コロナにより「業績」「内部留保」が大打撃を受けている業界・会社

みなさんこんにちは。

連日「コロナの影響による大幅赤字」などの決算ニュースが報道されていますね。ニュースを見ながら「各社はどれだけ体力が持つのか？」と気になったので、今回はこのようなテーマにしました。

内部留保が０になったり、債務超過（自己資本額がマイナス）になったからといって、即倒産というわけではありませんが、コロナによる経済影響について考える材料になればと思います。

前提

・現時点（2020年8月3日）での開示情報に基づいています
・コロナにより赤字決算となった会社を集計しています
・そもそも赤字経営だった会社は記載してません
・コロナの影響が大きい業界からピックアップしてます（鉄道、航空、外食、観光、カラオケ、百貨店、ブライダル）
・ここでいう内部留保は利益剰余金のことを指してます

コロナによる業績影響

直近四半期決算における「赤字額が大きい会社」を上から順にまとめました。

ＪＲ３社は東日本が▲1,554億円、西日本が▲767億円、東海が▲726億円と大きな赤字決算となっています。鉄道ビジネスは固定費がかなり大きいビジネスなので、リモートワーク推奨や外出自粛要請が今後も続くと、かなりしんどい状況が続くかと思います。

鉄道会社と同じく、旅行や長距離出張などの外出が控えられたことにより、航空会社大手のANAが▲1,088億円、JALが▲937億円と大きな赤字決算となっています。また、観光業界では「東京ディズニーランド」を運営するオリエンタルランドが▲249億円、「近畿日本ツーリスト」などを運営するKNT-CTホールディングスが▲100億円の赤字決算となっています。

そして、「三越伊勢丹」をはじめとする百貨店も、入国制限によりインバウンド客がほぼ０になったことが大きな影響となり、各社▲2～300億円規模の大きな赤字決算となっています。

内部留保が0になるまでの想定期間が短い会社

先ほどの表から「内部留保が0になるまでの想定期間」を算定し、追加しました。表中の右側です。

直近３カ月の当期純利益を用いて、簡易的に内部留保が０になるまでどのくらいの期間なのか？を計算し、「内部留保が0になるまでの想定期間」が短い会社を上から順にまとめました。内部留保=保有現金残高ではありませんが、内部留保の多寡は企業体力のリトマス紙になります。

当期純利益は特別損失の減損額も含まれている場合もあるので、実際にはこの想定期間よりは長くかかると思われます。また、営業利益ではなく当期純利益としているのは、コロナによる休業損失が特損として計上されている場合もあるので、当期純利益で計算しています。

「コロナによる業績影響」で記載した多くの会社は比較的内部留保を厚く持っているので、そうそう内部留保が0になることはありません。ＪＲ各社やオリエンタルランドの数値を見て頂ければ一目瞭然かと思います。

その一方で、観光業の中でも「藤田観光」が既に内部留保がマイナスとなっているなど、宿泊施設を運営する各社の体力的戦いは非常に厳しいものになっています。GoToキャンペーンは批判的に報道されることが多いですが、この表を見て頂いた通り、観光産業向けには１日でも早く何か有効な施策を打たないと、半数以上のホテル等は倒産することにもなりかねないかと思います。

また、外食産業については、あと１年続くと内部留保が０となる可能性が高い会社が多いです。特にお酒を提供する居酒屋系企業については、既に不採算店舗の撤退が始まっていますし、暫くは大人数での飲み会自粛要請などが続き、忘年会や新年会需要も期待できないと思います。観光業界と同じくかなり厳しい戦いになっています。飲食業界に連動する「ぐるなび」もかなり厳しい状況です。

そして、カラオケ業界も「鉄人化計画」や「音通」が既に内部留保がマイナスとなっています。カラオケスペースをテレワークスペースに展開するなどの努力をされていますが、「３蜜」を避けるためにカラオケは時短営業や自粛要請の対象となっており、これからも厳しい戦いが続くかと思います。カラオケも大好きなので、何とか踏ん張って欲しいです。

終わり

助成金等によるコロナ支援も大企業は後回しになっていますが、上場しているような企業達も無限に体力があるわけではありません。

これから年末までが日本経済にとって勝負の時になるかと思います。踏ん張り時ですので、各自の持ち場で粘れるだけ粘っていくしかないですかね。

何の気兼ねも無く、居酒屋でみんなと飲める時に戻りたいですね。

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