スクラムショーをリモート環境下でやってみました。
はじめに
内部でアジャイルについての勉強会を始めて1年になります。
週に20分程度ですが、毎週実施していて
50回以上続けられていることはとても幸せなことだと感じています。
うちではウォーターフォール型の開発が主流で、
プロジェクトを管理することに重きを置いていた時代もあり、
アジャイルに対する身構え感(ある種の誤解)は半端ないものでした。
最初からアジャイルの勉強はアジャイルでやろう、
スクラムの勉強はスクラムチームでやろうと考えていたのですが、
まあ紆余曲折しながら、私自身も多くのことを学びながら、
どうにか理解も深まってきました。
そんなときRSGT2020やqiitaを見て「スクラムショー」に
出会いました。
ワークショップ開発に携わられた
アジャイルコーチのみなさまありがとうございました。
twitterやfacebookでシェアしながら、内部勉強会でやってみることにしました。
事前に
うちのメンバーに合ったやりかたにするため、
レギュレーションを少し変更しローカライズしました。
1.寸劇をやるのではなく、300文字の説明文章を作る
周りの温度感にあわせるためです。。
2.説明するテーマは選択肢からPOが決める
a.スクラムとアジャイルをユーザーに伝える
b.リーンシックスシグマ
c.クネビンフレームワーク
d.MSoffice365
よりオーナーシップを持ってもらうためです。その難しさも感じて欲しかったので。
ただ、結局POはオリジナルと同じa.スクラムとアジャイルを選択しました。
3.1回(1週)につき1スプリント
時間の制約上です。後述しますが、これは良くも悪くもの効果がありました。
4.タイムボックス変更
①バックログリファインメント&スプリントプランニング(3分)
②開発(5分)
③スプリントレビュー(2分)
④スプリントレトロスペクティブ(3分)
初回
PO、SM、Dev-Teamを立候補で決めます。
POが決まったら、テーマを先の4つから選んでもらいます。
今回はa.スクラムとアジャイルになりました。
選んだ理由を聞いたところ、
この勉強会はスクラム・アジャイルについて勉強しているので、
このテーマにしたとのこと。
続いて、POに、スクラム・アジャイルの何をユーザーに伝えたいのかを
話してもらいます。
・アジャイルとは何か
・スクラムをどのように進めるか
・アジャイルの利便、スクラムの進め方
・メリット、デメリット
が出ました。
これ、即ちプロダクトバックログになります。
Team全員が、同じイメージを持てるように、
1つ1つPOが持っているイメージを聞き出しました。
一旦のDefinition of Doneの合意をしました。
完成品のイメージを確認すると、結構1人ひとり思うことが違っていて、
図を用いたり、今までやった勉強会のサマリーにしたり、
2チームに分かれてからマージしたり、と好き勝手イメージしています。
ここで初回(スプリントゼロ)は終了。
決めきれない(決めきらない)まま、次回スプリント1を始めます。
この感じ、わりと本番ぽい雰囲気が出ています。
スプリント1
事前にプロダクトバックログアイテムを書き出しておきました。
始める前にDPA(Design the Partnership Alliance)のグランドルールを決めました。
・web会議なので、発言かぶったらどうぞと言われた人が喋る
・全員1回はチャットか発言する
・楽しく建設的な会話にする
[スプリントプランニング、バックログリファインメント]
今日やることとゴールを決めます。
アジャイルとは何かを対象として、それについて3つ説明文を作ることにしました。
[開発]
個々で調べたり、発言しながら3つを書き上げます。
内部レビューする時間が取れませんでした。
全員の総意になっているかは不明のまま、ユーザーレビューをします。
[スプリントレビュー]
文章を読み上げて、ユーザー(私)は感じたことを正直に伝えます。
理解できたところ、しっくりこないところをフィードバックしました。
[レトロスペクティブ]
文章の組み立てを考える必要がある。というふりかえりでした。
スプリント2~5
[Daily meeting]
日をおいて開催されるので、参加者も異なることがあったり、
ボード見ても前回部が分からなかったりしたため、
オリジナル版には無い前回ふりかえりから始めた。
やっていたこと、やるべきことなど現在地の確認ができて良かった。
[スプリントプランニング、バックログリファインメント]
ユーザーからのフィードバックに応えるか、元々の予定を優先させるか。
という議論が出ました。
そうなんですよね、ユーザーの言ったことを無視するわけにはいかないですが、
フィードバックの中身をキチンと消化できてないのに、そればかりやると
あさっての方向に進んでいて価値が出ない。ということもあると思います。
POに決定権があります。責任重いのでTeamはフォローします。
ただ、PO役の人が参加できなくなったため、PO不在…。あるある。
Teamの真価が問われますね。
ユーザーストーリーマッピングや計画ゲームの考え方を使って、
その回のゴールを決めました。
[開発]
web会議のツールは操作権限を全員が持てるものでしたが、
jamboard的な使い方はせず、誰かの発言を記載していく方式になっていました。
記載(コミット)すると、反対意見はほとんど出ず、訂正や削除がしずらい状況でした。
前回レビューのフィードバックを理解していなかったり、
プランニングがいまいちだったりして、成果がほとんど無い回も経験することができた。
[スプリントレビュー]
ユーザーの立場と、スクラムマスター的な立ち位置の2つでteamに関わるのは
難しかったです(個人的に)。途中どうしてもカットインすると、ユーザー意見のように
なってしまいました。
開発中、するすると進んでいくので、マサカリ投げたくなったり、
揺さぶりかけたくなったりしました。
なので、ユーザーヒアリングから始めた回もありました。
[レトロスペクティブ]
ふりかえりの内容は素晴らしいものでした。
・情報を拾い集めてきてもユーザーに刺さるものにはならない。
・予習をしてきたけど、始まると全然違う方向に進んだ。
・ユーザーのフィードバックは自分が思ってることと同じだった。
・誰がどうやってteamを進めていくのか分からなかった。
結果、総評
リモートでも充分にスクラムチームの実践ができました。
特に、やりづらさや、失敗を全員で経験できたのは良かったです。
スプリントを始めてみてから分かることが多くあって、
それに対してチームがどんな判断をして、全員がどう関わっていくか考えられました。
正解が無かったり不確実な状況において、何をすれば良いか、してみてどうかを経験できました。
スクラムっぽいなぁという面白いところを体験することができました。
オンライン用のツールを使わなかった(制約で使えない)ため、
個人ワークの時間が充分に取れなかったです、すべてモブになった。
1スプリントの時間が短かさに体が慣れず、タイムボックスオーバーしがちだったり、消化不良気味になることもありました。
5回くらいで成果物は頭打ちになり、リファクタリングはできませんでした。
同じやり方で違うテーマや、違うツール使って同じテーマをやってみたいです。
チームは既存チームだったので、スムーズに開始できました。
5回やってこんな結果になりました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
他にも勉強会でやった内容を綴っていこうと思います。
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