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溢れ出る全能感 FE 28-70mm F2 GM レビュー その1

あけましておめでとうございます。シオタニです。
待ちに待った超三元、FE 28-70mm F2 GMのレビューを書かせていただきます。発売を首を長くして待っていました。写りも弩級、お値段も超弩級。そんなレンズですね。お値段が超弩級すぎて購入を迷いました(笑)。

購入している人も少なく、レビューの需要も少ないかと思いますがせっかくなので覗いてみてください。最後を読む頃には価格.comで値段を見るところまで持っていって見せます。




◾️ なぜこのレンズを選んだのか

大昔の記事で「なんで単焦点しか使わないのか」を書いたと思います。そんな大それたこといいながらなんでズームレンズ買っとるんじゃ!という感じの方もいるかもしれません。

理由としては、仕事の撮影に行く時便利だから。これに尽きます。

現在単焦点だけでウェディングの撮影などをこなしているため、大荷物で真夏の砂浜を歩いたりしてます。正直死にそうです。ただでさえ沖縄暑いのに…。レンズ交換に時間取られるし、カバンで暑いしで中々撮影に集中しにくい環境です。

この環境を変えるレンズとして、FE 28-70mm F2 GMを導入しました。
これ+超広角のカメラ2台だけで撮れない写真はほとんどなくなります。まさに万能。暑くて重いリュックとはおさらばできます。撮影のストレスを減らして、枚数やクオリティを高めていく。そのためにはぴったりのレンズです。

f2という明るさでサンセットの薄暗さも怖くない。特に高感度が弱いα7R系統を使っている私にはぴったりのレンズです



■ 作例&使用感

それでは作例と使用感について触れていきます


35mm f2 で撮影

広角側の撮影だからこそf2の素晴らしさを感じられるかと思います。単焦点に負けない解像度とボケの美しさを感じていただけるはずです。ざわつきやすい背景も比較的綺麗にボケてくれています


60mm f2 で撮影

前ボケも滑らかで、枝や葉などに二線ボケなどは見られませんでした。撮影していて気持ちいいです。イメージ通りに写るレンズって当たり前のようで中々有りません。


46mm f2 で撮影

二線ボケが出やすいオリーブ系を前ボケにしてみました。めっちゃ綺麗ですよね。単焦点でもSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAとかだとちょっと苦手な条件です。滑らかにボケていて背景に繋がっていく。素晴らしいです。


35mm f3.5 で撮影

最近のレンズでは当たり前ですが、少し絞ると解像感は良くなります。かといって中央部は開放とほとんど変わらないです。被写界深度を稼ぐ目的以外では絞らなくていいかと思います。


70mm f5 で撮影
四隅の部分を200%で拡大

全てを兼ね備えた無敵のレンズに見えますが、弱点も存在します。それが倍率色収差です。四隅の方ではコントラストが高い部分にそこそこみられます。倍率色収差なので絞ってもあまり改善しないです。


28mm f3.5 で撮影

逆光も比較的苦手なシチュエーションです。この撮影でも、天井の配管あたりに強めのフリンジが出ています。編集で消せるのでそこまで気にする必要はないのです。しかし、ファインダーや背面液晶ではかなり強調されてフリンジが写ります。撮影時にうわ、とテンションが下がるのは欠点だなーと。


43mm f2.2 で撮影

こちらも逆光の作例。複雑な光学系のせいか、ゴーストとフレアが出やすいです。私はウェディングやポートレート、動画のためにこのレンズを購入したため、むしろ良い点として捉えています。ただ、風景写真を撮影する際は注意が必要です。


43mm f2.2 で撮影

こんな感じで、結構珍しいフレアとゴーストが写ります。鏡筒で反射するような場所があるんですかね?初めて見る形です。


38mm f2 で撮影

逆光では全体的にふわっとした感じに写ります。光学的には欠点ですが、個人的にはとても好みの描写です


43mm f2 で撮影

強光でもハイライトが飛ばず、シャドウも潰れずいい色を拾ってくれます。α7RⅤのセンサーを最大限使ってくれてる感じがしてます。綺麗にボケてくれるおかげで、レタッチしてもトーンジャンプが起きにくいレンズです。


