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「地方×SaaS×スタートアップ」はじめてのエクイティファイナンス~後編~

前編では、主にクアンドがこれまでどのような事業をやっていて、その後なぜ資金調達に至ったのか。資金調達するしない関わらずやっていることについて書きました。
後編では、より実践に近い資金調達活動について書きたいと思います。皆さんご存知の通り、資金調達の方法に正解はないと思うのであくまで参考程度に読んで頂ければ幸いです。

なお、これまで経営陣のみが株式を保有しており、今回はじめてのエクイティファイナンスであったことと、プロダクトはできているが月次売上はほとんどない状態(MRR100万円未満)であったことが前提となります。

スケジュール

全体感を捉えるためにどのようなスケジュールで資金調達を行ったのか示したいと思います。

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2021年の年明けくらいからそろそろ資金調達活動せねばということでCEOと私とで書籍や記事からインプットしたり、資料の構成についてディスカッションしたりしていました。
新年度を迎える4月からいよいよ投資家を回ろうということで3月を資料作りにあてました。私がすべて作るわけではなくCEOとパートを分担して作成しました。メインの話し手がCEOになるのでそのように自然となる気がしています。
その後、4月に投資家まわりをスタートし、約3ヶ月はとにかく投資家との対話をしつつ、資料の修正、DD対応をし、最後の1ヶ月で契約交渉や各投資家の決裁プロセス、契約手続、着金という流れでした。スケジュールについては概ね想定通り進めることができたかなと思っていますが、後段でも記載しますがもう少し資金調達以前に投資家の方々と接触が多ければ、あと1ヶ月は短縮できたような気がしています。

事前に準備したもの

これはほとんどのスタートアップが近しいものになるとは思いますが、資金調達を行うにあたって、僕たちは以下を準備しました。
①投資家向け説明資料
 ・ピッチ資料(会社・事業説明資料)コア約20P(主にプロダクト)
 ・数値計画(トップラインの推移、コスト構造、キャッシュ・フロー)
 ・資本政策表(captable)
 ・人員推移
 ここまでで約20p
加えて、QA対応分約20P(投資家を回っている中で質問が来たものは残しておき資料をその後作成し、差し込むみたいなことをしていたらこのような形になりました)
②投資家リスト
VC、CVC、個人投資家を自分たちのネットワークに加えてまだ接点はないが話をしてみたい投資家を含めてリスト化。このリストをコントロールシートとして、いつ、だれと面談し、どのようなQAをしたのか、特徴はなにかなどを記していきます。資金調達活動中は、このシートを元に経営陣で定期的にディスカッションを行っていきました。

リスト

投資家まわり 

まずはこれまで何らか接点のあった投資家から順に説明をし、反応を伺い、同時に相談をしていました。ただ、5社ほどまわった段階で投資家でも考え方、評価の仕方がそれぞれあることがわかり、限定せずに多くの投資家と対話したほうがいいだろうと判断し、そこから2ヶ月で30超の投資家と面談をしました。当然自分たちのネットワークでは限界があったので先輩起業家やVCの方にご紹介頂いたり、ときにはTwitterでDMを送ったりしていました。ちなみに今回ご出資頂いたビザスクの端羽さんはTwitterでのやりとりがきっかけでした。やはり、行動力は重要だなと思います。オンラインミーティングが当たり前になったことも追い風で地方発スタートアップでも十分資金調達ができる状態になったのかなと思います。

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先輩起業家への相談

先ほど、先輩起業家に投資家をご紹介頂いたと書きましたが、それに加えてたくさんのアドバイスを頂きました。正解がない中で先人はどう判断してきたのか、株主を迎え入れるということはどういうことなのか、投資を受けた先にはなにがあるのか、起業家、スタートアップからの視点で意見を頂けることはとても貴重な機会でした(前職で5年ほど事業承継/事業再生に関連する投資ファンドを運営していましたがスタートアップの世界はやはりそことはやや異なりました)。
どなたに相談したか言及はしませんが、本当に感謝です。改めて、ご相談にのって頂いた先輩起業家の皆様、ありがとうございました!!

