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DTPといえば QuarkXPress が標準だった

小生の経歴……割と早くからパソコンでのDTPを使ってました。
日本では2000年代前半まで「Mac DTPといえば Quark XPress 」というのが業界の常識でした。

DTPという言葉自体は、先行していた PageMaker が最初に使った言葉だそうです。しかしDTPの定番ソフトは QuarkXPress (Verは3.3J)…MAC OS9の時代です。

この時期、DTP界ではひとつの大きな出来事がありました。
日本語フォントが従来のOCFフォントからOpenTypeフォントへ移行が進んだことです。

OpenTypeフォントとは Microsoft社と Adobe社により開発された、PostScriptフォーマットのフォントです。
プリンタフォントを必要としませんでした。

OCFフォントはTrueTypeフォントと呼ばれ歴史は古く、その分普及も進んでいたのですが、MacーWindowsの互換性の問題とか今後の拡張性を考えて、プロはOpenTypeフォントを選んだ、という状況だったようです。

個人事業主である、市井のデザイナー・小生の事務所にとっても大きな問題でした。新しい書体のフォントを買い揃えるのは(プリンタフォントも同時購入が必要なので)、とても負担でした。
結局のところ、プロが使うフォントはOpenTypeフォントで決着しました。

そんなこんなの時期の出来事。
当時のデザイナーとして、(あくまでも)個人的感想は以下の通りです。

QuarkXPress 4.0J版へのバージョンアップの連絡があり、その後に詳細がはっきりして来ました。
バージョンアップの価格がかなり高額でした。

ソフトウエア会社として「Quark社は殿様商売をしている…」という風に、多くのデザイナーが感じてしまった。
カスタマーハラスメントの逆は殿様商売らしい……。

この時期、かなりページ数のある厚手カタログを QuarkXPress 4.0Jで組んだ仕事をしていました。「 Quark は何様だ」という怒り。そのかがり火が燃え盛る、感想だったのを覚えています。
小生は、次の年度のカタログ制作で一念発起したのです。

Adobe InDesign への全面的データ改変を敢行。
「ざまーみろ Quark 」の思いに溢れてました(笑)。

そう、2009年の日本では、Mac OS Xへの移行に伴い、Adobe InDesign への乗り換えが進んだのです。
Mac OS Xへの対応に遅れた QuarkXPress が、Adobe にシェアを奪われた事件でした。

QuarkXPress には、XTensionやそれまで蓄積したノウハウなどが多々ありました。でもそれを余りある機能で、InDesign が快進撃を続けた訳です。

特にカタログで多用する「表組」が簡単にできることは有り難かった。
それまでは Illustrator で作った表組を(EPSファイルにして)貼り付けていました。その直し作業が大変でした。

ある意味 Adobe 製品のパワーでした。(これはこれで問題はあると、後に思い知らされます…)

世の中なんて古今東西を問わず、源平合戦と同じですよね。
…おごれる人も久しからず……祇園精舎の鐘の音が聞こえて来そ〜です。

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