PARP阻害剤と抗腫瘍剤との併用療法の適応拡大の可能性
ポリ (ADP リボース) ポリメラーゼ (PARP) の阻害は、相同組換え欠損悪性腫瘍の臨床治療に適用され、大きな成功を収めています。
相同組換え修復を行う選定された15の遺伝子(BRCA1、BRCA2 、ATM、BRIP1、BARD1、CDK12、CHEK1、CHEK2、FANCL、PALB2、PPP2R2A、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD54L)の中で、最も、去勢抵抗前立腺がんに対してPARP阻害剤の奏効性が認められる遺伝子として、BRCA1/2, ATM, or CDK12のpathogenic variantsが認められている。
一方、CDK12におけるpathogenic variantsを有するCRPCに対する免疫チェックポイント阻害剤の奏効性も認められている。
2019年12月から2022年11月までの期間で、日本の国立大学の癌ゲノム医療において、合計1289例(Ncc oncopanelでの検査:294例、F1CDxでの検査:995例)の治療法が、検討された。日本人の転移性結腸直腸がんの合計252例に対して、癌ゲノム医療で、治療法が検討された。
癌ゲノム医学の結果、CRPCの患者の合計58症例において、CDK12におけるpathogenic variantsが検出された(Nccオンコパネルによる検査:6例、F1CDxによる検査:52例)。日本での臨床試験において、CRCP28症例に対してPembrolizumabとOlaparibの併用療法が行われ、CRPC30症例に対してOlaparibの単独治療が行われている。これまでの臨床試験の結果、Olaparibの単独治療での治療効果と比較して、progressive CRPCに対するPembrolizumabとOlaparibの併用療法での治療効果の方が良いと思われる。
コンパニオン検査(myChoice)によってHRDが検出されたhigh-grade serous ovarian cancerに対するolaparibとベバシズマブとの併用療法の奏効性が認められている。HRD陽性の癌患者に対するPARP阻害剤と抗腫瘍剤との併用療法が、適応拡大すると考えられる。
がん医療専門ドクター/新興感染症専門ドクター
JAMA Oncology, published on December 4, 2022 by 京都@takumaH
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