宅建勉強法「過去問ぶん回しNG」は分かった!けど「周辺知識の確認」ってなんなんだ? 40点超えで1番大切なこと
宅建試験、前年の35点→今年43点へ
私は23年宅建試験で自己採点の結果おそらく合格しているようなので、おそらく今後も活用できそうな勉強法を、宅建受験生の方に加え、今後行政書士試験の突破に向けてステップアップすることを目指すにあたりメモするものです。
前回の22年宅建試験はあと1点が足らず35点で落ちました。試験は落ちたら分析が大事ですね。自分なりに敗因を分析すると、20点満点を狙いに行かねばならない宅建業法が15点しか取れていなかったことが大きかったです。
法令は6点、五問免除科目は5点とれており、ここは良かったですが、権利関係は8点とやや低く、税他は1点という結果でした。権利はあまり力を入れなかったので8点は当然として、果たして宅建業法はどこでどうやり方を間違えたのか。
22年10月時点では私の宅建業法の知識が表面的で、問われ方がちよっと変わるだけで全く歯が立たなかったのです。
宅建試験の敗因分析
22年の勉強はどのようにしていたのか。当時は市販の過去問ばかりやっていたことで、あまりテキストは読んでなかったことが、特徴でした。
22年も23年も独学で、とくに22年は棚田行政書士のYouTube動画を参考にして、彼が当時勧めていたTAC「みんながほしかったシリーズ」の過去問題集(以下、みんほし)をメインで使用しました。棚田氏の動画もモチベーション維持目的のために欠かさず観ました。
そこで棚田行政書士が過去問の使用について何度も注意していた事がありました。
それは「ただ過去問を回すことはNG」ということ。その理由は過去問と同じ知識が出るとは限らないし、仮に同じ知識を問われたとしても出題の仕方が異なるから答えられなくなるからです。
加えて棚田氏は必ずこう注意を促します。「過去問題を解く時は闇雲に解くのではなく、必ず周辺知識を確認しましょう!」
↑これ、シンプルですけどすごく深いことをおっしゃってます。23年試験で43点を取った今では、なにをどうすればいいのか手に取るようによくわかります。
しかし30点代前半でウロウロしていた22年当時はこの、周辺知識なる魔法の言葉にかなり悩まされたのです。
周辺知識ってなんなんだ!
…22年当時の私にとっては周辺知識というものが、いったい何を指しているのか分からない。加えてその周辺知識についてなにをどうやれば確認に至るのかがわからない。そもそも拾ってきた周辺知識なるものが、求められている周辺知識とマッチしてるのかの判断がつかず。
きっと宅建受験時の棚田氏はみんほし過去問中の答えの脇に「これが、周辺知識だ!」と自信を持って書き加えられていたことでしょう。
だが、私がやってたことは、これが周辺知識かなー!と思って書き込んだものがまったく重要でない知識ということでした。
結局は過去問の周回を繰り返すばかりとなり、浅い知識で22年は本番に臨むことになったわけです。
‥少しクレームになりますが、そもそもみんほし過去問集の解説は文章が薄っぺらく、補完のためリファレンスするにも根拠条文番号もなく、この答えの根拠は判例からなのかもしれないがその説明も手薄な印象でしかありません。
だからこの本の解説文を読むと不安な気持ちになるのです。解説をどこまで信じてよいのやらと。
周辺知識なるものに怯え、そしてかなり特別なことをしなければならないかのように錯覚していただけのかもしれませんが。
過去問の使い方が間違っていた。ただそれだけのことなのかもしれません。ですが周辺知識ってこう調べるんだよ、みたいなことが、もうすこし分かってればもう少しいい点が取れたはずだと思いました。
インプット中心の学習が効果あり!
