2階リビングはどうなのか?アリ?無し?
こんにちは。
建築コンサルタントのtakumiです。
狭めの敷地、南面に隣地建物が接近している場合には、2階にリビングを配置することを検討します。
実際に、間取りを診断していると、よく拝見するパターンではあります。
実は2階のリビング、階段の昇り降りが多くなり、デメリットが多そうなイメージですが、実際にはどうなのか。
2階リビングを検証してみましょう。
◆2階リビングのメリット①~日当たり
まず、2階リビングのメリットは日当たりです。
1階リビングでは南側の隣地建物で影になって、陽の光が入りにくい場合は、2階にリビングを持ってくると光が入りやすくなります。
太陽の光がきちんと入るかどうかを見極めるには、最も太陽の高度の低い「冬至」の太陽高度で確認します。
冬至の南中時(真南に太陽が登っている時)にリビングの窓にある程度光が入れば、OKとなるわけです。
リビングの明るさというのは、健康的な住まいには欠かせないポイントです。
やはり、2階リビングの最大のメリットは、明るさとなります。
◆2階リビングのメリット②~プライバシー性
2階にリビングをもってくると、リビングの窓は道路を歩く人や通過する車からは直接、見えにくくなります。
1階リビングのデメリットは、道路からの視線がありますが、2階リビングとすることでプライバシー性が向上することになります。
特に、南側が道路の場合、1階リビングで大きな掃き出し窓を南面に設置すると、道路からリビング内が丸見えになってしまうことがありますね。
その点、2階リビングでは、道路からは直接は見えませんから、プライバシー性はかなり違ってきます。
◆2階リビングのメリット③~開放的に感じる
また、プライバシー性が上がるのと同時に、眺めも良くなると言えます。
1階のリビングでは壁に囲まれて空が見えない状況となるのが、2階リビングだと窓から空もしっかり映ります。
窓から空が見えるというのは、「眺望」だけではなく、部屋の開放感にも影響してきます。
窓から見える景色が壁(または塀)だけでは、閉塞感がありますが、隣の建物までが同じ距離でも、2階リビングにすることによって窓から空が見えると、解放感が大きく高まります。
◆2階リビングは老後はどうなのか?
2階リビングでは、「老後に昇り降りがたいへん」というご意見はよく聞きます。
確かに、階段の昇り降りは足腰が弱るとたいへん。
しかし、これって1階にリビングを配置しても、2階に寝室や風呂があれば同じことなんですよね。
1階に、LDKと洗面・風呂、そして寝室。
これらが全て1階に配置できれば、生活全てが1階で完結し、足腰が悪くなっても生活しやすい。
逆に、これらのどれかひとつでも2階にあれば、必ず2階への行き来が必要になります。
そのため、狭目の敷地ではLDK、洗面・風呂、寝室を全て1階に配置できないことが多いため、思い切って2階リビングにした方がメリットが多い、ということになるのです。
◆2階リビングの老後の対策
では、2階リビングにした場合、老後はどうしたら良いのか?
少しコストがかかりますが、ホームエレベーターの設置を検討することが有力です。
ホームエレベーターはだいたい300万円前後の費用と、1畳強程度のスペースが必要です。
今のご時世、80歳、90歳のお年寄りでも、階段の昇り降りをされている方もおられますから必ず2階への行き来が難しいものでもないですが、
階段の昇り降りがきつくなったらホームエレベーターが最適ですね。
新築の時点から、エレベーターを設置できるスペースを計画しておけば、必要になった時にエレベーター設置の工事をすれば良いわけです。
上の間取り図のように、玄関先にエレベーターのスペースを作っておき、シューズクロークとして使う、2階も同様にファミリークローゼット等の収納スペースとして使い、将来的にエレベーターを設置できるように準備しておく。
こうすれば、無駄がない計画になりますね。
◆まおめ~確かにデメリットもある
こうしてみてみると、2階リビングもなかなかメリットがしっかりあり、老後もエレベーターが設置できれば安心ではあります。
しかし、どうしようもないデメリットはあります。
「2階のリビングまで、荷物を運ぶのがたいへん」
ということです。
毎日のお買い物、買い物袋を2階へ持って上がったり、ゴミ出し動線も長くなります。
覆せないデメリットも考慮して、じっくり考えてみましょう。
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