楽園を追われるサラリーマン【#貧乏はお金持ち読書感想文2】(毎日更新95日目)
昨日に続いて橘玲さんの著書で現実に役立つ経済の勉強をしていきたいと思います。
今回は第一章を読んでみました。
第一章の概要
グローバル経済と情報通信技術の急速な進歩によって、人々の働き方が会社の正社員からフリーエージェントへと変わってきていることを伝えています。
アメリカのビジネスパーソンたちが辿ってきた歴史を検証することで、日本のサラリーマンも絶滅していく人種だということを説明しています。
将来に希望が持てず閉塞感のある日本社会を変えるには、企業に囲われている知的労働者(クリエイティブクラス)を解放して、その人達がマイクロ法人を創ることが重要だという。
会社からクリエイティブクラスが流出することで会社に空席ができて若い人がそこへ入れるようになり流動性が生まれる。
そして能力と現代社会で稼ぐ実力を持つクリエイター達がフリーエージェントとなり、マイクロ法人を興すことで新たなビジネスが生まれる。
そこにまた新たな雇用が生まれる。
アメリカのようにたくさんのマイクロ法人ができることで、年功序列や終身雇用といったものから離れて、選択肢も増え、より自由な働き方ができるようになっていく。
日本の現在の閉鎖的な労働市場は流動性の高いものになっていく。
第一章にはそんなようなことが書いてあります。(ぼくの解釈では)
もう少しだけ詳しく
戦後の欧米、とくにアメリカ経済と日本の経済の歴史を対比させながら解説しています。
アメリカのフリーエージェントの成り立ちを歴史をたどりながら丁寧に説明し、そのことからこれからの日本人の未来を予想しています。
かつてはアメリカにも存在していた組織人(オーガニゼーションマン)が会社に忠誠を尽くすことで家族のような共同体の力で豊かな社会を築いていたが、日本から来たさらに強い家族(サラリーマン)によって楽園を追われてしまったこと。
そしてその人達がフリーエージェントとなり、今のようなマイクロ法人が無数に存在するようなアメリカ社会になったことが説明されていました。
そして日本型の古くからの年功序列や終身雇用制度の構造や行き詰まりの原因。
富士通が取り入れた成果主義の失敗。
そのことにより日本に初めて生まれた転職市場と巨大な人材マーケット。
格差社会の現状、規制緩和や規制強化といった論争の無意味なこと。
閉塞感でいっぱいの日本を変革するには第三の道を探る必要があり、それにはアメリカが辿ってきた歴史がヒントになるというようなことが書いてあります。
これまでのあらゆることがそうであるように、日本のビジネスパーソンのこれからもアメリカの跡をたどるようですね。
第一章の感想
日本とアメリカの経済の歴史と現在の状況を知ることができました。
富士通など実際の会社の例などを出して説明してくれていますので、かなりわかりやすくなっていると思いました。
驚いたのが世界標準から見ると日本の現状はかなり違っているということでした。
「欧米の社会では同僚や部下、上司の年齢を知らないのが普通だ。もちろん履歴書に年齢や生年月日を記載する欄はない」
日本には年齢や性別でいまだに差別があるんだということ。
すごくありますよね。
日本は転職する場合に年齢ですごく左右されますけど、それは世界的には特異なことだということを知りました。
これも年功序列という雇用慣行があったせいもあるでしょうね。
いまだに年齢や入社日で給料に差をつける会社がいっぱいありますもんね。
また驚いたのが、アメリカのフリーエージェント(ほぼフリーランスと同意)の数の違いです。
本書が発表された当時(2009年)で
アメリカのフリーエージェント1650万人、日本は約40万人
アメリカのマイクロ法人1300万社、日本30万社。
この圧倒的すぎる差。
人口が違うにしても、この差はすごすぎです。
現在日本のフリーエージェントはまあまあ増えてきたんでしょうか。
にも関わらず
臨時社員(派遣社員とほぼ同意)の数は300万人くらいで同じくらいいるんです。
今だったらもっとたくさんいるでしょう。
日本は派遣社員という働き方をしている人がめちゃくちゃ多いってことですね。
こんなにも違ってしまったのは、日本人が今まで会社にいっぱい守られてきたということであり、日本人が会社にどんだけ依存してきたかということがわかる数字です。
でも筆者によれば日本にもアメリカのようにフリーエージェントが何千万人という状態になることもそれほど遠くない未来に来るだろうということです。
今回のコロナ禍でますますこの流れは加速しますよね、きっと。
といったわけで第一章はこんな感じでした。
本書はカンタンに書いてあるとは言いつつも経済用語がぼくはさっぱりなのでなかなか読むのに骨がおれます。
もっと世の中のこと経済のことを知りたいなあと思っています。
そんなわけで今日はこのへんで
またあした。
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