ベネズエラ産のコーヒー豆を輸入して、飲んでみる
ここ5年間ほど、頭の片隅に思っていたことがあります。
それは、
「ベネズエラのコーヒーを飲みたい」
ということです。
時はさかのぼります。
幼少期に約4年間、南米のベネズエラ・ボリバル共和国に住んでいたことがあります。下記はその回想記になります。
ベネズエラといえば、チョコレートの原料になるカカオの栽培がさかんです。日本でもベネズエラ産のカカオを使ったチョコレートを見かけることがあります。
しかし、ベネズエラ産のコーヒー豆を見かけることはありません。
時々、コーヒー豆を買いに入ったお店で取り扱いがあるか、もしくは取り扱ったことがあるか尋ねていますが、返事はNoです。
もともとベネズエラは石油が発掘されるまで、コーヒーとカカオを主としたプランテーション農業の国でした。なので、確実にコーヒー豆も生産されているはずです。
ベネズエラのコーヒーが飲みたい、飲みたい!
その衝動が抑えられない。
広大なインターネットの海で探していたら、やっと見つけました、ベネズエラのコーヒー豆を。
そこで、調べてみたベネズエラのコーヒー事情や初めて輸入してみたこと、試飲してみての感想を本記事に書き残します。
ベネズエラのコーヒー豆について
そもそもベネズエラにおけるコーヒー豆の生産量は、世界の生産量の1%未満のようです。
そしてこちらの記事では程よくベネズエラのコーヒー豆についてまとまっていました。
この記事によると、現政権のマドゥロ大統領がコーヒー豆の輸出を制限したり、少ない生産量であるため国内で消費されてしまうことが多いため、国外に出回ることが少ないようです。
下記は2014年のBBCの記事ですが、ベネズエラは食品の輸出を禁止しているようです。そもそも様々な物資が足りていない状況なので、輸出なんて持ってのほかなのでしょう。
それはそうと、ベネズエラの伝統的なコーヒーの抽出方法に「Guayoyo」があります。ネルドリップに近い方法のようです。
やっとみつけた
インターネットの海を彷徨っているので、ベネズエラのコーヒー豆を扱っているところをいくつか見つけました。
こちらはアメリカの焙煎所です。
何かのきっかけ北米市場で出回ったようで、試飲のチャンスとのことです。産地の記載はありません。そして、今回はこちらで購入しました。中煎りで焙煎済みです。
もう1つがイギリスの焙煎所です。こちらの産地は、コロンビアよりのベネズエラ南部とのことです。こちらも気になりますね。
輸入してみる
海外オンラインショッピングになるので輸入になります。
直接、日本へ郵送してもらえない場合は下記のような転送サービスを利用します。いったんコーヒー豆を転送サービスのアメリカ国内倉庫に送付して、そこから日本へ空輸されます。
輸入の手続きは下記のサイトが参考になりました。
様々なサイトで解説がありますが、決して鵜呑みにしない方が良いと思います。今回の場合は食品なので、輸入する前に食品検疫所と植物防疫所へ電話で問い合わせました。疑問点を別途まとめておいて、質問した方が納得できました。
輸入する際は、生豆もしくは焙煎済みのコーヒー豆か、また個人使用と商用で必要な書類や手続きが異なります。
今回は「焙煎済みのコーヒー豆を個人使用する」という形になりました。
一番簡単です。
本来は「焙煎済みのコーヒー豆を商用する」ように食品等輸入届を提出する予定でした。が、食品等輸入届の提出タイミングを間違ってしまいました。これは、輸入を開始して商品が日本の税関を通る前に提出する必要があったのです。というのを、商品が届いてから知りました。事後に出すものと勘違いしていました。
こちらに説明のある食品等輸入届の手続きの流れを理解しておくと良さそうです。
また食品等輸入届に付随して、製造工程表や原材料表、必要に応じて衛生証明書、試験成績書といった関連書類も用意しておく必要があります。こちらは購入元の焙煎所から資料を依頼しました。特にWeb上にデータがあるわけではないので、メールで「こういった資料が欲しい!」と伝えたところ、快く対応していただきました。
食品等輸入届の書き方は、食品検疫所のサイトから説明がありますがこちらの記事が非常に参考になりました。
ただ今回は書くだけ書いて提出するまでにはいたらなかったので、今後やってみたいと思います。
遠路はるばる届いたコーヒー豆、その味は
約2kgを注文して、約2週間で到着しました。
さっそくコーヒーを淹れてみました。
土っぽい独特な苦味とまろやかな酸味、軽すぎず重すぎず寝起きにグイッと飲める味でした。個人的には好みな味です。おそらくコーヒー豆の質も良く、焙煎も丁寧にされているのでしょう。素人意見ですが、そう感じました。
お洒落なパッケージ
「Venezuelan Coffee (Whole Bean)」
おわりに
ブラジルやコロンビアと生産量が多いコーヒー豆は市場に多く出回ります。
その一方で、例えば台湾のように生産量で少なくとも品質の高いコーヒー豆を生産している国もあります。手に入れたことはありませんが、日本では少量ですが小笠原諸島や沖縄で生産されています。
チャベス、マドゥロ政権以降、ベネズエラは経済が低迷し無気力感が増していると聞きます。ベネズエラのカカオが評価されているように、同様にコーヒー豆の生産が増え認知され、ベネズエラ経済の活力の一助になってほしいものです。
個人的には美味しいコーヒー豆でした。