わしのYouTube概要欄 「吸う」
夏は暑くてあまり好きじゃないです。
楽しみなことも両手に収まるくらいしかないと思います。
その一つが"朝の空気"です。
そもそも、季節に関わらず"朝の空気"というものを愛しているのだけれど、夏のそれも格別なのです。
冬の朝は、「寒い寒い...」と毛布に包まってなかなか起きられない中、コーヒーを飲みたいから頑張って体を起こして湯を沸かしにいく。
豆を挽きながらゆっくりとした気分で湯が沸くのを待つ。湯が沸いたら焦らずゆっくりとコーヒーを淹れる。ラジオを流しながらボーッと着替えをしてコーヒーを口へ運ぶ。頭が冴えてきたらコートを羽織って外に出る。体に入ってくるスッと澄んで不純物のない新鮮な空気が、身体を中から浄化して、私を落ち着いた大人にしてくれているような気がする。
夏の朝というのは、「暑い暑い」と飛び跳ねるようにシャワーへ向かい、夜間かいたであろう汗を洗い流す。少しばかりのさっぱりとした時間のうちに着替えを済ましてしまう。身だしなみが整うと、夜に仕込んでおいたアイスコーヒーと牛乳を冷蔵庫から取り出してカフェオレにして体に一気に流し込む。一息つく間も与えずに外に出る。その時の空気は、少年時代のラジオ体操、野球の朝練、プール開放などの夏休みのワクワクした高揚感を思い出させてくれる。年を重ねるほどに、テンションがぶち上がることがなくなってきている私には、この夏の朝の空気が与えてくれる高揚感は自分を瞬時に若返らせてくれる特効薬なのです。
どうして空気の匂いや重さのようなものが季節によって変わるのかはわかりませんが、タバコのように手の中にそれが収まる時代が来るのなら、私はいろんな国のいろんな季節の朝の空気を持ち運んでずっと吸い続けていたいです。
でも、どうせ私のことだ。
その時は「今、自分の周りにある空気の貴重さに気づくことが大切。」とかなんとか言って"朝の空気ジョイント"を吸いまくっているジャンキーたちのことを冷たい目で見てるんだろうな。