プロダクト開発で問われる〇〇力 コーヒードリッパー開発秘話 #5
クラウドファンディングの流れ
前回、ついにクラウドファンディングプラットフォームのMakuakeに申し込んだわけですが、サンプルがなくて話がすすまない・・・という壁に早速ぶつかってしまいました。
ちなみに、実際のクラウドファンディングの流れはこんなかんじ。
このとき、まだプロダクトは設計の段階で、テストサンプルさえない状態。
これでは2の審査にもすすめません。
ということで、さっそく設計図をもとにサンプルを発注することになりました。
そしてこの1から2へ進む段階が、思った以上に長い道のりだったのです。
1にも2にもプロトタイプ
最近話題のデザイン思考やスタートアップの業界では、アイデアがあればまずプロトタイプをつくって、実際にユーザーに使ってもらうということが重視されています。
▼デザイン思考の概要がわかる参考記事▼
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まずはつくって、ためして、改善する。
このサイクルを繰り返して品質を高めることが大事、ということです。
PDCAを高速で回すというかんじです。
今回のコーヒードリッパーも新事業なので、これらの考え方がぴったり当てはまります。
つまり、初期ロットでの生産発注の際、サンプルモニター分も上乗せして発注することにしたのです。
タダならカンタンに集まると考えていた
ここからは、実際に使ってもらうモニターの募集を行います。
Instagramを開設し、定期的な発信のなかでモニター募集。
このほかにも、知り合いのコーヒー豆専門店にお願いしたり、友人にお願いしたり・・・総動員です。
募集をはじめる前、じつはかなり甘く考えていました。
もちろん直接お願いした人には快く承諾いただいたものの、当初予定していたモニター数がなかなか集まらなかったのです。
「タダなんだからカンタンに集まるだろう」と考えていたのですが、いままでBtoB企業としてオフラインでしか情報発信をしてこなかったツケが、ここで効いてきたのです。
直接面と向かっての営業に偏っていたこと、自社の既存製品が使われそうな人にしかプロモーションしてこなかったことなどなど・・・。
本末転倒のようですが、当初コロナ禍で困っていたからと行おうとしていた初BtoC・初クラウドファンディングの前段階で、同じ問題に直面したわけです。
発信力がないからクラウドファンディングをしようとしたのに、プロダクトの開発途中で発信力が必要だった・・・ということです。
でも、よくよく考えてみれば、プロダクト開発でモニターを集めてテストするというのは当たり前のプロセス。
最終的には人手を駆使してなんとかモニターを集められたものの、ものづくりを行うメーカーであれば必然的に発信力が必要となる、ということを身をもって勉強させられた出来事となりました。
つまり、メーカーは発信力を持っておかないと、質の高いプロダクトをつくれないということにもつながります。
これがこのnoteというSNSをはじめた理由のひとつでもありました。
次回は、集まったモニターから意見を聞くツールや、実際にプロダクトをブラッシュアップしていった過程についてご紹介します。
▼なんとかできたクラウドファンディングページ▼
▼クラウドファンディングでつくったコーヒードリッパー▼
▼連載リンク▼
▽本編▽
#1 閉塞感から始まったコーヒードリッパー開発
#2 ひとつめの落とし穴
#3 科学的な味の追及方法
#4 クラウドファンディング出品ではどのサービスがいいのか?
#5 プロダクト開発で問われる〇〇力(本記事)
#6 カンタンにユーザーの声を集計する方法
#7 プロトタイプのチカラ
#8 デザインに"賭ける"のはコストの無駄遣い
#9 素人とプロの違い
#10 食品プロダクトの壁
#11 プロモーションがもっとも効果をあげるタイミング
#12 達成率95%と29%のボーダーライン
#13 設定ミスで失ったメリット
#14 プロダクト販売に使うECサービスはどれがいい?
▽きっかけ編▽
#2 -1 きっかけとなった派生品開発プロジェクト①
#2-2 きっかけとなった派生品開発プロジェクト②
#2-3 きっかけとなった音声メディアの言葉
#2-4 体系化されているアイデアのつくりかた