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   てっぺんハゲおやじ               音楽フェスの沼にハマる 膝まで⑦

すいません~私たち服つかんでもいいですか?フェス初めてでつぶされそうですー(笑)

            後ろにいたOL風2人組say BISHもみくちゃ会場にて

緊張の玉手箱オープンである。

巨大な幕張メッセに設置されたこの会場。各ステージは数十飲食店が立ち並ぶフードエリアの周りに3つ繋がっており、1番大きな「EARTHSTAGE」 次いで「GALAXYSTAGE」 最もコンパクトな「COSMOSTAGE」と分かれており同時進行形でパフォーマンスが奏でられる。
40にして惑わないと決めたてっぺんハゲおやじは「COSMO STAGE」に恐る恐る潜入するのであった。

小規模とはいえ500人ぐらいは軽く収容できるぐらいのキャパで、入場規制がかかったEARTHSTAGEのようなギッチギチ状態ではなく、前方のステージ側には「熱心なファン」層で密度が高く、中間から後方にかけて「様子見の人々」層で余裕のあるスペースができていた。
人生初フェス参加の僕はというと、更に後方の壁にもたれる場所で会場全体の様子を伺っていた。

ステージ転換の時間であるが、フェスのステージは幕みたいなものがない為、スタッフのセッティングや音響のチェックなんかも丸見え状態で全て見聞きできる。
なるほど、これはこれでとても新鮮だなーと思い、ボーと見ていると・・・僕の隣にビール片手になんだかの推しTシャツをきたスキンヘッドのおやじが並んだ。
(なんかすんげー強面だけどビール片手とはフェスの常連がEARTHSTAGEに入れなかった系だな 多分)
などと勝手な想像をめぐらしていると、彼とパッと眼があってしまい、なぜかお互いペコっとアタマを下げ無言の挨拶をかわす感じになってしまった。うー-ん微妙。早く演奏はじまらないかなーと思い、気まずい時間が数分経過した後、大音量のジングルが流れステージ横のスクリーンに「Hump Back」の文字。玉手箱オープンである。

大歓声に迎えれ、華奢な3人の女性がステージに上がり、各自楽器を調整し演奏準備をする。
彼女らの登場により一気に熱気で包まれた会場。遠い後ろから見てもわかるぐらい、なまら強いオーラを纏ったボーカルの女性がギターを鳴らしながらステージから客席に会話をする。こんな感じだったと思う・・・

今日は本当にありがとう。
いつもはライブ会場で3人で思いを届けているバンドです。
同時進行中の大きな会場にはメジャー中のメジャーがいるのにあなたたちは私達を選んで来てくれた。
その選択を絶対後悔させないし、私達はどこよりも負ける気はない。
毎日、辛いことも悲しいこともあるけど、音楽の力を見せたいと思う。
「聞いてください、拝啓少年よ」


あれ???????ー-ーなんだこの感覚は!?
マックスパワーの歌声から繰り出されるストレートな歌詞が、心の奥底にガンガンしみ込んで感情がおかしい事になっている。強烈なパンチだった。
ヤバイ!ヤバイよ!!いいおっさんが泣きそうになっている。
駄目だ、ここで泣いたら「変なおっさん、なんか泣いてたね~」って若者にSNSで拡散されるぞ!我慢だ。泣くな、泣くな・・・・
といっても勝手に涙が出てくるわけで、あー--泣いてしまった・・・
隣の人に見られるー チラッと横目でスキンヘッドおやじを確認してみると

なんか 泣けてくるね ハハッ・・

と茶目っ気だっぷりに僕に告げられ・・・いやー--あんたもおもいっきり泣いてるじゃん!ビール グビグビしながら号泣してんじゃん!!
あー僕は頭おかしいのではないのね。よかった、ありがとうスキンヘッド!
我々おっさんでも本当にいい歌は年代世代かかわらずガンガン響くのね

っていうか、こんなすごいバンドを知らんかったのはそれこそヤバイ人生だった。これはもしかしたら ひょっとすると すごい発見かもしれない。
などと思いながら客席の後ろでジッと立ち見のおっさんが7曲きっちり感動して終了。すっかりHump Backに魅了され 、ついでにAmazonアプリでCDをポチっとし、スキンヘッドおやじとお互いペコリしてCOSMOSTAGEを後にするのだった。

すんごかった。やばかった。楽しかった。おっさんなのに音楽で泣いたわ。

ここで僕は誓うのであった。
これ、後ろでただ立ち見はいかんぞ。せっかく北海道から来たのにもったいないわ。思い切って心も身体も一歩前にススメ!
次のステージはあの熱気に包まれた会場前方に突撃するのだ!!!
でもいけるのか?てっぺんにが無いのに怪我するのではないか?
大丈夫かてっぺんハゲおやじ?と自答しつつ、人々の波に押されながら2番目に大きいステージ「GALAXYSTAGE」へ向かうのであった(つづく)



       

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