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形態分析シリーズ

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ルネサンス以降の建築家による作品の特徴やコンセプト、デザイン上の発明を、建物の「形態」に着目して分析した記事をまとめています。現在の記事(ブルネレスキ、アルベルティ、ブラマンテ、…
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#形態分析

形態分析④:ラファエロの〈手法〉とマニエリスムの夜明け

0. 後期ルネサンスとマニエリスムまた長らくこの形態分析シリーズから遠ざかってしまったが、いよいよ今回から後期ルネサンスにおける「マニエリスム」という現代建築を考える上でもとても重要な様式の分析に入っていく。今回は盛期ルネサンスから後期ルネサンスへの移行を考える上でとても重要な画家・建築家、ラファエロに焦点を当てるが、その前にマニエリスムという様式の簡単な概説と、その土台となるこれまでの分析の総括をしておきたい。 マニエリスムとはイタリア語で「手法」を意味する「マニエラ」を

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形態分析③:ブラマンテの有機体とレトリック

0.ドナト・ブラマンテ久しぶりにnoteを更新する今回は、ルネサンスの建築家ドナト・ブラマンテ(1444-1514)について書いてみようと思う。メニカンでのトークが決まったおかげで、形態分析の授業を一通りおさらいする口実ができ、ようやく止まっていたシリーズが書けそうというわけである。当初ブラマンテはトークに入れていたのだが、残念ながら時間と内容の関係で外さなければいけなくなったので、当日紹介するアルベルティに先んじてnoteで更新しておこうと思った次第である。個人的にブラマン

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形態分析②:アルベルティによる概念としての〈建築〉の自律

0. レオン・バティスタ・アルベルティ新年最初の記事は、ルネサンス期の建築を語る上で最も重要な人物の一人と言っても過言では無い、レオン・バティスタ・アルベルティ(1404-1472)について書いてみようと思う。建築に限らず数学・法律・絵画・彫刻・詩、さらには運動にも長けていたという、いわゆる「なんでもできちゃう人」だったアルベルティは、後述する「建築十書(De re aedificatoria)」という著作において、ルネサンス期の包括的な建築理論を確立した人物として知られてい

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