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私がウガンダで見たもの、感じたこと。

約1週間のウガンダスタディツアーを終え、無事日本に帰国しました。最高に濃密な時間を過ごすことができました。

ツアーを企画し、現地でアテンドてくださった原貫太さん、本当にありがとうございました。原さんの知識やご経験、非常に学びになりました。人生の財産となる貴重な旅になったと思います。一緒に学びを楽しんだスタツアメンバー、本当に感謝しています。

ツアーの手配等、万全な準備をしてくださったエス・プランナーの皆様、ありがとうございました。

ウガンダで出会った全ての方々、ありがとうございました。今では、「ウガンダ」と聞くと、出会った方々の顔が頭に浮かびます。

以下、本題になります。かなり長文になりますがお付き合いいただけますと幸いです。



ウガンダで気をつけたこと

まずは、交通事情。信号や横断歩道はほとんど見られませんでした。当たり前のように人や車、バイクが飛び出してきます。平気で逆走する車もいました。笑
傷つけ合わなければ何でもOK感が非常に強かったです。道を歩いていても、気を抜いたら「死」がよぎります。笑
どうしたら、安全に行き来できるか、日本以上に考えます。

カオスな交通事情

次に感染症対策。特にマラリア対策と水対策を徹底しました。屋内・屋外問わず、蚊除け成分の入ったペーパーで全身を拭いてから、服を着て、さらにその上から蚊除けスプレーをかけるなど、蚊を寄せ付けない努力を徹底しました。笑
マラリア予防薬のマラロンも欠かさず飲み続けました。マラリアを媒介する蚊は夜行性らしいのですが、万全に越したことはないと判断しました。
また、水道水は原則飲めません。飲むと高確率で病気になるそうです。歯磨きで口をゆすぐ時も、お店で買ったミネラルウォーターを使用しました。

最後に治安面。物凄く悪いわけではありませんが、日本よりは危険です。特に都市部では盗難や強盗もたくさん見られるとのこと。スマートフォンはこちらではかなり貴重品です。盗難の危険性も高まるため、できるだけ見せないようにしました。日本人は、ウガンダでは圧倒的マイノリティです。「チャイニーズ」「ニイハオ」などと声かけられることも多かったです。マイノリティの方の立場を自覚する良い機会にもなりました。


ウガンダの経済発展と経済格差

発展する町もある一方で、スラムも点在しています。
カンパラ市内の大型商業施設です。


首都カンパラは、経済成長の著しい都市で商業施設もたくさん見られました。商業施設には、銃を持った警備員が常駐しており、セキュリティ面の意識も高かったです。

その一方で、スラム(居住環境の悪い地域)も見られ、経済格差のリアルを感じました。

首都カンパラのスラムで暮らす子どもたちです。様々な理由から学校には行けない子どもたちが多く、近くの教会で同世代の仲間と学んでいます。外国人である私への警戒心は全くなく、輝かしい笑顔がとても印象的でした。

笑顔に国境なし。
スラムの教会にて。

文房具を購入してプレゼントしたり、一緒に踊ったり。地元の子どもたちと触れ合うことができました。

その日の夜、夕食を屋外でとっていた時に、物売りの少年がアクセサリーを売ってくれました。聞けば、自分の学費を稼いでいるとのこと。
ウガンダの方々は、社会に対しての期待値が低いそう。だからこそ自分の力でどうにかしようとする子が多い。日本は過保護すぎるのかな?


NPO法人テラ・ルネッサンスが運営する元子ども兵の社会復帰施設

ウガンダでは、内戦によって子どもが戦場で戦う「子ども兵」の問題が深刻でした。戦場で戦う術しか教わっていない、心に深い傷を負った彼らには、解放後に社会で自立した生活を送っていける、そんな支援が必要です。

京都に本部があるNPO法人テラ・ルネッサンス
生徒さんの真剣な表情
作業中の様子

卒業生の方とお会いし、実際の仕事現場も見学させてもらいました。
社会的にも経済的にも自立した元子ども兵の人々の姿を見て、学びや教育は、人々の幸福と未来の平和を創る上で非常に意義があると感じました。

