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通学路に面する危険な建築物「ベランダ編」
行政指導の限界
6年前から行政指導を行ってきた危険建築物です。所有者の協力もなく日に日に劣化が進んでいく状態です。行政指導といっても、定期的に是正を促す通知文を郵送していた程度です。ただこれが行政指導の限界なんですね。
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自治会長いっしょにやりませんか!
平日は、公務員なので業者の紹介や見積徴収はできませんが、休日は建築家として個人で動けるので、自治会長と一緒に問題を解決することになりました。
私のほうは、
① 信頼できる専門業者を見つけてくる
② その業者と撤去方法・仮設計画・補修方法等の検討をする
③ 検討結果を反映した見積もりを徴収する
④ 見積内容(工事内容と金額)の確認
自治会長のほうは
① 資金調達の検討(所有者が出すべきだが、理解を得られない場合は、自治会が工面する)
② 自治会が工事費を負担する場合の自治会の合意形成
③ 工事完了後、「家に傷をつけた」とか「雨漏りがひどくなった」などと文句を言わないよう所有者に約束させる
という役割分担で進めました。
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業者との現場打合わせには、副自治会長や近隣の住民も参加してくれました。
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撤去は、仮設込みで1日で終了しました。既存家屋への影響も最小限に抑えることができました。
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健全な家は住む人の命と財産を守ります。不健全な家は、住民だけでなく周囲の人にも危害を加える恐れがあります。
今回は、周辺環境への被害を食い止めるため、自治会長をはじめとする自治会の活躍で危険を排除することができました。
行政指導は、ある意味「所有者の責任」を伝えるまでの作業といえます。「所有者の責任」を問い続けることは、ある意味(=法律上)正解ですが、危険を取り除く問題解決の「正解」ではなさそうです。(私見です)
6年以上引きずってきた問題は、「正解」の視点を変えることで2か月たらずで解決しました。