【飲食・物販業向け】重い腰を上げてリールを頑張ってみたら、早速効果があったので共有する。
最近あるきっかけがあり、自分が運営する各事業のInstagramアカウントで、いまさらながらリール動画の投稿を始めた。
もちろんやるべきなのは知っていたし、実際に何度かトライしたことはあったが、動画を編集するのが億劫で続いていなかった。
今回、そのきっかけをくれた人の話を聞いて何日か投稿を続けてみると、みるみる効果が実感出来たのでnoteに書くことにした。
「リール、やんなきゃなぁ」と思っている人や、今やっているマーケティング手法が頭打ちになっている人は読んでみると良いかもしれない。
リール動画の投稿を始めたきっかけ
きっかけは1ヶ月程前、美容室を経営する知人と飲みに行ったときのこと。
その知人は半年前、東京に美容室をオープンすると、瞬く間にInstagramフォロワーを増やし、人気店に育て上げている。
僕が経営するバーLOBBYで知り合い、只者ではないオーラを感じ、僕自身彼に大きな興味を持っていたので飲みに誘ってみた。
よく聞く話だが、美容室は全国に25万軒、コンビニの4.5倍もあるらしい。
競争が激しい中、差別化を図る手法も限られている難しいマーケット。他と同じことをしていても勝てない厳しい世界だ。
そんな中、彼らがどうやって半年間でシーンの中心に躍り出ることができたのか聞いてみた。その原動力の一つが動画を使ったマーケティングだった。
詳細はここでは書けないので省略するが、彼の話にあまりに納得し、感化され、すっかり動画欲が湧いてしまった。その翌日から動画作りを始めて今に至る。
なぜ動画が重要なのか
改めて言うべきことではないが、今のマーケティングの中心は動画だ。
僕がGoogleに入社した9年前から、社内ではしきりに「これからは動画の時代だ」と言われていた。
(当時はYouTube広告が本格的に広がり始めたタイミングだった。)
その理由の一つは通信速度の高速化。
通信速度が向上すると、当然動画を読み込むスピードも上がり、閲覧環境が向上する。情報の接種元として、画像を見るよりも、文字を読むよりも、最も端的に豊富な情報量を受け取れる動画が優先されるようになる。
今ではすっかり通信速度が上がり、街行く人のスマホを見渡すと皆動画を見ている時代になった。
もう一つ重要なのは、TikTokやInstagram等プラットフォーマーにとって、動画は視聴者の可処分時間を獲得するのに最も効果的であることだ。
「これからは動画の時代だ」と言われるようになった頃から、YouTubeが全盛になり、YouTuberも沢山登場して、TikTokやInstagramストーリーズ、リールが出てきたりと、動画プラットフォームが乱立するようになった。
基本的に、プラットフォーマーのビジネスモデルは広告モデル。
つまり、ユーザーの可処分時間を最も多く集めた者が勝者。最も多くの広告出稿が集まり、儲かることになる。
まさに、可処分時間の奪い合い。
となると、各プラットフォーマーは、ユーザーの可処分時間を長く獲得できるアカウントを優遇することになる。
視聴者の興味を引いて長時間視聴させ、そのプラットフォームへの滞在時間を長く伸ばしてくれるとなると、面白い動画を投稿しているアカウントが優遇対象となっていく。
どんなにきれいな写真を上げていても、写真を見る時間はほんの数秒。でも、動画であれば数十秒の間、ユーザーをその投稿に留める事ができる。つまり、ユーザーを外に出さずに、プラットフォーム内に滞在させてくれる。
逆に言うと、動画を投稿しているアカウントでないと、プラットフォーム内で無視されかねないアルゴリズムになっている。だから最近、あまりフィードの反応が得られないはずだ。
プラットフォーム側の事情を考えれば、合理的で納得な仕組みだと思う。
重い腰を上げて、実際に始めてみてわかったこと
と、そんな事情もわかっていながら、僕自身今まで真剣に動画に向き合ってこなかった。
それは、「なんかめんどくさそう。」と、「なんかダサくね?」というしょうもない理由から。
でも、みんなそんな感じだよなと思っている。
めんどくさそう、というのは、編集が大変だという固定概念からだった。
「固定概念」と書いているのは、実際手の込んだ編集が重要な訳では無いとわかったから。
下のリールはソウルの33apartmentという人気カフェの投稿。リンクをクリックして、一度リールを見て欲しい。
