それでも子どもに難関大を目指させる？ 〜あまりにも過酷な「無理ゲー」
こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、
現在はニュージーランド在住の未来教育コンサルタントのTakuです。
最近になって大学入試のシステムも、
少しずつ変化してきていますが、
それでも一般入試が主流だと思います。
それも多くの家庭では一般入試で、
難関大学を目指して欲しいと思っているのではと、
私も肌感覚で感じていました。
それを裏付けるような記事を、
偶然見つけて読み込んでみたら、
なるほどと納得してしまいました。
親にとっては頑張りさえすれば、
難関大学はなんとかなると思いがちですが、
実はほぼ無理ゲーだという実態がある。
そんな中で親として本当に、
子どもに既存の価値観に基づいた入試の成功を、
求めていいのかについて考えてみたいと思います。
変化している大学難易度
この記事でも紹介されていましたが、
親世代と比較して現在の大学レベルは、
残念ながら増加しています。
実際に大学進学者数も増加しましたし、
偏差値も上昇傾向にあります。
親世代からするとそんな大学と思っても、
実際には想像レベルより上であることは、
往々にして起こります。
でも多くの保護者はこれに気づいていないので、
〇〇大学ぐらいには入りなさい！と言っては、
子供をミスリードしてしまうことが起こります。
平たく言うと子供の能力を超えた、
無理な学習を強いてしまいがちで、
子どもの学習意欲を奪ってしまうのです。
この悲劇が今この瞬間にも、
起こり続けていることは悲しいことですね。
5000時間の壁
この記事にも書かれていましたが、
難関大に入学するために必要な学習時間は、
約5000時間程度のようです。
この5000時間を高校の３年間で行うとすると、
どのくらいの学習量になるのか、
あなたはピンと来るでしょうか。
１年間は365日ですので、
３年間にすると1095日になります。
この1095日で5000時間をこなすには、
1日約4.5時間の学習が必要です。
これは当たり前ですが、
一日をサボらずに毎日やって、
一日4.5時間の学習が必要なのです。
いかがですか？
一切サボらないで、一日4.5時間ですよ。
あなたのお子さんはこれだけの学習量を、
確保することが本当にできそうでしょうか。
言うまでもないことですが、
日本の中学生・高校生は本当に忙しいです。
部活や定期試験の勉強に加えて、
過酷な受験勉強も行う必要があります。
朝練があれば早朝から登校し、
夕方近くまで学校の勉強を行い、
放課後に部活をしてその後塾へ行って…。
こんな生活をしている中で、
毎日コンスタントに4.5時間の学習を、
本当にやっていけるでしょうか。
それを可能な生徒は一体、
どのくらいいるでしょうか。
少し冷静に考えて欲しいみてほしいです。
受験のためだけ」の5000時間の価値
さらに問題なのがその5000時間の学習が、
「受験に突破するため」に行われるという事実です。
もちろんその学習が、
大学入学後に生きることがあることも、
私も重々承知しています。
しかし一方でそのほとんどが、
入学後には使わないものであることは、
大学に行った方は実感されているでしょう。
受験を突破するためだけに、
5000時間もかけて学習をすることに、
一体どれだけの価値があるのでしょう。
そもそもその5000時間をこなしたところで、
合格する保証ももちろんありません。
実際に第一志望の大学に行ける生徒は、
一体どれだけいるのでしょうか。
その割合は非常に少ないことでしょう。
さらにそこに追い打ちをかけるように、
最近は一般入試の枠が狭まっています。
このような状況下にあってなお、
受験のためだけの5000時間の学習をして
難関大を目指すことの意味があるのでしょうか。
この無理ゲーに挑む価値があるのは、
そもそも競争好き＆勉強嫌いでない、
学習向きの生徒だけな気がします。
こういう話をするときっと、
じゃあうちの子には難関大は諦めろってことか！と、
お叱りを受けるかもしれませんね。
でもそうではありません。
少なくとも一般入試で目指すのだけは、
やめてもいいのではないかということです。
総合型選抜や帰国生入試など、
5000時間の受験勉強をしなくても、
難関大を目指せる方法は他にもあります。
そういった手段をしっかり研究して、
無意味で無駄な無理ゲーに子供を追い立てるのを、
見直してほしいなと思います。
まとめ
さていかがだったでしょうか。
昨今は大学を取り巻く環境が、
親の世代とは大きく変わってきています。
そのため一般入試での難関大進学は、
年々普通の生徒には無理ゲーになるつつあります。
子供を必要以上に追い込まないためにも、
親自身がもっと入試の現状を学んで、
子供にあった入試を進めていきたいものですね。
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