見出し画像

プロモーションがもっとも効果をあげるタイミング コーヒードリッパー開発秘話 #11

プロダクトが売れる日

写真や動画、ランディングページなどが完成してきて、ようやくこれでクラウドファンディングを開始できそうになってきました。

ただ、今回のプロダクトはコーヒードリッパー。
寒くなってきたタイミングが一番注目されます。
制作日数や実際にお客様に届く時間も考慮すると、9月頃には募集をスタートしたい、という思いがありました。

なんだかんだ打合せをしていたところ、ランディングページの制作開始が7月。
2か月あれば間に合うだろうと思っていたものの、いざ写真撮影や打合せ、適合検査書の申請等々行っているあいだに(前々回配信した撮影日はこの間でした)、気が付けばすべてが完了したのが9月中頃。
はじめての取り組みは予想を立てにくく、慣れないことなので余計に時間がかかる・・・ということを体現した形です(笑)。

でも、せめて9月中にはクラウドファンディングを開始したい!とMakuakeさんに無理を言って、通常、最終の申請から2週間ほどはかかる審査を大幅に短縮していただき、担当の方といろいろとやりとりし修正しながら約1週間ほどで申請を完了。
これでようやくクラウドファンディングの開始日が決まったのです。
公開は、2021年9月24日(金)。

成功のための最後のプロセス

クラウドファンディングの開始日は決まったものの、さらに細かい調整があります。
それは、開始時間

Makuakeでは、スタートした瞬間から「新着のプロダクト」という項目でプロダクトが人目につきやすいところに表示されるため、この開始時間を吟味することはとても重要なのです。

開始日は金曜日と平日なので、通勤時間にサイトを覗く人をターゲットにして早朝に開始するのか、昼間にするのか、帰宅中にチェックできる夕方にするのか、リラックスしている夜にするのか・・・考え方はさまざまです。

もちろん、プロダクトの質が良いという大前提のうえで、ユーザーに最大限魅力が伝わるように仕上げたランディングページを準備しています。
あとは、すこしでも多くの人に気づいてもらえるように、人目につくようにプロモーションを工夫すること。
広告やSNSでの宣伝という動的な手段を除けば、スタート時間の設定はわたしたちがこのクラウドファンディングの成功のためにできる最後の静的な設定プロセスです。

スタート時間を決めた研究

そんななかわたしが参考にしたのは、モバイル・マーケティングで購買行動を決定づける9つの要素について書かれた『Tapスマホで買ってしまう9つの理由』
なんでもスマホで買えるこの時代に、「どのようなところに気を付けてプロモーションを行えば効果的か?」が書かれている本です。

※商品を購入すると、売上の一部が販売プラットフォームより当記事作成者に還元されることがあります。掲載されている情報は執筆時点の情報、または自動で更新されています。

この本ではいろいろな研究が載っているのですが、なかでも気になったものは、時間帯による広告効果を調べた研究でした。

2012年にeMarketerというところが発表したこの研究では、「実用的なプロダクトと嗜好品的なプロダクトの広告を打つタイミングはいつが一番良いのか?」を調べるために、アメリカと中国の研究チームが以下の実験を行った、というものです。

[設定]
1日を1時間ずつ12の時間帯に分割し、それぞれのはじまりを午前8時から午後7時までとした。
各時間帯にふたつのグループを割り当て、全部で24のグループを作成した。
[実験]
それぞれの時間帯で、ひとつのグループは実用的なプロダクトのプロモーションを、もうひとつのグループは嗜好品的なプロダクトのプロモーションをモバイルで受信。
全時間帯でのグループごとのレスポンスを計測した。
[結果]
実用的なプロダクトのプロモーションに対するレスポンスでもっとも高かったのは午前中(10:00-12:00)で、夜(19:00-20:00)は低かった。
嗜好品的なプロダクトのプロモーションに対するレスポンスは昼(12:00-14:00)と午後に最も高く、午前中(8:00-9:00)は低かった。

今回クラウドファンディングで出すプロダクトは、いわば嗜好品です。
ということは、嗜好品で一番レスポンスの高い12:00-14:00の時間帯にスタートすることがベスト
これで、クラウドファンディングの開始が2021年9月24日(金) 12:00と決まったのです。

次回は、いよいよクラウドファンディングのスタートです。

▼実際に行ったクラウドファンディングのページはこちら▼

▼完成したプロダクトはこちら▼

▼連載リンク▼

▽本編▽
#1  閉塞感から始まったコーヒードリッパー開発
#2 ひとつめの落とし穴
#3 科学的な味の追及方法
#4 クラウドファンディング出品ではどのサービスがいいのか?
#5 プロダクト開発で問われる〇〇力
#6 カンタンにユーザーの声を集計する方法
#7 プロトタイプのチカラ
#8 デザインに"賭ける"のはコストの無駄遣い
#9 素人とプロの違い
#10 食品プロダクトの壁
#11 プロモーションがもっとも効果をあげるタイミング(本記事)
#12 達成率95%と29%のボーダーライン
#13 設定ミスで失ったメリット
#14 プロダクト販売に使うECサービスはどれがいい?

▽きっかけ編▽
#2 -1 きっかけとなった派生品開発プロジェクト①
#2-2 きっかけとなった派生品開発プロジェクト②
#2-3 きっかけとなった音声メディアの言葉
#2-4 体系化されているアイデアのつくりかた

#Tap

#Tapスマホで買ってしまう9つの理由

#開発秘話

#ポンプ屋の奮闘記

#初クラウドファンディング

#初BtoC

#工業メーカーの挑戦

#メーカーの教訓

#製造業

#みつわポンプ製作所

#SeahorseDripper

#MitsuwaSeahorseDripper

#マイクロモーメント

#読書

#本好き

#本の虫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?