このリール、71万回視聴され、いいねが2.3万回ついている。
ただ、見てもらえば分かる通り、特に編集はされてなく、文字と音楽を載せているだけ。音楽はInstagramのオリジナル音源だから、投稿までにかかる時間は画像と大差ないはず。
こんな風に、Instagramには、対して編集をしてないにも関わらず、いわゆる万バズ(1万回以上のいいねがつくほど拡散されること)している投稿がチラホラある。
Instagramであれば、リールのテンプレートという機能を使えば、手元で撮った動画をはめ込むだけでリール動画が作れる。
以下のリールはテンプレート利用。
恥ずかしながらこの機能を最近まで知らなかった。何事もやってみると学びがある。テンプレートを使えば編集はいらないので、動画素材があればものの数秒でリールが作れる。
となれば残すは素材の撮影だけだ。
これも必ずしもカメラが必要というわけでもなく、iPhoneオンリーの人も多いみたい。iPhoneの動画設定を「4K/60」という設定にすれば高クオリティの動画が撮れるので、まずはこれで始めれば十分だ。
もう一つ腰が上がらなかった理由の一つ、「なんかダサくね?」というのは、色々な背景があるので説明したい。
当初、SNSの動画と連想すると、どうしてもYouTubeやTikTok的な動画のイメージがあり、ど派手な文字がバーン!と出てくるわかりやすい編集動画がウケるんだろうと思っていた。
飲食業、特にレストランやバーは職人的な世界なので、「マーケティングを上手にやり集客する」というのは毛嫌いされる傾向がある。毛嫌いされるというか、本来の売り物である「飲食の評価」で集客できない人がやることだと認識されているフシがある。
僕自身、内心似たようなことを思ってしまっていたので、「動画マーケティングは俺達のやり方じゃない」と目を背けていたのだ。
が、よくよく考えると、そんな考え方は超人気店、業界トップの方々が思うことだった。正直、僕達のお店は連日満席な訳では無い。週末は満席にはなるが、平日はガラガラな日もあり、胸を張って人気店とは言い切れない。正直少し売上も下がってきている。
しかも僕達は元々業界外から飲食を始めたアウトサイダー。
柔軟なことだけが取り柄な素人チームが、毎日満席にもなってないのに、今最もやるべき集客施策を難癖つけてやってないなんて、それこそダサいのではと気づいてしまった。
それまで、各アカウントで、日々綺麗な写真を撮影して投稿を繰り返していたが、悲しいほどに全然反応がなかった。1万人のフォロワーがいても、いいね数が20件ちょっとという投稿もザラにあった。「写真投稿、自己満足なんじゃね?」と薄々感じていた。
何かを変えるべき、ということには気づいていたので、この機会に真剣にリールをやってみようと決意した。
▼以下の投稿はいいね数が21件…
しかも、どうやら「文字ドーン!」のYouTube的な編集をしなくてもいいようだ。お店やブランドの世界観も維持した上で、より多くの情報量を伝えられるなら、僕達にも戦える道筋がありそうだ。
そんなこんなで、毎日1〜2動画程作って投稿してきたので、その結果を少し共有したい。
リールの結果レビュー
まず、リールを投稿したのは以下僕達が展開している4ブランド。
飲食店であるLOBBY、nephew、Hone、そして、ライフスタイルブランドのMYTONEだ。
動画をやるぞと決めてから、突然社内で「動画だ動画だ!」と僕が言い出したもんだから、社員も何人か自主的に動画を作ってくれた。
今ではメンバー皆で作って投稿している。
良かったこと① 売上が伸びた。
まず、売上が伸びた。
全ブランドではないが、特に物販を行うMYTONEと、レストランのHoneが大きく変化した。
MYTONEは物を販売しているので、写真より動画で見せる方が商品の使用イメージがつかみやすい。プロダクトのマーケティングで動画に注力していないというのは完全に怠慢だったので、最優先に取り組んだ。ここ1ヶ月は、1日に1動画以上の投稿を継続している。
ちょうど昨日、以下のリールを投稿したら、すぐさま対象の商品が3枚売れた。
動画を投稿すると、その商品の販売に直結することが多い。
やはり実際のサイズ感や、人が使っているイメージを見ることで、自分の利用シーンが頭に浮かびやすいのだろう。
上記のような、購買意欲を育てる、という目的であれば、過度な編集は必要なさそうだ。上の動画も、ただ撮影した素材を繋げただけのもの。だけど、写真よりは圧倒的に情報量が多い。
