山肌にテンションがあがる私たち。いまだ姿を見せない槍ヶ岳を目指して灼熱の登山道を進みます。

ついに姿を現した槍ヶ岳
友人SとR

雲のなかから急に姿を現した槍の穂先に圧倒され、疲弊しきっていた私たちの体力も完全回復し、急いで殺生ヒュッテを目指します。

殺生ヒュッテのカレー☆☆☆

殺生ヒュッテ~槍ヶ岳登頂

カレーを食べていると槍は雲に覆われてしまい急ぐ理由もなくなったのでゆったりと登山再開。途中で追い抜いた外国人が「槍ヶ岳、タノシイッテ言ったヤツぶっ〇す」と愚痴りながら登っていたのが面白かった。

山頂は雲の上にありました

山荘に到着しテントを張り、日が暮れる前に急いで穂先を目指しました。恋に焦がれた槍ヶ岳は360℃の雲海と人生初のブロッケンで僕たちをお出迎え。明日の大キレットに向けてしっかりと栄養を取り就寝。

9月25日

槍ヶ岳~南岳小屋

朝ご飯を済まし、いざ大キレットへ。パーティ全員がどこか緊張したような面持ちでした。

テント場から見る大喰岳

槍ヶ岳から南岳小屋まではなだらかな岩稜帯を進むことになります。朝早く出発したこともあってか周りには誰もおらず、僕らの足音だけが響く贅沢な時間を過ごしました。

振り返ると槍がズドン
はてなき旅路
最高の朝でした

ここの稜線は一年経った今でも鮮明に覚えています。天候に恵まれ全く風のない朝でした。カラカラと音を立てる石、暖かな日差し、延々と続く雲海に包まれ少しづつ五感が研ぎ澄まされていくようなあの時間は、登山でしか味わえない至福のひとときでした。

岩場

とはいえここは標高3000m近い岩稜帯です。当たり前のようにワンミス即死の岩場がでてきました。丁寧に超えていきます。

紅葉と青空(前を歩いていたおじさんは消しました(編集の力))
南岳

中岳を越え、南岳にさしかかると徐々に北穂高岳の全貌がみえてきます。まるで要塞の様なその姿にどうやって登るのか検討もつきませんでした。(実際は写真中央の北穂高小屋に向かって稜線を蛇行しながら登ります。信じられません。)

南岳小屋と北穂 奥には奥穂とジャンダルム?

大キレット

南岳を抜けるといよいよ大キレットです。ここで大キレットについてちょっとだけまとめます。

長野県・岐阜県境(飛騨山脈)の南岳と北穂高岳の間にあるV字状に切れ込んだ岩稜帯、またはその地を表す地名である。八峰キレット、不帰キレットとともに三大キレットの一つとされる。この縦走ルートは痩せた岩稜が連続し、長谷川ピーク(2841メートル)や飛騨泣きといった難所が点在し、国内屈指の難易度を誇るルートといわれる。

wikipediaより

一般的に飛騨泣きを登る南岳~北穂コースが簡単とされていますまだまし。通行には3~4時間を要し、鎖場や梯、トラバースに垂直の上り下りが頻発するコースです。浮き石も多く危険なルートになっています。

大キレットスタート!

ということで皆さんは行かないでくださいね。

そびえる南岳

大キレットが始まるとまず一気に200m程度下り、大キレット中最も標高の低い最低コルへ。最初は一般的な登山道の下り程度の斜度だったのが徐々に垂直に近づき、いきなり2回梯を使いながら下っていきます。いよいよ始まったなという緊張感と、序盤からワンミス即死ルートにひりつきました。

最低コル付近の僕です。めちゃくちゃ笑顔。


天候は完璧でした
こんな感じで下ります(ほぼ垂直)友人R撮影

長谷川ピーク(Hピーク)

大キレット2大難所とされるHピークまではゆるやかな登りです。さほど難易度は高くないように感じました。
問題は長谷川ピークからA沢のコルまでの下りです。鎖もなく、確実に三点固定をしながら慎重に進みました。

飛騨泣き

2大難所のひとつ飛騨泣きです。飛騨側に落ちるとまず助からないことからそう名付けられたそうです。怖すぎ。

飛騨泣きはこんな感じ(鎖をつかいつつ垂直に3mほど上がります)

事前に大キレットの動画を見漁っていた僕は、進研ゼミのCMのように「ここYoutubeで習ったところだ!」とはしゃいでしまいました。危険箇所や登り方を完全に把握していたため難なく突破。ただこれを下るのは絶対に嫌だなと思いました。

北穂高まであと少し!

飛騨泣きを超えるとついに北穂高の岩壁に到着です。小さな石が多く落石には十分注意しなければなりません。この小石に足を取られて片足が宙に放り出された時は終わったと本気で思いました。

北穂高小屋

またまたカレーです

無事大キレットを抜け、北穂高で昼ご飯にしました。今日中に穂高岳山荘まで行く予定なので急いで出発。

北穂高~穂高岳山荘

かっけぇ

実は今回の山行で一番危険だと感じたのはここでした。
大キレットが終わって油断してたとかでは決してないです。奥壁バンドの圧倒的な高度感は大キレットより断然怖かった… というかちゃんと死にかけました。
ここから写真は一切ありません。なぜって、雲の中に入ったからです。
大キレット通過時の晴天はどこへやら。翌朝も雨との予報を聞き、奥穂高~前穂高~重太郎新道~上高地の激アツコースを断念しザイテングラードから涸沢カールを通って下山することにしました。
そうと決まればと山荘で買ったお酒のうまいことといったらこのうえなかったです。これだから山は辞められないですね。

9月26日

下山

カメラとGoProをザックにしまい、スマホですら一枚も撮影せず、上高地までの長い長い登山道を子供達の声援に応えながら駆け下りました。
バスターミナルで食べた山賊焼きがおいしかった。登山後のご褒美として定番化しそうです。

まとめ

大喰岳から

槍ヶ岳から穂高までの憧れの大縦走旅をまとめてみました。大キレットは多くの人が挑戦してきた過去と、山小屋の方が登山道を整備してくれているおかげで、足を乗せる場所、手をかける場所が直感でわかるような位置に作られており危険な場所でありながらも安心して通過することができました。

これからぼちぼち過去の山行をまとめて行こうと思います!
写真もいっぱい載せるのでよかったら読んでいってください!!

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