だったら過去問から始めなくても、初めから周辺知識が網羅されてるテキストを読みこめばそれでいいのではないか。ある意味基本に立ち返るかのようなマインドセットをしました。
そこで23年はみんほし過去問をいったん棚の奥に閉まって、信頼できるテキストに知り得た情報を付け足し、頭に詰め込むイメージで勉強を進めました。
棚田さんは受験生当時、みんほし過去問集に周辺知識を書き込んで自分なりの一冊にしたのでしょう。ですが私が同じことをやろうとすると、やみくもに無駄な情報を書き込むだけの可能性があります。
そこでこれぞ信頼できる!といえるテキストにまとめるやり方をとりました。テキストは「みやざき塾の超重要ポイントまとめ集」です。ぱっと見は薄っぺらくスカスカな印象ですが、必要なことは纏ってます。文字数がめちゃ少なく極限までイラストと表で表現されてます。だから一見スカスカにみえるのです。
このスカスカなスペースに過去問とかで拾ってきた知識を色ペンで付け加えていったのです。
23年の勉強はまず例年6月半ばに実施されるLECの実力診断模試で20点台を貰って、少しずつ脳味噌を勉強するモードに切り替えた後、7月に勉強をスタートして10月の本試験まで約300時間使いました。そのほとんどがテキストのインプットです。300時間は並行して取り組み始めた行政書士の勉強時間(勉強のレベルにまで到達できておらず 過去問を斜め読み程度)を含みますが、宅建は今年をラストにしていたので、少なくとも200時間は宅建に充てました。
過去問に関しては無料のアプリ「宅建過去問2023」のみを使いました。無料なのにこちらの方がみんほしに比べて解説は具体的かつ丁寧、解説のすべてに根拠条文番号と、判例であればなんの判例かがわかるようになっており、とても便利でした。TAC編集部様にはみんほし過去問の改善を期待したいところです。
宅建43点の学習方法
平日の日中の移動中や仕事中はスマホで過去問をやり、間違えたところはスクショしてペン機能でどこが間違ったか、わからなかったかをメモして写真アプリに保管。週末などまとまった時間で、写真アプリをみながらテキストに立ち戻り、該当の場所に情報を転載。それと併せてテキストを開きながら、スマホの過去問を解き全ての足についてテキストを指差し確認。そしてここ大事ですがテキストに全く載ってない過去問はあえて無視しました。
試験のある10月までの3ヶ月間で「みやざき塾超重要ポイントまとめ集」は色鮮やかなマーカーとペンで彩られた、わたしだけのオリジナルテキストになりました。試験会場にはこのテキスト一冊だけを持っていきました。周りの受験生は沢山の過去問とテキストを机に並べているのと比較して軽装備でしたが、まったく焦ることも気落ちすることもありませんでした。なぜならこの薄っぺらいテキストに全ての情報が書き込まれている、その自信があったからです。
22、23と連続で宅建試験を受けた経験から、もはや宅建はかつてのように過去問をなんども繰り返して暗記をすれば受かる試験ではなくなっていると思いました。かといってみんほしなど過去問中心の学習は意味がないわけではありません。学習の初期段階からボーダーライン上(35点前後)へ一気に引き上げる意味で実に効果的なやり方です。問題はそこから先で、ボーダーから上へなかなか抜け出せません。
最近は棚田行政書士も言ってることが変わってきたように思いますが、ボーダーを超えて、確実かつ安定的に絶対安全圏である40点を取るには、深い知識が必要です。広い知識ではなく、必ず出るところ、何度もだされている所。基本の範囲だけを、より深く知識として武装する事です。棚田さんはそういう核心部分を突いてない(22年時点)ように見受けられます。
深い知識はなにも手を広げず各単元の基本的なとこだけでいい(そこの取捨選択も勉強の当初時点では判別困難だが)ので、その基本部分を誰よりも深く、より深く理解しておくことが大事です。イメージとしてはそれぞれの法律の第一条をどれだけ理解しているかです。
私も22年は運が良ければみんほし過去問の周回だけで受かってました。が、受からずに勉強法を改善し、納得の43点を取ったことで、次なる上位資格への道がひらけたと個人的には思っています。中途半端に成功を体験すると、それが正しいことだと誤って認識していたかもしれません。
みやざき塾テキストの勉強方法は他の試験に通用する
23年試験の権利関係は凡ミスもありましたが10点とれました。権利は例年通り初見の問題ばかりでしたが、この10点は前年の8点とは異なっていました。答えの導き方について「なんとなーくこれかな?」みたいな、運の要素は皆無でした。今回の試験では、知識から出せた回答であったり、あるいはなにが論点でどこをどう考えればいいのか、よく考えながら解答を導き出していきました。結論が間違っていた4題を落としましたが、結論に至る考え方は、ほぼ合っていました。つまり、非常に手応えがありました。
基本の深い理解には性格的なしつこさとある程度の時間が必要です。ただし無駄な範囲がしつこ過ぎてもダメで、知らなくていいことは知らないスタンスを貫くことも大事ですが。いずれにせよ基礎の深い理解が初見の問題の正解率アップに繋がるのです。
この「発見」は、宅建を受ける方々だけでなく、わたし自身が今後行政書士試験に臨むにあたりとても大事な知見となり得ると思ったのでここにメモを書かせていただいた次第です。
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