写真を読む日々3

写真を読む日々#3

写真集を乱読メモの続き。
市立、県立図書館に通って借りて返してを繰り返している。
そのうち、国立国会図書館に行こう。
新倉孝雄「SAFETY-ZONE 1961-1991」、武田花「眠そうな町」が好みな写真集だった。

新倉孝雄「SAFETY-ZONE 1961-1991」

こういった写真をコンポラ写真というらしい。
写真にうつっているものは何かよくわからないけど何か気になる、そういった具合の写真をコンポラ写真というのだそうだ。
どうもコンポラ写真のことはまだよくわかっていないけど、本書の写真は人や風景にひそむ物語の想像をかきたててくれる。

何でもないような風景にみえるけれど、写っている人の心情やその時代感みたいなものが伝わってくるようなそんな感じ。

武田花「眠そうな町」

街角や建物、構造物をスナップショットした写真集。
「眠そうな町」というタイトルがあるように、写真にうつされる街角はどこか眠そう。というのも、人が住んでいる町だとは思うのだけど、人気がない。人がうつった写真は、ほぼ登場しない。

廃墟だったり、取り残されたよくわからない構造物、そして、投影されている影...ひっそりと町が息を潜めているみたい。

あとがきに、「晴れた真昼間、町を歩いた」とある。モノクロだけど、そんな日の光景が思い浮かぶ。個人的に、食後13時くらいの眠気を感じる写真集だった。

写真は縦構図ばかりでどんな意図があるのだろう?

藤原新也「俗界富士」

「俗世間の真っ只において富士を見つめようとした」と著者は述べている。
ここで述べられてる俗世とは、富士山のまわりに広がる街や人の営みのことで、その俗世から富士山を捉えようとした。

ビビッドなカラーで、「富士山近傍に住んでいる人はこんな風に見えるんだ」と、少し羨ましい。

藤原新也「バリの雫」

バリの自然の美しさ、生活美、人々をうつしだした写真から、ゆったりとした時間を感じる。日本にないようなビビッドな赤や黄、緑といった色からバリの美しさを感じられる。

今井正明「DEATH ROW」

アメリカの死刑囚30人のポートレート写真集。
反省していそうな人、ニヤッと不敵な笑み浮かべる人、不思議な感じ。

小林伸一「亡骸劇場」

今は閉園したテーマーパークや施設の廃墟写真集。
廃墟に訪れるというだけで怖そう。

椎名誠「風の国へ」、「駱駝狩り」

椎名誠の旅のわだちが写真と短い文章とともに伝わってくる。
と同時、自分自身もその場に居合わせたような気持ちになる。

「駱駝(ラクダ)狩り」では文字通り、オーストラリアでラクダ狩りで生計をたてている人達と同行して写真を撮っている。地上から、上空から、ラクダを追いかけている光景は疾走感があって引き込まれる。

#写真 #写真集感想文 #写真を読む日々 #読書

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