社会復帰施設の卒業生
作業現場

テラ・ルネッサンス理事長の小川真吾さんともお会いし、たくさんのことを学ばせていただきました。とにかく知識が豊富で優しく素敵な方でした。
元子ども兵の社会復帰のためには、「ウガンダ国民としての地位の保護」「経済的な自立」「社会統合」の三つが必要なことがわかりました。その中でも私が特に大切だと思ったことが「社会統合」です。
「社会統合」とは、元子ども兵の方々が社会から受け入れられ、社会とのつながりを築いていくことを意味します。これは、簡単なことではないと感じました。
例えば、種類は異なりますが、日本でも犯罪を犯した人の社会復帰が難しいように、特殊なアイデンティティを持った人々への社会が見る目は多様です。元子ども兵の方々については、ウガンダ国民の「寛容性」が社会統合への鍵になっているとのことでした。

小川さんは、元子ども兵の方に、「戦争を終わらせるにはどうすればいいと思うか」聞いてみたそうです。
その結果、「銃弾の供給ルートを絶てばいい。」という非常にシンプルかつ本質的な答えが返ってきたそうです。
戦争を続けるには、「武器」「資源(資金など)」「情報」の三つが必要で、これらを絶てば戦争を続けることはできなくなるとのこと。
平和について考えさせられた、非常に興味深い話でした。


真の道徳教育〜ヤギの屠殺(とさつ)見学〜

社会復帰施設では、ヤギの屠殺現場も見学しました。私たちが普段口にしている食べ物の多くは、すでに加工された状態のものです。人間によって「命が終わらされる瞬間」を見ることはほとんどありません。見えないところで誰かがやっているのです。

宿っていた命が、徐々に消えていく様子を眺めました。言葉が出てきませんでした。不思議にも、「かわいそう」という感情にはなりませんでした。
生と死の境目は曖昧だと感じました。

屠殺を行っていた生徒さんが、無駄なくヤギを解体している様子から、生き物の命へのリスペクトを感じました。聞けば、ウガンダでは生き物の全てを無駄なく生かすことが常識だそうです。
「命をいただいている」ことを心から自覚しました。真の道徳教育です。

私たちは生かされているのです。

屠殺前のヤギ
先程のヤギのお肉をいただきました。臭みが全くなく、柔らかかったです。



アフリカの大自然で悟った人間の儚さ

マーチソンフォールズ国立公園へ行き、サファリドライブとナイル川のクルージングを楽しみました。

マーチソンフォールズ国立公園


アフリカの大自然に触れたことで、地球の壮大さと人間の小ささを心で感じました。「人間も自然の一部である」、このことを思い出させてくれました。

サファリドライブで見た野生のキリン

サファリで最も守らないといけない動物はライオンとのこと。肉食動物である以上、他の草食動物よりも狩りの難易度が高い。だけど、ライオンを保護しようと
少しでも人間が手を加えてしまうと、そのライオンは野生動物ではなくなってしまう。人間と自然との共存って本当に難しいなと感じました。

ナイル川のクルージング
マーチソンフォールズ(滝)

地球単位で見たら人間がいかに儚く小さな存在なのか。人間は自然の一部であり、他の生物と資源を分け合って、お互いを分け与えながら生活している。生物の「死」は、違う生物の「生」とつながっている。過去の命(死)は未来の命(生)へ受け継がれていく。「命」はつながっているのです。
「自然」という視点で、空間的・時間的な広がりを踏まえて人間を捉え直すことができました。



ウガンダでいただいた食事と宿泊場所

今回のツアーでは、非常に快適なホテルをとっていただき、食事も豪華なものばかりを食べさせてもらいました。全て、大満足でした。一部ですが紹介させていただきます。

エチオピア料理のインジェラ
初キャッサバ
ホテルでの朝食
クラフトコーラ
ウガンダの地酒「ワラジ」
グルにある石原さとみさんも宿泊したホテル
マーチソンフォールズ国立公園のホテル
マーチソンフォールズ国立公園のホテル
最高のロケーション
日本食レストラン「YAMASEN(やま仙)」



