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日替わりで大学生のキッズシッターが来ていた話
僕の幼少期の話として、ちょくちょく人に話してることを書きます。
我が家は、両親共働きでした。
母親はだいぶハードに働く人間で、平均帰宅時間はだいたい夜の9時か10時。
一人っ子の僕は、家でほぼずっと一人になるので、幼稚園から小学校までの間、毎日うちにはキッズシッター(お手伝いさん)が来ていました。
よくあるお手伝いさんと違うのは、それが大学生のお兄さんお姉さんだったこと。
ここではその我が家流の大学生キッズシッターの仕組みと、僕がその経験についてどう感じていたかを書きます。
キッズシッターが大学生だった理由
うちのキッズシッターが、なぜ一般的によくあるおばさんではなく、大学生だったかと言うと、主に二つの理由から。
一つは、幼稚園の年長ぐらいになると、僕がとる相撲におばさまの体力ではついていけなくなっていたこと。
(それまでは親戚のおばさんなどにもお世話になっていました)
もう一つは、うちの親としては、より年齢の近い人とコミュニケーションをとって過ごしてもらいたいと思っていたこと。
(この意図も、親からよく聞かされました)
昨今キッズシッターの問題が騒がれていますが、では我が家がその大学生さんたちにどうやってお願い手配してきたか、その方法について書きます。
我が家流・大学生キッズシッターの仕組み
結論から言うと、うちの親が昔から仲が良かった大学教授に頼み、その教授のゼミ生の中から「この子は拓くんに合いそうだ」という学生さんを(けっこう厳選して)紹介してくれていたのでした。
学生さんが初めてうちに来る日は、その大学教授も一緒に。
僕と母親と、だいたい4人で面談のようなものをしていました。
僕は恥ずかしがり屋だったので、初めて誰かが来た時はずっとカーテンの裏側に閉じこもってましたが。笑
そうやって月曜から金曜日、4人から5人の大学生が日替わりでうちに来ていました。
途中からは、既に来ていた大学生がその友人を紹介してくれる、というパターンも。
ちなみに時給800円で、交通費が一律1,000円でした。
(およそ30年前です)
小学4〜5年ぐらいになってくると、親が帰ってくる前に学生さんが帰ることもあったので、そういうときは僕が家の財布からそのバイト代を払うんですよ。
おかしいですよね。笑
また、僕自身も子供ながらに「なんか好きじゃないな」という学生さんもいて、そういう時は親にちゃんと言っていました。
すると親もだいたい「そうだよね、私もあの子あんまり好きじゃないわ」と同意してくれ、断ってくれていたので、それはとても助かりました。
ただ、なかなかその大学教授や僕が「この学生ならOK!」っていう方、そしてこういう一風変わったアルバイトをしてみたいという意思もマッチした方はそれほど多くなかったので、人手不足な時期はけっこうありました。笑
気に入った学生さんには、週に2〜3日来てもらっていたこともありました。
大学生が日替わりで来る日々は楽しかった
この大学生キッズシッターシステム、僕はとても楽しかったです。
僕はもともと小学校に入ったときにやけに達観した子どもで、「周りの小学1年生はなんでこんなにわがままな振る舞いばっかりしてるんだろう」とショックを受けてたような奴だったんですよね。
ただ当時はそれを言語化できるわけでもなく、自己表現できるわけでもなかったので、周りの小学生よりずっと自分に話を合わせてくれる大学生のお兄さんお姉さんとの時間は、本当にありがたいものでした。
僕がどんどん学校が好きじゃなくなっていったのも、家の中にむしろ安心して楽しめる場所があったからかもしれません。
小学1〜2年まではたしかトランプとかかるたとか野球とかしてたことが多かったように覚えてますが、小学3年以降はだいたいファミコンとかゲームをしてましたね。
ゲームでこちらが一方的に勝っても、大学生のお兄さんはブチ切れることもなかったので、本当にありがたかったです。笑
今って、特に都市部では核家族が増え、昔だったら周りにたくさんいたおじいちゃんやおばあちゃんなど親以外の大人って少なくなっていますよね。
でもそういった大人の人に触れることってとても大事なもので、僕の場合はそれが大学生のキッズシッターさんだった、ということです。
そういうキッズシッターさんたちとは、僕が40歳になった今でも連絡をとったり会ったりしている方もいるぐらいです。
向こうはもう50代ですよね。笑
いい体験になったポイント
この一連の体験を振り返ってみて、ポイントとしては、うちの親とその友人の大学教授さんがしっかりした目を持ってくれていたことは大きかったと思います。
そして嫌だと感じた人はちゃんと断る、と。
そうやって学生さんを釣り上げる方法って、環境的にも人との繋がり的にも誰にでもできるわけではないから、キッズシッターのマッチングサービスが生まれているんだとは思います。
ただそこでシッターさんの信頼性や評価の妥当性がしっかりしていないと問題になってしまいますよね。
自分の場合のパターンが世の中に広まってほしいと思っているわけでは全くないのですが、もう30年以上前のレアケース事例のご紹介として書いてみました。
それでは。
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