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裏切りの創作

noteくんが急かしてくるから急いで書き上げる

 読み手の常識を裏切るというのは、創作にとって非常に重要な要素だと思う。文学、音楽、デザイン、あらゆる創作にそれは存在して、裏切りによって、読み手は「ああっ!そうきたか〜!!」と感心する。ただし、ここでの「裏切り」というのは、読み手の常識によって読み手の意識の外に追いやられた、自然な流れに対しての裏切りであり、ミスディレクションなどによって著者が意図的に予想を曲げさせる燻製ニシンRed herringとは明確に区別されるべき概念だ。そして当然、それは納得できるものでなくてはならない。でたらめな裏切りではただの拍子抜けになる。

 昔プレイした『帽子世界』というフリーゲームに、7つの属性の魔法があった。火属性の魔法は一般的なイメージどおりかなり攻撃的で、ほとんどが火力を出すものだった。物語を進めていて、いよいよ火属性の最上級魔法が使えるようになった。その魔法の名前は「フェニックス」だった。

「フェニックス」
味方1人に自動復活を付与

普通、火属性の最上級といえばメラゾーマやフレアドライブのようなものを思い浮かべるし、それはそれで普通にカッコいい。私も、最高にマナ(MP)を使い最高に火力の出る魔法を期待していた。しかし、そこで出てきたのは蘇生魔法。やられた。フェニックスは伝説だから最上級に相応しいし、蘇生効果は火力と正反対。最も強く、最も納得のいく、最上級の裏切りだ。
 こういう発想は、常に連想ゲームをし続け、常に裏切る方向に考ていないと、常人が思いつくのは難しい。何かつくるときにはいつだって、横方向に思考を這わせることを意識したいものだ。

 創作上のテクニックというのは非常にたくさんあるので、自分が気づいたものはこれからも書いて発信していこうと思う。


見出し画像はカード「ICHIGEKIクチート」(illus.kawayoo)を勝手に借りてきた。「ふいうち」のイメージでね。

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