以下のリールもかなり反応がよく、Instagram広告にも使っている。
新しく登場したバスマットの紹介動画になっており、このリールのおかげか過去1ヶ月で最も多く売れた商品になった。(広告配信に使っているため、リーチは50万回を超えている。)
MYTONEは、2023年7月の売上が過去最高を記録した。
タオル商材が中心なので、もちろん季節要因もあるのだが、それでも昨年同月対比で200%の売上成長なので、リールの効果が大きいのは間違いない。
良かったこと② フォロワーが爆増した。
そして、フォロワーが伸びた。短期間で爆発的に伸びた。各アカウントで、バズる動画が生まれたのが要因だ。
今一番バズっているのはnephewのこの投稿。8/1、11時現在で9万回再生されている。
バーテンダーチームのトレーニング風景の動画。店舗のメンバーが、カクテルにもしっかり取り組んでいることを伝えるために作ってくれたもの。
正直、なぜバズっているのか、理由が全くわからない。
ただ、一度バズの流れに入ると、ひたすらレコメンドに出てくるようで、日に日にリーチが広がっている。以下のインサイトを見て分かる通り、リーチしたアカウントの約90%はフォロワー外だ。お店のことを知らない人に対して、認知の幅を広げる効果は非常に大きい。
この動画が生まれたことにより、フォロワーも爆発的に増加した。
リール経由のフォロワーは以下のように表示されるので、直接的な効果は見ての通りだ。(どのリール経由からは明確化出来ない。)
特にここ数日にバズのスピードが上がり、飛躍的にフォローが伸びている。
本当に、なぜこのリールが伸びるのか全くわからない。(わかる方、是非教えてください!)でも、先に見せたソウルのカフェのリールだってなんてこと無い動画だから、深く考えても理由は見えないかもしれない。
逆に、「これは良いだろう!」と自信を持って送り出した動画が全く見られなかったりする。となると、日々考えすぎず、クイックに投稿を続けた方がメリットがありそうだ。
ちなみに、LOBBYやMYTONEも飛躍的にフォロワーが伸びている。
以下はMYTONEのフォロワーの伸び。本格的にリールを投稿し始めてから、フォロワーの増加水準がアップしている。
今のところ大きく感じたメリットは上記の2点。
フォロワーが伸びることにより、実際の集客も伸び、中長期での売上の増加も見込めると期待している。
その他、店舗であれば、動画を通して店内や働くスタッフの雰囲気を伝えられることも大きい。内装が見れることで実際の利用イメージも持ちやすいし、スタッフの表情が見れることで来店前の緊張を緩和して、入りやすさを感じてもらえると思う。
内装やスタッフは僕達のお店の大きな売りなので、飲食物以外のセールスポイントを正しく伝えることが出来るのは動画の情報量あってのことだろう。
食わず嫌いせず、柔軟に、新しいことを始めることで道が拓ける。
今回のリールの一件は、僕にとって「小さな事件」だった。
今やるべきことに向き合って、自分をアップデートし続けることが大事なんだということに改めて気付かされた一件だった。
年齢も30代後半に差し掛かり、飲食業も4年間やってきて、新しい手法にキャッチアップできていなかったり、既存のやり方に凝り固まってチャレンジしようとしてなかった。
で、新しいことで上手くいく人達に、「すげー、自分には出来ない。」とただ感心したり、「あのやり方はダサい。」とか上から目線(+妬み)で思っちゃってた気がする。
正直、「リールとかスマホでちゃちゃっと作れる若い優秀な子入ってこないかなぁ」とか思ってた。
自分で勉強せずに、誰か任せにしてたら、事業も思うように成長させられるはずがない。自分がまず勉強して背中を見せて、アクションを見せなければ誰もついてこない。経営者がまず変わること。
そんな行動を怠っていたなと反省するとても良い機会になった。
リールを始めてから早速効果が感じられたので、最近はかなり動画にのめり込んでおり、毎日カメラで何かしら撮影している。
先の美容室の知人に教えてもらい、新しいカメラも購入した。
今は時間をかけずに「撮ってくっつけて投稿する」程度に留まっているが、今後はもう少し編集も拘ってみたい。
また何か共有できることが見つかればnoteを書いて見るので、よかったら感想等教えてください!
Instagramも頻繁に投稿しているので、こちらのフォローも是非お願いします。