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教育移住するには子供が小さいときの方がいいの? 〜 ゴールから逆算したい移住時期の選び方
こんにちは。
元大手進学塾トップクラス担当講師で、
現在はニュージーランド在住の受験&国際教育コンサルタントのTakuです。
先日子供が中学生になってから、
ニュージーランドに移住してきた方と、
ランチをする機会がありました。
移住してからすでに4年が経ち、
お子さんはもうすぐ高校卒業ですが、
日本の大学に進学したいと言っているとのこと。
海外で活躍したくて移住してきたのに、
日本の大学に行くって言うなんて、
何のために今までやってきたのか…。
そう言って俯かれた姿を見て、
何だかとても切なくなってしまいました。
でも一方でそのお子さんが日本行きを望んだ、
理由も何となくわかる気がするのです。
それはきっと「アイデンティティ」が、
深く関与しているのだと思います。
そこで今日はこのアイデンティティ問題を通して、
子どもを連れた教育移住の時期について、
考えてみたいと思います。
教育移住時期の正解はあるのか?
子どもを連れて海外移住したいんですが、
いつが一番いいと思いますか?
New Zealand移住のサポートをしていて、
必ずと言っていいほど聞かれる質問がこれです。
確かに単身で移住する場合と異なり、
子供の教育がメインの移住の場合には、
時期はとても気になりますよね。
私自身もいつ移住すればいいのか、
1人で悶々と悩んでいた時期がありました。
その上で私が最終的に決断したのは、
小学校教育を受ける前の渡航だったのです。
実はこの時期を選んだ理由は結構シンプル。
英語ネイティブにするためには、
日本人としてのアイデンティティが確立する、
前に海外に行く必要があると思ったからです。
でもこれが正解ではもちろんありません。
そしてきっと移住時期先生に正解など、
ないのではないかと私は思っています。
2種類のバイリンガル
移住時期を考えるときに、
忘れてはいけない視点があります。
それはどんなバイリンガルに育てたいか、
親自身が考えるということです。
えっ、バイリンガルに種類なんてあるの?
そう思われるかもしれませんね。
でも私はバイリンガルにも、
2通りあると考えています。
1つ目は母語が日本語で英語が話せる、
「日本語バイリンガル」。
そしてもう一つは英語が母語で日本語も話せる、
「英語バイリンガル」です。
ただ一見するとどちらも、
日本語と英語の2つの言語を操れる点で、
同じなように見えると思います。
だから海外を経験することなく、
日本にいながらにバイリンガルになったという話に、
みんな夢中になるのかもしれません。
しかし同じバイリンガルでも、
本質的に違う点が確かに存在します。
両者の違いについては、
別記事で改めて書こうと思っていますが、
要はアイデンティティの問題です。
簡単に言えば英語が話せる日本人か、
それとも日本語が話せる国際人か、
どちらに子供を育てたいかです。
そしてその選択こそが、
移住時期を決めると私は思っています。
教育移住時期の選び方
もしあなたがお子さんをバイリンガルにしたいなら、
英語が話せる日本人と日本語が話せる国際人、
どちらにしたいと願うでしょうか。
この選択には正解などありません。
私は英語が話せる日本人より、
日本語が話せる国際人にしたかった。
もちろん英語が話せる日本人という選択肢も、
まったくもって問題ありません。
単に親の選択の問題にすぎないのです。
でもその選択は渡航時期の決定に、
大きな影響を及ぼします。
そして一度下された決断は、
ほぼ不可逆的な影響を子供に及ぼします。
(もちろん完全にそうではありません)
では渡航時期とバイリンガルスキルには、
どんな関係があるのでしょうか。
結論から言うと英語が話せる日本人にしたいなら、
渡航はできるだけ遅らせたほうがいいのです。
目安として年齢で話すのであれば、
少なくとも小学校卒業くらいまでは、
日本で生活することをお薦めします。
英語が話せる日本人を目指すなら、
極端に言えば高校生になってからでも、
私は全然遅くないと思っています。
一方で日本語が話せる国際人にしたいなら、
逆に渡航時期は早ければ早いほどいい。
なぜなら子供の中である程度、
日本人としての価値観が固まってしまうと、
受容性が低下していくからです。
日本語が話せる国際人になるには、
多様な価値観の中で育つことが不可欠。
残念ながらその環境は、
日本人がほとんどの日本で暮らしていては、
見つけるのは極めて困難です。
その意味でもできるだけ早い時期に、
多様な環境に子供を置いて育てることで、
国際人としての素地が出来上がるのです。
いいとこ取りが一番最悪のチョイス
日本人としてのアイデンティティをしっかり持ちつつ、
世界中のどこででも自由に生きていける、
そんなバイリンガルにはどうやったら育ちますか?
これまでたくさんの相談を受けてきて、
一番多かったご質問がこれです。
この質問に対する私の回答は、
「都合良すぎませんか?」です。
これもまた別記事で詳しく書きますが、
日本人としてのアイデンティティとは、
世界的に見てもかなり特殊なものです。
日本人としてのアイデンティティを、
子供に習得して欲しいと求めるなら、
海外行きは遅らせるべきです。
しかしそれは国際人としての素養育成には、
マイナスに働くことも多々ある。
つまり両者は相反するものであり、
その双方を得ようとすることは、
二兎を追うもの一途も得ずになりかねないのです。
だからこそ私はいつも、
英語が話せる日本人と日本語が話せる国際人の、
どちらかを選ぶことをお勧めしています。
それは子供にどこでどんなふうに、
活躍してほしいかの選択でもあります。
この辺についてはまた別記事で、
掘り下げて書くつもりなのでお楽しみに。
まとめ
さていかがだったでしょうか。
一口にバイリンガルといっても実は、
英語が話せる日本人と日本語が話せる国際人の、
2種類が存在しています。
それはお互いにメリットデメリットがあり、
活躍するフィールドも異なるでしょう。
もしお子さんをバイリンガルに育てたいのならば、
まずはこのどちらを目指すのか考えてみましょう。
そして英語が話せる日本人を目指すなら、
移住時期はお子さんができるだけ小さい方がいい。
逆に日本語が話せる国際人を目指すなら、
日本でしっかりアイデンティティを、
確立してからがいいでしょう。
移住時期の決定に少しでも、
この記事が役に立ったら幸いです。
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