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プロフェッショナルの条件を読んでみた②

前回の記事で、自らをマネジメントするをまとめてみました。

今回は、part4 意思決定のための基礎知識をまとめてみます。


part4 意思決定のための基礎知識

意思決定の秘訣(5つのステップ)

 第一のステップは、問題の多くは基本的なものであり、原則や手順についての決定を通してのみ解決することを認識すること。
 問題は四種類。「基本的な問題か、例外的な問題か」「何度も起こることか、個別に対処すべきことか」を問う。

  • 基本的な兆候に過ぎない問題。例えば、蒸気の圧力が強すぎるときのパイプ漏れ。パイプ漏れは基本的な問題の症状に過ぎない。

  • 当事者にとっては例外的だか、実際は基本的な問題。あまり経験しないが、常にどこかで起こっている問題。

  • 真に例外的、特殊な問題。

  • 基本的な問題の最初の現れ。

 第二のステップは、決定が満たすべき必要条件を明確にすること。
 
「その決定の目的は何か」「達成すべき最低限の目標は何か」「満足させるべき必要条件は何か」を明らかにする。

 第三のステップは、決定において、何が正しいかを考える。
 最初から、何が受け入れられやすいかという観点からスタートしてはならない。

 第四のステップは、決定を行動に変えなければならない。
 決定は、最初の段階から行動への取り組みをその中に取り込んでおかなければ成果は上がらない。

 第五のステップは、決定そのもの中にフィードバックを講じておかなければならない。
 人は間違いを犯す。必ずしも最高の決定を行えるわけではない。

 その他の注意点として、

  • 満場一致に注意。選択肢全てに検討しなければ視野は閉ざされる。

  • 決定は本当に必要か。何もしなくても問題は起こらないなら、問題に手をつけてはならない。

  • 勇気を持つ。一般的に成果を上げる決定は苦い。ここで、「もう一度調べよう」という誘惑に負けてはならない。

優れたコミュニケーションとは何か

 コミュニケーションには4つの原理がある。

  • 受け手の言葉を使わなければ成立しない。

  • 受け手が期待するものを知らなければ、コミュニケーションを行うことはできない。反発は重要ではない。期待しないことは、見えもしなければ、聞こえもしない。

  • コミュニケーションは常に受け手に何かを要求する。受けての価値観や目的に合致するときに強力になり、合致しないときに抵抗される。

  • コミュニケーションと情報は別物。コミュニケーションは知覚の対象であり、情報は論理の対象。情報はコミュニケーションを前提とするが、コミュニケーションは情報を必要としない。コミュニケーションに重要なのは知覚であって情報ではない。

情報と組織

 情報型組織は、従来の組織と異なる動きをする。情報型組織は平ら。マネジメントの階層が従来の組織に比べて圧倒的に少ない。その階層は、権限でも、意思決定でも、管理でもなく、情報の中継器でしかない。
 情報型組織に必要なのは、「誰が、どのような情報を、いつ、どこで必要としているか」を問う意思である。
 情報型組織は、組織内の個人と部門が、自らの目標優先順位、他との関係、意思の疎通に責任を持つときにのみ有効に機能する。したがって情報型組織においては、皆が、「いかなる貢献と業績が期待されているか」「何が責任か」「自分が行おうとしていることを、組織内の誰が知り、理解すれば、協力し合えるか」「組織内の誰に、いかなる情報、知識、技術を求めるべきか」「誰が、自分の情報、知識、技術を求めているか」「誰を支援すべきか」「誰に支援を求めるべきか」を問わなければならない。

仕事としてのリーダーシップ

 リーダーシップはカリスマ性に依存しない。
 リーダーたる要件は、リーダーシップを仕事と見ること、地位や特権ではなく責任と見ること、信頼を得られることである。

人の強みを生かす

 成果を上げるためには、人の強みを生かさなければならない。弱みを気にしすぎてはならない。
 強みを生かすことは組織に特有の機能。組織といえども弱みを克服することはできないが、意味のないものにできる。
 成果を上げるためには、強みを中心に据えて異動を行い、昇進させなければならない。
 人の弱みに配慮して人事を行えば、平凡な人事に終わる。
 組織とは、強みを相互に結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である。

イノベーションの原理と方法

 第一に、イノベーションを行うためには、機会を分析することから始めなければならない。
 次の七つの機会の全てにおいて、体系的に分析することが必要。

  1. 予期せぬこと

  2. ギャップ

  3. ニーズ

  4. 構造の変化

  5. 人口の変化

  6. 認識の変化

  7. 新知識の獲得

 第二に、イノベーションとは理論的な分析であるとともに知覚的な認識である。従ってイノベーションを行うにあたっては外に出、見、問い、聞かなければならない。イノベーションに成功するものは、右脳と左脳の両方を使う。

 第三に、イノベーションに成功するには、焦点を絞り単純なものにしなければならない。一つのことに集中しなければならない。

 第四に、イノベーションに成功するためには、小さくスタートしなければならない。大がかりであってはならない。

 なすべきでないこともある。
 懲りすぎてはならない。多角化してはならない。未来のためにイノベーションを行おうとしてはならない。

 イノベーションの成功には三つの条件がある。
 第一に、イノベーションは集中でなければならない。イノベーションを行うには知識が必要である。エジソンさえ電気の分野でしか働かなかった。
 第二に、イノベーションは強みを基盤としなければならない。イノベーションには相性も必要である。
 第三にイノベーションは経済や社会の変革を目指さなければならない。

 イノベーターはリスクを冒さない。イノベーションは、どこまでもそのリスクを明らかにし、小さくできるかによって、成功の度合いが決まる。イノベーションに成功する者は保守的である。保守的たらざるをえない。彼らはリスク志向ではない。機会思考である。

ちょっと長くなってしまいました…
最後までお読みいただきありがとうございました。


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