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失敗させたくないなら子育てはやめたほうがいい?〜ヘリコプターペアレントを持った子供の末路
こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、
現在はニュージーランド在住の未来教育コンサルタントのTakuです。
先日ある記事を見つけて読んでいた時、
ヘリコプターペアレントなる言葉を聞きました。
それによると、ヘリコプターペアレントとは、
ヘリコプターがホバリングをするように常に子供の行動を監視し、
少しでも問題があると見るや否や、
すぐに駆けつけて過剰に干渉する親だそうです。
いやはや、モンスターペアレントや毒親に加え、
またこんな新種が現れたのかと、
苦笑せずにはいられません。
でもこのヘリコプターペアレントは、
確かに最近増加傾向にあり、
子供への悪影響も大きいと思います。
そこで今日はこのヘリコプターペアレントを使って、
子供の親への過干渉の悪影響について、
少し考えてみたいと思います。
失敗を過度に恐れる
怪我をしたらどうしよう。
友達ができなかったらどうしよう。
受験に失敗したらどうしよう…。
そんなふうに子供の失敗を、
過度に心配する親が増えている気がします。
先日一時帰国した際にも、
仕事の合間に公園でのんびりしていたら、
確かにヘリコプターペアレントが何人もいました。
たとえば…
ブランコの順番待ちをしている時、
ずっと乗り続けている子供を見て、
1人の母親が急に声をかけました。
「うちの子も待っているからそろそろ、
代わってあげてもらえるかな。」
そう話しかけた母親の顔は、
恵美こそ浮かべていたものの、
表情は少しも笑っていませんでした。
その勢いに押されるように、
ブランコに乗っていた子は少しべそをかいて、
逃げるようになっていきました。
でもこの行動は正直言って、
いかがなものかと私は思います。
もしブランコに乗りたいのであれば、
子供自身が自ら声をかけなければいけない。
このように親が過干渉することにより、
子供は自分で問題を解決する機会を奪われます。
これは些細なことですが、
こうした親はきっと生活の中ではもちろん、
受験や就職にも干渉することでしょう。
失敗を恐れる理由
では、なぜこんなに子供の失敗を、
恐れてしまう親がいるのでしょうか。
私はこの傾向の根っこには、
親自身の過去の失敗体験に加えて、
教育の影響もあるのではと思っています。
これは日本に限ったことではありませんが、
正解が1つしかないペーパー式のテスト教育では、
ミスしないことが厳密に求められます。
そのような教育を受け続けていくうちに、
少しの失敗もしてはいけないと言う脅迫観念が、
私たちの中に生まれててはいないでしょうか。
また過去に自分が失敗した親であれば、
子供には同じ轍を踏ませたくないと言う、
強い意向が生じても不思議ではありません。
しかし、失敗を子供から取り上げるのは、
子供に失敗させることよりも、場合によっては、
深刻な悪影響を生むこともあります。
失敗は極めて大切な体験
残念ながら人生を送っていく上で、
一切失敗をせずに生きていくことができる人間は、
おそらく1人も存在しないでしょう。
遅かれ早かれ、そして大なり小なり、
人は生きていく上で必ず失敗に遭遇し、
挫折も経験します。
そうした失敗や挫折に直面した時、
子供時代に失敗を乗り越えた経験を持つ人は、
大きな失敗でも心が折れる事はありません。
しかし親に失敗を取り上げられて育てられた子供は、
大きくなってから失敗に直面するので、
その乗り越え方を理解していません。
結果必要以上の心の傷を追い、
大きな失意の底に落ちてしまうことも少なくないのです。
また失敗をすることにより、
より良く行う方法も見つかるものです。
失敗は成功の母といっても、
決して過言ではない事は、
失敗から学んだ方はご存知のはずです。
受験と言う小さなイベントにおいて考えても、
小さい時にたくさんの失敗体験を積んだ子は、
どんな状況でも粘り強く戦い続けることができます。
しかし親に失敗体験を奪われた子供は、
1度の不合格で繊維を喪失してしまい、
その後全滅することも少なくありませんでした。
ヘリコプターペアレントの増加は取りも直さず、
失敗経験を取り上げられた子供たちの増加を意味し、
極めて憂慮すべき事態だと私は思います。
まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
私の記事を読んでくださっている読者の方は、
ヘリコプターペアレントではないと思います。
ただ、子供の可愛さを目の当たりにすると、
私たち親はつい誘惑に負けて、
子供を角に守りたいと思ってしまうものです。
そんな時に失敗の経験を奪うと言う、
過ちを犯してしまうこともあるでしょう。
もちろん取り返しがつかないような失敗は、
回避できるように子供と一緒に、
取り組む必要があります。
しかし、必要以上に失敗をさせないよう、
角に子供に干渉する事は、
親として慎みたいものですね。
この機会にもう一度失敗の重要性について、
お互い考え直してみませんか。
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