体験をアップデートする思考法
「デザイン思考」という言葉を知っていますか?
最近書籍などでも見かけるデザイン思考。
これは、問題解決やアイディア創出のための手法の一つです。
しかし、これは単なる手法であるだけでなく、私たちの生活や体験を豊かにする力があります。
「怖い」を「楽しみ」に変えたデザイン思考
たとえば、毎年の健康診断や人間ドックで受けることもあるMRI検査。
あの白い機械の穴の中に入って、頭の中をスキャンする機械です。
MRI検査では、うるさい音にさらされながら、ずっとじっとしていなければいけません。
大人にとってはちょっと退屈だったりめんどくさいくらいの体験ですが、子どもたちにとってはどうでしょうか?
ひとりで大きな機械の中に入ることや、大きな音がしているのはやっぱり怖いものです。
実際、GE社のMRI開発者ダグ・ディーツ氏は、自分が設計したMRIを見て子どもが泣き出す場面に遭遇しました。
そして、この出来事に大きなショックを受けたのです。
でも、この出来事は彼に大きなヒントを与えました。
ユーザーの体験、特に子どもたちの体験をどう改善するかを考え、デザイン思考の手法を取り入れました。
その結果、MRI検査室は宇宙旅行や海賊船の冒険へと誘う魅力的なデザインが施された空間に生まれ変わりました。
こうすることで、子どもたちは「いまから宇宙の旅に行くんだ!」「海賊船出発だー!」と楽しくMRI検査をしてくれるようになったのです。
これがGE社のMRI、アドベンチャーシリーズ。
デザイン思考は「見た目」だけじゃない
この例は、ただ装飾やデザインを変えただけに見えるかもしれませんが、実際には患者の体験や不安を軽減するためのとてもクリエイティブなアプローチでした。
機械や部屋のデザインだけでなく、医師や看護師の衣装も提供され、どのように子どもに声掛けすべきかのマニュアルまで作られているからです。
こうすることで、一貫した世界観を作り、ユーザーの体験を変えることができたのです。
「体験」から変える
海外だけでなく、もちろん日本にもデザイン思考の良い例があります。
そのひとつが、2005年にグッドデザイン賞を受賞した「世界一細い注射器」。
この注射器は、注射器を使うユーザーである糖尿病患者の痛みを和らげる、という発想から生まれました。
これもまた、ユーザーの体験を起点に問題解決を模索したソリューションです。
アジャイル型で進む
ここまでデザイン思考の良い例を出してきましたが、とは言っても、簡単に取り入れられるものでもありません。
日々学び、つくって、実際にユーザーの体験を通し、なんども試行錯誤しながら良いプロダクトを作り上げていくのが、デザイン思考の考え方。
すぐにできることではありません。
サブスクリプションサービスのように、日々ユーザーの声を聞きながらサービスをアップデートさせていくことが、なにより重要。
わたしも本業でサブスクリプションサービスを開始したので、このデザイン思考を忘れないように、アジャイル型で進んでいく必要がありそうです。
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