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お正月はキナバル山へ

明けましておめでとうございます!
修論を脇目にマレーシアに行ってきたTakumiです。

まずはYAMAP

予備知識

キナバル山 (Gunung Kinabalu)はボルネオ島のサバ州にある標高4,095mの山です。東南アジア最高峰ともいわれ、第二次世界大戦中には日本最高峰であったともいわれています。
キナバルはキナ=中国、バル=未亡人を意味するともいわれ、キナバル山付近の伝説を由来とする説や、先住民族のカダザン語でのアキ・ナバル(先祖の霊が宿る山)が由来とする説があります(後者のが好きです)。
山塊の中心部は北アルプスと同じ花崗閃緑岩で、中腹に蛇紋岩が含まれます。1万年前に存在した氷河のおかげでなだらかな岩肌が形成されたのだとか。

ここです(Google mapより)。

行程

・30日 日本出発~韓国~マレーシアin
・31日 登山開始~山小屋泊
・1日   山頂アタック~下山

30日 日本出発~韓国~マレーシアin

昼に関空を発ち、ソウルを経由し深夜にマレーシアはコタキナバル空港に到着しました。
マレーシアのコンビニ「Orange」で行動食と水分を購入し、空港に併設されているnap zoneで5時間ほど睡眠をとりました。

31日 登山開始~山小屋泊

翌朝6時にドライバーと合流し、1時間半ほどかけてキナバル山の登山事務所に向かいました。
ドライバーは英語が通じる方だったので助かりました。

ドライバーのアントさん
速度早過ぎて怖かった笑
ドライブ中に見えたキナバル山。周囲の山と比べてもめちゃくちゃ高いです。ジャンダルムみたいな形してる。

キナバル山の事務所で受付を済ませ、不要な荷物を預けました(50RM/day×bag)。

これで登山者を管理するらしいです

そこから登山口までさらに30分ほど舗装路をドライブします。そしていよいよ着いた登山口がこちら。

世界遺産なんですね(知らなかった)

SELAMAT は神のご加護を。Selamat pagi (スラマッパギ;おはよう)でも使われる言葉ですね。MENDAKIは登山の意。SELAMAT MENDAKIで「安全な登山を」という意味になります。

ガイドの方からランチボックスを受け取り登山開始です。意外と日本の山域と植生が変わらないのが残念でしたが、少し標高を上げるとこんなものが。

ウツボカズラかわいい
やっぱりかわいくない

そしてキナバル山のここがすごい。その1
「トイレの数がすごく多い」

この地図に載っているチェックポイントやシェルターのすべてにトイレがあります。紙は置かれていないし、清潔ではないけれど非常に助かる。

まあ、設置していないと登山道がどうなるかはお察しではあるのですが。。

各シェルターではリスが群がってきました。餌付けされてるんだろうなと思ってたらガイド自身が餌を与えてました

途中のLayang-Layang 小屋にて持たされていたランチボックスをいただきました。

いや多いて。

水とゆで卵×2、リンゴ、ケーキ、サンドイッチ、オレオにスナック。
空港で補給食を買う必要はありませんでした笑

ガイドはずっとスマホで誰かと連絡を取っていて、ほとんど一緒に歩くことなく宿泊場所に到着しました。

ガイド(名前なんだっけ、、)
奥の白い建物が宿泊場所です。PANALABANはマレーシアボルネオ島の先住民族の言語カダザン・ドゥスン語で「戦いの場所」、「挑戦の地」などの意味があるそうです。
剱岳の「試練と憧れ」みたいでかっこいいですね。

僕たちが宿泊するLaban Rata小屋で標高は既に3,272mあり、高山病になりやすい僕はかなりの頭痛に苦しめられていました。
ちなみにLaban Rata 小屋はLaban(場所)Rata( 平らな)だそうです (Chat-GPTによると)。

そしてキナバル山のここがすごい!その2
「小屋めっちゃ綺麗」

玄関
食堂
内観(登頂者や山小屋の写真が壁一面に貼られていて見ていて飽きないです)
テラスからの景色
他にもたくさんの山小屋がありました。
寝室の写真は撮り忘れましたが、2段ベットが並んだ部屋で、マットレスもふかふか、枕もなぜか一人2つと、信じられない好待遇でした。