株主構成を考える・リード/フォロー投資家の決定

たくさんの投資家の方々と話していく中で、それぞれの強み・弱み、特徴(直接/間接でヒアリング)を把握し、事業そして次の調達への追い風となり得る投資家かどうか(資金力、事業戦略ディスカッション、ブランド力、支援体制、共に未来を過ごしたいと思えるか(人となり)等)をポイントにディスカッションしながら、絞っていきました。もちろんその途中でいまのフェーズ感や状態では投資できないとも言われました。
検討してもらいつつ、悶々としている中、圧倒的なスピードで条件提示をして頂いたのが前田ヒロさん率いるALLSTARSAASFUNDさんでした。スピーディーかつ提案書を用いた明確な提案により、一気に決まっていきました(口頭ではなく書面に落とし込まれ、評価した点(主に市場とチームを評価してもらいました)や支援できる点、条件などの記載をして頂き、誠実さが伝わってきました)。出会って20日での投資決定にはさすがに驚きました。そして、従業員一人ひとりとインタビュー頂いた上で決定頂いたことは同時にすごく自信にもなりました。
最終的に株主として入って頂いた投資家の方々はそれぞれ特徴があり、支援内容も違い、バラエティに富んでおり、とても心強いなと思っています。

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クロージングにむけたDDや契約対応

方針が決まり、残すは、細かいDD対応や契約に関する対応です。どうしても資金調達中はCEOの時間が取られてしまい、事業の進捗が落ちる傾向にあると思っていて、できるだけ早く解放したい、しなければならないと考えていたので、この段階(6月末あたり)でCEOには資金調達から離れてもらい、事業や採用に集中できる環境づくりを心がけていきました。

調達後の株主とのコミュニケーション

投資家に入って頂いた後は、毎月定例で「月次株主報告会」をオンラインで開催し、現状の共有や戦略の方向性について伝えたり、ディスカッションしたりしています。

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アジェンダ

それに加えてSlackやFacebookMessengerでやりとりをしながらアドホックにディスカッション機会を設定しています。

さいごに

約半年、はじめての資金調達活動をしましたが学ぶことが多かったなと改めて思います。もちろん経験しないとわからないことが多いことは事実ですが、以下の点を参考にしてもらえるといいのではないかなと思っています。

①エリアを問わず起業家のつながりをつくる
今回の資金調達では特に少し先のフェーズをむかえている起業家の方々にとてもお世話になりました。みなさん、口を揃えておっしゃっていたのが、「僕たちも同じように悩み苦しんだし、先輩起業家に相談をしていたから!」と優しいお言葉をかけて頂きました。こういう考え方を持った方々が本当に多く、素晴らしい世界に来たなと改めて思いました。あとは、そんな方々も共に日々戦っているんだと思うと自然と勇気を持てるようにもなりました。同志だなと思える起業家コミュニティは大切だなと思います。

②多くの投資家との接点を早めに持つ
これは僕たちの反省点です。まずは、投資家がこのフェーズ(プロダクトはあるものの、MRRはまだ積み上がっていない)でどのような視点でみるのかを早めに知った上でスタートしたほうが資料の構成もより良いものにできただろうし、自信をもって話すことができたのではないかと思います。加えて、初回の面談が増えて少し時間がかかった気がしています。カジュアルに話すような機会はこの反省から続けるようにしていますし、その他、既存株主と投資家の方々向けに「QUANDO MONTHLY NEWS LETTER」ということで現状を書いたレターを毎月送るようにしています。点ではなく線でクアンドのことを知ってもらい、調達時に投資家がスムーズに検討に入れるよう工夫しています。

マンスリーレター

③QUANDOの株主(VC)を激推ししたいと思います!
プロダクトはできているものの、MRRが積み上がっていない状態で戦略でもプロダクトでも数値でもなく、市場やチームを評価し、投資頂けた株主であることと、月次株主報告会に参加するだけではなく、事業戦略、組織、採用、営業(主に顧客紹介)、起業家の紹介など様々な面で適宜支援を頂けること、この2点からQUANDOの株主を推したいと思います。ご興味ある方はご紹介するので気軽にお声がけください。

ALL STAR SAAS FUND https://allstarsaas.com/
UB Ventures https://ubv.vc/
DOGAN β https://dogan.vc/ 
F Ventures https://f-ventures.vc/

本当に最後にですが、引き続きクアンドでは全ポジション募集しておりますし、コーポレート部門も来年以降組織を作っていきたいと思っています!まずはカジュアルにお話させて頂ければ幸いです!


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