960倍短縮したスピード
近年、わたしたちの周りではいろいろなものの「スピード」が加速しています。
そのなかで、じつは960倍も短縮されたスピードがあります。
今回は、この短縮されたスピードと、そのワケと影響について共有していきます。
スピードの変化
スピードをはかる指標はいくつもありますが、そのなかでもおもしろいのは、技術やサービスの普及スピードを示す指標です。
わかりやすいのが、「ユーザー数が5000万人に到達するまでの時間」。
日本人口の40%を超える5000万人という人数に到達するには、どれだけかかるのでしょうか?
電話は約半世紀
コミュニケーション手段として当たり前に使われている電話。
現在では世界中で使われているため意外かもしれませんが、ユーザーが5000万人を超えるのに半世紀、約50年もかかっています。
iPodは電話の12倍以上
そのあと登場したiPodは、外出中でも音楽が聴ける代名詞。
このiPodは、電話の12倍以上の短さ、わずか4年でユーザー5000万人を達成しました。
驚異的だったポケモン
でもさらに驚くべきことに、2016年に登場したスマホゲーム「ポケモンGO」は、圧倒的に早いたった19日でこの目標を達成しました。
電話の普及スピードから比較すると、約960倍という驚異的スピードです。
このように、技術やサービスの広がるスピードはどんどん速くなり、現在では急速な普及が可能になっています。
では、なぜこんなにもスピードが速くなったのでしょうか?
スピードが速くなった3つの「普及」
背景には、3つのものの普及が要因だと言われています。
それは、インターネット・スマホ・SNS。
インターネット(ベース)が普及したことで、世界ではさまざまな情報がほぼ一瞬で届くようになりました。
さらに、各個人がスマホ(ハードウェア)を持っていることで、このインターネットへのアクセスがいつでもどこでもできるように。
SNS(ソフトウェア)は、スマホで使えるプラットフォームとして、サービスの評判や情報を爆発的に広げることを可能にしました。
このようにベース・ハード・ソフトが揃ったことで、どんどんスピードが加速している、ということです。
では、この加速した普及スピードの速さは、わたしたちにどんな影響を与えるでしょうか?
変化のスピードが拡げるもの
このような普及の加速は、気が付くとわたしたちの生活や社会に大きな影響を与えています。
新しい技術やサービスが次々と登場して短期間で普及することで、わたしたちの生活様式も急速に変化していくからです。
たとえば、最近でもいろいろな様式の変化がありました。
オンラインショッピング:従来の実店舗での買い物の形を変えた。
動画配信サービス:わずか数年でいままでの視聴スタイル(テレビ)を変えた。
電子決済:現金決済からスマホでのキャッシュレス社会へ移行が進んだ。
もちろんこのような新しい技術・サービスは、無駄なものが減ったり使いやすくなったという点で、ほとんどの人には良い変化をもたらしています。
でも、「昔の方が良かった」と考える人もいます。
「オンラインショッピングは不安」と実店舗でしか買い物しない人、
「動画配信サービスは使い方がわからない」とテレビしか観ない人、
「セキュリティが心配」と現金でしか決済しない人など。
もちろん、それぞれ一長一短、メリットとデメリットがありますが、どうしてもそれらを理解しないまま遠ざけてしまう人も一定数いるというのが現状です。
こうなると、新しい技術とサービスを使いこなせる人とそうでない人に分かれます。
そしてこれは、格差の拡大につながっていきます。
普及スピードが加速したことで新しい変化を受け入れられるかどうかが浮き彫りになり、同時に格差が開きつつある。
あなたの身近でも、この差を感じることがあるのではないでしょうか?
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