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ゲストハウスとキャバクラのコミュニケーションの違い

こんばんは。
倉敷の美観地区を拠点に『株式会社行雲』という会社をやっている犬養といいます。

この数日、うちの『ゲストハウス有鄰庵』の閉業のお知らせと、それと関連して書いた「場を作りたい」人が増えている話がけっこう読まれていて、ありがたい限りです。

この二つのnote、それぞれ違う切り口で書いたものですが、共通して書いていることは、「ゲストハウスにおいて対面でのコミュニケーションに力を入れるほど儲からなくなる」というシンプルで冷酷な事実です。

それについてTwitterでもいくつかリアクションをいただきました。

うちの『ゲストハウス有鄰庵』の場合、チェックイン以降の18:30〜22:00はスタッフがゲストさんたちとずっと接するようにしてるんですが、その時間って直接的なお金は生まないんですよね、という話を書きました。

もちろんそれは承知の上で、そこに意義があると思ってやっていたんですけれども。

うちの『ゲストハウス有鄰庵』は、対面でのコミュニケーションにかなり時間をかけて行うスタイルでした。
それと真逆に、チェックインのときだけ会話をして、それ以降はチェックアウト時も含めてほとんどゲストさんと話す機会がない、というスタイルのゲストハウスもあります。
ただ、ゲストハウスで働きたいと思う人(若者)はたいてい「人と関わる、接するのが好き」というタイプなので、後者だと他の宿で働くのとあんまり変わらないということになってしまいます。
でもそうやってゲストさんとコミュニケーションをとる時間が長くなると、それだけ儲かりにくくなるというジレンマがあります。

同時に、そのnote内で余談として書いたのが、キャバクラやキャバ嬢の例でした。

余談ですが、これがキャバクラなどのように「コミュニケーションがそのままお金になって反映される」という構造だと、「社会人としての考え方やスキル」はもっと身につきやすいかもとは思っています。
No.1キャバ嬢のコミュニケーションスキルとか、どんな会社に行っても通用しますよね。
ただ残念ながらゲストハウスでのコミュニケーション訓練は、構造的にそこまでには至らないかな…と思っています。

今回はここを少し広げて、キャバクラの仕組みってすごいよなあ…というゲストハウス側から見るとちょっと羨ましいという話を冗談交じりに書こうかと思います。

需要と供給が合致して、欲望をくすぐりまくれている

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性産業とキャバクラが異なるのは、会話などのコミュニケーションを主な手段としてお金を生んでいる、ということですよね。

そこに欠かせないのが、まずはサービスを受けるおじさん側の「自分の話を誰かに聞いてほしい」「誰かからすごいと思われたい、思わせたい」という欲求。

それに対して、指名やチャージ、ボトル、同伴というアイテムを利用しながらお金を払ってもらう=それがおじさんたちの射幸心や虚栄心を満たす、という仕組みが本当にうまくできているなと思います。

そこが担保されているので、女性たちも自分たちのサービスを磨こうと思えばめっちゃ磨くし、トップに近づくほど収入もかなり高額になります。

収入が高くなれる道だからサービスを提供する側の競争も激しくて、トップに近づくには相応の努力やコミュニケーションスキルが必要とされる、と。

売れっ子キャバ嬢の「努力をした経験」と「コミュニケーションスキル」はどんな会社に行ってもおそらく役に立つっていうのは、そういうことですよね。

仕組み上の問題は「お客がカネを持っているか」ではない

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こういう話をすると、たまに「ゲストハウスに来るお客さんはお金を持ってないからなあ」ということを言う人がいる気がします。

でも僕はそれは違うと思うんですよね。
話が逆というか。

上記の話で言えば、欲求が強い=それを満たせるサービスの価値が高いから、そのサービスの価格が上がり、そこそこお金がある人が常連になり高いボトルをオーダーできる、ということに「結果的に」なるんです。

そのとき、「そのサービスを本当は受けたいけれどお金がないのでなかなか受けられない」という人も必ず存在するんですよね。
(これも余談すぎますが、そういう人は周りに自分の承認欲求をもっとぶつけているかもしれません)

でもゲストハウスなりが提供しているコミュニケーションの価値というのは、残念ながらそこまで強い欲求をくすぐるものではないから、そこまでの値段しかつけられない、というのが(悔しいですが残酷な)現実なのだと思います。

コミュニケーション欲というのは、自己実現欲求

マズローの5段階欲求でいえば、ゲストハウスで満たせている「知らない人と話したい欲」「コミュニケーション欲」というのは、一番上位の「自己実現欲求」に留まっている、ということなんだと思います。

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https://studyhacker.net/maslow-hierarchyより

一番上位だから、よほどそれが高品質なサービスでないと、お金を多く払ってまでそれを満たしたいというエネルギーは生まれにくい、となるのでしょう。
例えば一流の経営者が集まって情報交換をするサロン、とかがその例です。

キャバクラの場合は、それより下段の欠乏欲求である「承認欲求」を満たすものなので、より強い力が働く、っていうことなんですよね、おそらく。

でもこれをゲストハウスの話にもってきたとき、承認欲求をもったゲストさんが一つのゲストハウスに来ると、周りのゲストさんは全くいい体験にならなくなるし、スタッフも疲弊するんです。

ここが構造的に「なかなかうまくいきませんねえ…」という話になります。

それはどこのコミュニティでも、あるあるな話ですよね。

最後に、ですが

あと最後にすみません、これだけキャバクラのことを語っておいてなんですが、僕自身はキャバクラって行ったことありません。笑

サラリーマン時代とか、周りに好きな人はたくさんいたので、そういう人たちの話を聞いて「ああ、こういうもんなんだな」と得た知見をもとに書いています。笑

事実と異なる点があった場合は、教えてください。

それでは!

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