寒緋桜と春の色
相互の書いた短いnoteを見て、私もそういうエッセイみたいなものを書いてみたくなった。長ったらしい説明文章を書くのは得意だけど、短い文って逆に難しいじゃないか。「毎日書かなくてもいい日記」ぐらいの感覚で書いていいんだよ。取り止めもなく、気軽に。
数日前はびっくりするほど暖かかった。一週間ほど前に咲き始めた寒緋桜が春色の天蓋を張っていた。
そんなことを思っていたら、ここ数日は雨で寒い。
そうそう、私は雨に濡れた葉や花の淡い透明感が好きだ。雨の日には、いつもよりいっそうゆっくり歩きながら、光り輝く植物たちの写真を撮っている。
春は揺らぎの季節だと思っている。まだ新しく、不安定で、夏に向かって変化を繰り返す、少女のような揺らぎ。大人でも子供でもなく、真っ透明でも極彩でもない、しかしその中間と呼んでしまうにはあまりにも乱暴な、そんな曖昧で一見矛盾するものの混在を許してくれるような優しい空間を、私は愛しているんだ。
一か月後には夏色になる。
追記 3月5日