45mm f2 で撮影

思ったよりも重量は気にならないです。大体135mmGMと同じなんで、ちょい邪魔かな?くらいの感覚で持ち歩いています。動きのある撮影にも十分対応できる重量です。ジンバルにはこれから載せてみますが、おそらく筋トレをする必要が出てくるでしょう(笑)。



■ 唯一の欠点

ほとんど文句のつけようがないこのレンズにも明確な欠点が存在します。
それは、

フィルター径が86mm

ということです。

風景写真を本腰入れて撮っている方は角型フィルターを導入していると思いますが、ほとんどの人はねじ込み式のフィルターでしょう。私も基本はねじ込み式の円形フィルターです。そして、多くの人は所持しているレンズの中で最も大きいフィルター径に合わせて各種フィルターを揃えていきますよね。

私も82mmでNDフィルターもブラックミストもクロスフィルターも全て揃えていたんです。それらが全て使えないというのがかなりの痛手です。まぁ異次元の大口径を考えればしょうがないんですが。
86mmというマイナーなフィルター径のせいで保護フィルターを探すのも一苦労です。marumiの86mmフィルターはレンズフードと干渉するなど、フィルター径以外の問題も出てきています。
急いで保護フィルターとNDだけ追加購入しています。特に保護フィルターは値段の割に汚れが抜群に落ちやすく、画質への影響も認められなかったのでお勧めしたいです。

KANIさんの作るフィルターは高品質だと耳にしていました。値段もZXなどに比べて控えめなので、人柱の気分で購入したところ、最高の使いごごちでした。保護フィルターにお金をかけたくない、だけどできるだけ高品質。そして86mmが欲しい。そんな人がいればぜひお試しください。冗談抜きでオススメです。


NDフィルターはこちらを使っています。おそらく現在86mmを求めている人が多く、Amazonでもページが消えたり、復活したりを繰り返しています。定期的にチェックするのがオススメです。



■ まとめ

溢れ出る全能感が止まらない、そんな感じのレンズです。24-70mm f2.8は万能レンズで有名ですが、それを遥かに超える表現力があるレンズです。24-70が80点を量産するレンズなら本レンズは90点を量産するレンズです。100点を目指す場合は妥協せず単焦点で…
ズームという特徴上、シャッターチャンスを逃しにくいのはもちろん、このレンズはシャッターチャンスをより高いクオリティで捉えてくれます。

ただ、ズームならではの難しさもあります。みなさんお気付きかもしれませんが、今回の作例はほとんどが35-45mm付近で撮影されています。そう、ズーム域の使い分けが難しいです。いつもの感覚で撮ってると35mm付近ばかりになってしまい、単焦点でいいじゃないかとなってしまいます。現在、私も絶賛苦しみ中です。
やはり上手くなるには単焦点。その後ズームが良いのでしょうね。使いこなせるよう頑張ります。

さて本レンズのメリットとデメリットをまとめましょう

メリット
・開放f値2によるボケ
・ズーム全域で単焦点と並ぶ解像度
・単焦点4本分のズーム域
・綺麗なフレア、ゴースト
・同クラスではかなり軽い

デメリット
・86mmというマイナーかつ大きいフィルター径
・逆光での風景写真などは難しい
・ズームによって撮影中に考えることが増える

改めて見ると贅沢すぎる悩みです。
超弩級のお値段さえなんとかなるなら、あなたの撮影体験を進化させてくれるレンズです。勇気を持ってポチりましょう



■ その他作例たち


スカッとした冬の空
太陽が強すぎて大変でした


広角が欲しくなる屋内でも、レンズ交換なしで28mm使えるって最高ですね


逆光でも上手く扱ってあげると全然悪さしません


ハイライトも粘ってくれてますね


贅沢に絞って撮影するのも最高でした
やっぱりズーム便利すぎる


しっとりした雨も相待って、不気味なアンパンマンたち


スナップに使うのも良いです
あのレンズ持ってくればよかったー!がなくなります


思ったより寄れるので、軽いモノ獲りなら可能です


ガラス越しに撮影しています
ちょっとズームできるおかげで余分なモノを省きやすいです

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