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ちょうどいいスープに学ぶ

『3びきのくま』というイギリスの童話をご存じでしょうか?

森に棲んでいる3匹のくま。
ある日、彼らが留守の間に、1人の女の子がやってきます。
少女は気の向くまま家のものを勝手に使ったり食べたりと自由奔放に動き回って・・・というお話です。


ちょうどいいスープ

童話では、3匹のくまそれぞれの大きさに応じた食事や家具があります。
その中で少女は、熱すぎず冷たすぎないちょうどいい暖かさのスープを飲み干します。

このシーンからつけられた心理学効果があります。
それが、「ゴルディロックス効果」

どのチョコレートを選ぶ?

100円・200円・800円と3つの価格のチョコレートがあった場合、あなたはどのチョコレートを選びますか?
ほとんど人は、安くも高くもない真ん中の200円を選ぶことが多いようです。

人はこのように、選択肢が3種類あると、本質的な価値に関係なく中間の選択肢に惹きつけられます。
これは、失敗する確率が低くなると思って極端な選択を避け、中間を選びたくなるから。

このような心理学効果のことを、「ゴルディロックス効果」と呼びます。
日本では「松竹梅の法則」とも言われるものですね。

わたしが読んだ『3びきのくま』の日本語版ではこの少女の名前は書かれていませんでしたが、勝手気ままに過ごす少女の名前が、じつはゴルディロックスなのです。
「ゴルディロックス」という名前はなんとなく日本ではちょっと強そうなイメージがあるので(わたしだけでしょうか?)、日本語に翻訳されたときになくしてしまったのかもしれませんね。

ゴルディロックス効果の使い方

こういった心理学効果を学んだときに大事なことがあります。
それは、使い方を考えること。
ただ知っているだけでは、なんの意味もないからです。

では、ゴルディロックス効果はどのような使い方があるでしょうか?

自分が消費者の場合

たとえば、高級チョコレート屋さんでチョコレートを選ぶとき。
1,500円・2,500円・5,500円とあれば、2,500円のものを選んでしまいそうです。
でもここで、「待てよ。これはゴルディロックス効果で真ん中の1,500円を選ばせようとしているな」と気が付けば、
「よく考えたら、1,500円でも十分高級なチョコレートだよな。ということは、1,500円を選んでも十分満足するはずだ」という判断もできるということです。

もちろん、2,500円や5,500円のものがダメというわけではありません。
自分にとってその価格に見合う価値があるのであれば、いくらでも良いのです。
ここで重要なのは、価格に惑わされずに判断できるということ。

一度このような使い方を想像しておくだけで、同じような場面になったとき、このポイントを思い出すために客観的な視点がとれるようになります。

自分が商品・サービスを提供する場合

では、今度は逆に商品・サービス提供をする側の場合はどうでしょう?

たとえば、1,500円と2,500円2種類のチョコレートを販売している場合、消費者の立場に立ってみると、1,500円を選ぶことが多いでしょう。
そこでゴルディロックス効果を考えてみると、いまより高品質なチョコレートを開発し、より高価格である5,500円のものを用意する、という選択肢が生まれます。

もちろんしっかりと商品・サービスの価値を提供することは当たり前ですが、こうすることによって中間の2,500円を選ぶ消費者が増えるため、さらに高い売上・利益を上げることができる可能性が高まるのです。

絵本から学ぶ

今回は実際に心理学に直結した話でしたが、大人になってから絵本を読んでみると、とても考えさせられる話や、意外な発見があったりします。
今回の『3びきのくま』以外にも、息抜きも兼ねてたまには絵本を読んでみてはいかがでしょうか?

▼『3びきのくま』▼

▼価格設定について学べる本▼

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