今回の旅で私が得たもの

今回のウガンダ訪問は、私自身、自分の生き方を見直す時間になりました。
まずは、改めて、日本の便利さに気づけました。ウガンダは日本よりも不便ではあります。ですが、不便だからこそ、どうしたら安全に生活できるか必死に考えます。機械による自動化もまだまだ発展途上です。そうなると、自分の身体を使って生活せざるを得ません。それらがかえって、「生きている実感」をもたらしてくれると思いました。便利すぎる日本でこの実感を得ることは難しいと思います。
原さんの「身体性」の話がとても学びになりました。


また、じっくり考える、悩む、感じる時間の大切さにも気づきました。この時間が内面、人生を豊かにする時間なのではないかと考えます。日本で仕事をしていると、頭も心もあまり動かない時間が出てきます。現状に不満はないし、楽しんではいます。ただ、ウガンダには日本では感じられない独特の「空気」が流れています。ウガンダで私がよく見た景色、それは「何もしないでボーっとしている人々の姿」です。
あの空白の時間が実は人間に必要不可欠な時間なのかもしれません。人間の本来の姿なのかもしれません。隙間時間を惜しんで仕事をしたり、休むことなく常に何かに追われている日本の現代社会はもしかしたら行き過ぎているのかもしれません。

空白の時間を日常の中で定期的にとることが本来の自分を取り戻す一つの方法だと感じました。非生産的でもいいからあれこれ妄想する時間。この時間を意識的にとる習慣をつけたいです。

そして、北極星のような究極の目標を立てること。小川さんからの学びです。
どうやれば到達できるか分からないほど高い、北極星のような目標を立てて妄想することで自分の視座を高め視野を広げることにつながる。そうすることで、自らの人間力も高まる。目標を手段化することを繰り返し、北極星を目指していく。
現時点での私の北極星のような目標は、「この世界を、平和で誰もが生きやすい世界にすること。」です。

人間はミクロで見ると矛盾に満ちた生き物です。ですが、物事を知っていくことによって、徐々にあるべき方向へ軌道修正されていく。ミクロでそこだけ切り取ると、矛盾に満ちているけれど、マクロで俯瞰してみると「物事を知ったところ」を起点に変化しているかもしれません。確かに、自分もアフリカについて知ったからこそ(原さんの動画に出会ったからこそ)、実際にアフリカにもきているし、被災地支援などの社会貢献活動へと繋がっているのかもしれません。
そうなると、「伝えること」の価値を再認識します。私ができる微力として、これからも「伝える」ことは続けていきたいと思います。

ウガンダの地で、「今」を、「人生」を精一杯生きている人々の姿を見ました。
今回の旅で知れたのはウガンダのほんの一部分。見えなかった部分もたくさんあるはずです。誰一人置き去りにしない社会を創るためにも、声なき声を想像できる人、耳を傾けられる人で在りたいです。「自分の力なんてたかが知れている」とネガティブになってしまう時もあると思います。どんな時も、「人は微力だが無力ではない。」という言葉を信じて、自分のできることを精一杯やりたいと思います。
ウガンダで出会った方々のように。

もっともっと、自分の五感を通じてこの世界を知りたい。まだまだ自分にはやれることがある。そんな想いが内側から湧き出しました。
最も深刻な社会問題は人々の無関心」
世界の問題と自分とのつながりを意識しながら、世界と関わり続ける人になっていきたいと思います。


ウガンダ行きませんか?

初めてアフリカの大地に自分の足で立った、あの時の興奮やワクワク感を一生忘れません。一緒に行った参加者の方々も、「いつかは「今」!」と、それぞれの人生の中で今回のウガンダ渡航を決断しています。偶発的かつ運命的な出会いが背後にあることを忘れません。ウガンダに行って本当に良かったと思っています。費用はかかります。ですが、得るものは計り知れません。間違いなく人生の財産になると思います。少しでも興味のある方、下記をご覧ください!


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