がっつり高山病になっていたので、症状を和らげる効果が期待できる漢方を服薬しました。

そしてキナバル山のここがすごい!その3
「ご飯がビュッフェ形式」

どれもスパイスが効いていました
日本米がすでに恋しく
焼きそばは油と塩で苦しめられました
羊肉(左の茶色いやつ)がうまかった
クリスマス飾りが年明けまでずっとありました。

ビュッフェは主食(米や麺類)が4種類。おかずが6種類ぐらいあり、肉や魚、野菜や果物など盛りだくさんでした。コーヒーと紅茶が飲み放題なのも嬉しい、、!(ただしすべての料理で油と塩がかなりきつい、、)

1日   山頂アタック~下山

31日の6時に就寝し、朝2時に起床の予定でしたが、0時に他の登山者のいびきで起きてしまい、睡眠時に失った酸素を取り戻すべく2時間ほど腹式呼吸に集中していました。
起床後は朝食ではなく、軽食と称してビュッフェが提供されます。ホテルの朝食のようなメニューにお粥など消化に優しいものが並んでいました。

おかゆはご飯のお供が6種類ほど。
魚醤で作られた佃煮などがありました。

そして2時半。前日の夕方から降り始めた雨は止み、真っ暗の中山頂に向けて登山開始です。
気温は7℃。予想外の暖かさでした。

富士山を彷彿とさせる大渋滞でしたが、1日目とは打って変わってガイドがすいすいと縫うように追い抜いていきました。当然高山病が悪化するのでゆっくり登るように言ったものの、ペースは変わらず笑

3500mあたりで展望がひらけ、一時休憩。
星空が美しかったです。

手持ち15秒撮影です()


キナバルさんのここがダメ!その1
「3000mを超えても水が流れている」
森林限界を超えたあたりから、地面が土から岩へと変化し、しかも隙間のない一枚岩のような地形で水が地面に染み込んでいかないため、前日の雨がずっと岩の上を流れ続けます。
トラバースや鎖場など怖いなと思う場面もかなりありました。


ギリギリ直立で登れるかな?という斜度

いくつかロープに頼らないと登れない箇所を登りました。難易度はそこまで高くないですが、渋滞に巻き込まれていたら危険度は増すかなと思います。序盤のハイペースが功を奏しました。

日の出(6時30分)に間に合うように5時に山頂着のはずがこのままだと山頂で2時間は待機するんじゃないか?というハイペースでしれっと富士山を超えていました。

3700m〜4000mは登りやすい乾いた斜面で、なぜか高山病の症状が消え、異常にテンションの上がった僕たちはアニソンを歌いながら4000mまで走って登っていました。

途中ガイドにcontrol your voiceと言われ、怒られた!と思っているとDo you know anime song? one piece?とまさかのリクエストを受け、ワンピース縛りで4000mに到着しました笑

4008mです。。全行程8.5kmで500mごとに看板が設置されているのがありがたい。

4000mからピークアタックまではちょっとした平坦道が続いたため、そこで風を凌ぎつつ日の出を待ちました。

日の出前にピークハント
美し過ぎて言葉にならない


紅蓮の弓矢をかけてあげたかった。。
記念写真を撮ってもらいました。

下山時も圧倒的な自然の迫力に感動しながら、滑り転けながら降りていきました(左足負傷)。

Laban Rata小屋に9時すぎに到着。朝食をいただきます。

もちろんビュッフェです(すごすぎ)

シリアルはかなり不味かったです()

10時にチェックアウトを済ませ、そこから6km、1500m downの長〜い道を進みます。先輩の足が限界を迎えて、申し訳ないけど苦しんでいる姿に爆笑しながらなんとか登山口まで。

Successful Climbers
誇らしくなりますね。
登山レースの記録みたいです。
1位は2時間21分。。
コースタイムは1泊2日で9時間。。

下山後は近くの高級レストランでビュッフェをいただきました。

またまたビュッフェです(うまい)
パパイヤはあんまり好みじゃ無かったですね🤔

キナバル山事務所で預けていた荷物を受け取り、登頂証明書を発行してもらいました。

事務所からコタキナバル内の宿まで送迎してくれるのが本当に助かりました。

まとめ

中3以来の海外旅行で正直不安でいっぱいでしたが、大自然に囲まれ、非常に楽しい山行になりました!
マレーシアのナイトマーケットで全員がお腹を下した話はおいおい書こうと思います。

ガイドがなくても入山できる日本の特異性と、それが可能な環境を維持することの重要性を再認識させられました。

写真

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