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開発

駅前の公園の開発が始まった。何を持って開発というかと思った時に、公園の木が抜かれて倒されていて、土が掘り起こされているのを見たら、もうこれは開発だなと思った。

開発をすること自体は別に悪いことではないと思うけど、公園のあの木はどうなるのだろうか? どこかに植え替えられるのだろうか? あった景色が一瞬にして無くなってしまうことに寂しさを感じるけれども、でも、同じままであるということも難しい。

便利になることは有り難いことだと思うけれども、あまり買い物をしない僕にとっては、残念ながらさほど開発によって便利になることはないだろう。誰のための便利なのか? 何のための便利なのか? 街はどう変わっていくのだろうか?

こんな田舎でも何かのきっかけで変わってしまうこともある。一度壊したものは元に戻すことはできない。それでも僕たちは開発を続ける、たとえ、それが取り返しのつかないことであっても。

来年にはきっともう新しいビルができているのだろう。駅から見える景色は一変することだろう。それを見て人はどう感じるのか。豊かになったと感じるのか、それとも…。

追伸

隣の街は駅を中心に大きな再開発が進んでいる。それに比べたら、僕の街の開発なんて開発なんて呼べないものかもしれない。

駅を中心に街が作られていく。もう人口減少と高齢化で、そういった集約型の都市が増えてくるのだろうか。効率はいいし、便利だけど、言葉にならない何か違和感みたいなものを感じる。

それを選ぶならそれでいいと思うし、もうそういう方向に舵を切るしかない部分もある。今のインフラのレベルを保つためには人を一箇所に集めなければならないのだ。

昔、集落実態調査の仕事で、限界集落とその当時呼ばれていた場所へ行って、町内会長さんなどからヒアリングを行った。
どこの家にも車があって、今は車で生活できているけど、この先どうなるか・・・。かと言って、その場所を離れたいとは思わない。
体と心が乖離し始めている。それでも、生きたい場所で生き、死にたい場所で死ねるのであれば、それは幸せなことかもしれないと思う。

なかなか今は生き場所も、死に場所も自分で選ぶことは難しい。だれかの希望、周りの圧力によって、それは歪められてしまう。

それでも、その地域で生きていこうとする力には生命の力を感じる。都会の人たちが持っていない力だ。
それが正しいとか正しくないかとかではなく、ただそういう世界があって、そういう生き方がある。

結局はそんな世界も悪くないな、なんて思いながら、僕はまた行き着く場所を探しながら彷徨い続ける。

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