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違う自分を演じる

今回は演じることで吃音が緩和されたお話。

私が吃音に気づいたのは中学生に上がる頃。

言葉が出ないことが不安になり、親に相談しようと考えたが以前に親戚の集まりで挨拶の際に吃ってしまい親に叱られたことがあった為、なんとなく相談してもダメなんだろうなと子供ながらに考え1人で抱え込んでいた。

そんな私は、小学生の頃控えめな性格をしており勉強も出来なければ、スポーツも出来るほうではないので目立たない子供だったと思う。

そんな私でも親友が2人おり、組もずっと一緒で楽しい小学生ライフを過ごしてきたので根拠はないが中学に上がってもみんな同じクラスで仲良く過ごせるものだと勝手に思い込んでいた。

しかしそんな根拠のない自信は崩れさる。

親友の1人は親の事情により別の中学へ行くことに。

更に、春休みに中学のクラス振り分けが発表されるのだが残された親友と2人で中学校の門に張り出されたクラス振り分けを見ると見事に別のクラスに、、

もう絶望しかなかった。新しい友達を作るにも上手く言葉が発せない自分に友達作りが出来るのか?
なんならイジメに合うのではないか?

入学式を迎えるのが不安な日々が続いた。

あっと言う間に春休みは終わり、学ランを身に纏った私は桜道を歩んで中学校へ向かっていた。

クラスの黒板に書かれた自分の席に着席し周りを見渡すと、クラスの半数は別の小学校から来た生徒で面識もない、尚更上手くやっていけるか不安になった。

体育館での入学式も終わりクラスへ戻ると地獄の自己紹介Timeに。

次々と各々が自己紹介を済ませ、いよいよ私の番。

もうどうにでもなれ、、、
そんな思いだった。

そんな吹っ切れた私が起こして行動は、、、
笑いを取ることだった。

名前を呼ばれたあと、今まで出したこともないような大きい声で『はい!』と挨拶をし、学ランを頭に被りウルトラマンに登場する『ジャミラ』という怪獣を真似した。


•••••••今思い返してもまったく面白くないのだが、中学生というのもありクラスは大爆笑。

爆笑治まらぬ中、勢いで自己紹介をするとなんと吃らなかった。

その後は、自己紹介がきっかけで私はクラスの人気者になっていた。

ただ毎日みんなを笑せる為に今までの暗い自分ではなく、『明るい性格のお調子者』を演じていた。

最初は恥ずかしい、ネタはどうしようなど不安はあったがそれよりも演じているときは吃ることが少ないのだ。

しかも、演じているうちに以前の自分を忘れてしまい一月と過ぎると本当に明るい性格のお調子者になっていた。

とは言え、もちろん吃ることもしばしば。
でも、そんな時でも周りからは面白いやつだからまたなにかやってるくらいの感じになっていたので【おそらく?】勢いでなんとかなっていた。

これで味を占めた私は高校も同様の手口?で事なく高校生活を乗り切った。

これにより学生時代はおそらく吃音を隠しながら過ごせていたと思います。

少々長くなってしまいましたが、『演じることにより自分が想像していた未来とは違う未来が待っていた』
というお話でした。

私の例はあまり参考にならないと思いますが、なにかに集中することで吃り出にくいのは体感しました。

歌う時は吃らない
とおっしゃる方が多いと聞きますが、吃ったらどうしようと言う不安を忘れるくらい意識が他に向くと効果があるようです。

憧れの人のモノマネでもなんでもいいので、意識の外を試してみてはいかがでしょうか?












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