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昔のビリヤード風景……引き玉に魅せられて
街のうわさで知りました。現在は、コロナ禍で熱は冷めてしまったようですが、2020年頃から「令和ビリヤードブーム」が起きていたそうです。全然知らなかった~なぁ……。
実は若い頃のカズおじいは、けっこうビリヤードで遊んでいました。
主に「四つ玉」というルールです。
関東でポケットビリヤードが始まったのは、映画「ハスラー2」からといっていいでしょう。「ハスラー2」は、トム・クルーズとポール・ニューマン主演の映画(米・1986年)。
ニューマンは本作の演技でアカデミー主演男優賞を受賞しています。
現在日本でビリヤードといえば、ナインボールやローテーションで知られるポケットビリヤード(プール)。プールバーと呼ばれる店舗がこれだけ流行った訳ですから。「ハスラー2」もポケットビリヤードです。
それ以前の関東では、ビリヤードのメインは四つ球でした。
ポケット台は極端に少なかったはずです。四つ球の台は、ポケット台より少し小振りで、台にポケットはありません。球は少し大きめです。
小生が遊んだビリヤードは主に四つ玉、たまにスリークッション。
「四つ玉」とは、赤玉2球と白玉2球がビリヤード台の上にある球のすべてです。白玉が手玉(撞くボール)で、他の3球に手玉を当てるゲームです。
手玉が赤玉・赤玉に当たれば3点。白玉・赤玉に当たれば2点。白玉・赤玉・赤玉に当たれば5点。
当たらなければ選手交代です。後年ルールが変わって、何に当たっても1点と変更になりました。
理由は点数を数えるのが面倒だったからでしょう。
ゲームでは、球はどんどん撞かれていきます。3、5、5、2、3と点数を数えていくのですが、数える人も大変です。1点制ならば、1、1、1、1、1は、計5点です。誰でも数えられます(笑)。
台の横には、点数を記録する「そろばん」がありました。
3、5、5、2、3=18点。これをそろばんの玉を動かすのも大変です。
ゲームはハンデ戦で、4~5キューで撞ききる目処の点数が撞き手の持ち点です。1キューとは1回のことです。(キューは球を撞く棒のことです)
小生は(よいしょの点数で)持ち点70点で遊んでました。
何故、小生がビリヤードに嵌まったかといいますと、最初に行った撞球店で元プロに、「引き玉」を見せられたからです。魅せられたんです(笑)。元プロは撞球場の店主です。片目の視力を無くして、左からのショットが不自由になったから、引退したと言ってました。
もう多分営業してないと思いますが、横浜野毛のみすずという撞球店でした。「引き玉」以外にも、カーブ球やマッセ撞き、いわゆる曲撞き(曲球)もいっぱい魅せてくれました。
「引き玉」は、手玉の下部分を強く撞くと、的玉に当たって戻ってくる撞き方です。ビリヤードをやったことがない方には分かりにくいかもしれません。
ビリヤードの球は、プラスチック製です(良い球もしくは古い球は象牙です)。ビリヤード台には全面にラシャが貼ってあり、縁はクッションと呼ばれます。
適度なスピードで転がり、適度なスピードで跳ね返ります。
さらにちゃんとした店舗では、台の下に電熱器を置いて常に乾燥に気を配っています。
手玉を的玉に正面衝突させるように撞いてみましょう。
手玉の「中心」を撞いて正面衝突させ、当たると的玉はとんでいきます。
手玉は当たった場所に止まります。
手玉の「上部分」を強く撞くと、手玉は当たった場所に止まり、そこから前に走り始めます。これを「押し玉」といいます。
手玉の「下部分」を強く撞くと、手玉は当たった場所に止まり、そこから後ろに走り始めます。これが「引き玉」です。
手玉がクッションに当たれば跳ね返るのだから、的玉に当たって跳ね返ってきても……と思うでしょう。
でも何もない場所にある的玉に、手玉が当たって戻ってくると、あなたもきっと驚くと思います。
小生は中高で剣道を少々たしなんでおり、手首のスナップが鍛えられていたようです。
最初から、この「引き玉」が得意でした。元プロが「すごい、将来有望だ」と、客へのよいしょなのか?褒めてくれました(笑)。
自慢でもありました。1m以上離れた的玉でも、簡単に「引き玉」で戻せました。自慢満々(笑)。
3~4cm隙間があれば簡単に「引き玉」で戻せました。手玉を介して的玉を撞くことは、「リク(二度撞き)」といって反則です。
3~4cm隙間はリクにならない最短の距離です。カズ青年のスナップが効いたショットが有効でした(自慢)。
「四つ球」のデメリットはセリ球と寄せ球です。その見た目のイメージ。
上級者はセリ球といって、台の一カ所にすべての球を集め、ゲームを進めます。
ショット後の4つの球が、台全面に散らないように、予測加減しながら撞いていきます。
その過程では、引き球・押し球・マッセ撞きなどいろいろなテクニックを使っています。
その細かなテクニックは素人さんには分かりません。
見た目が実に地味な光景です。
この撞き方で上級者をなれば、延々何十分間も(何百点も)撞いていきます。ここら辺が四つ玉が廃れていった原因でしょう。派手さがないのですね~。
一方、ポケットビリヤード(プール)は、ボールの動きが派手でアクション華やかです。
ゴルフでいえば、かつて青木功がハワイアンオープンで魅せたグレートショット。残り128ヤードを奇跡のチップイン・イーグルで、米ツアー日本人初優勝。
派手で華やかなイメージ……これが四つ球にはないんです。
地味で堅実。そう小生の人生そのものです……。