続・買い得は本当にあり得るのか

こんばんは。たくたくです。昨日の記事についてちょっと高度な話を追加で書いていきます。

昨日の話では生活に近い商品の例をだしましたが今回は少し生活に直結するものから離れます。具体的には金融商品を扱ってみます。

金融商品というとなんか固いイメージがありますが各種保険や株などの投資です。これらについてお買い得というものを考えてみましょう。

まず保険ですが基本的にお買い得という保険は存在しないはずです。かつては非常に問題になっていた(現在でも残っている契約については問題)逆ザヤレベルでの利率が付いていればお買い得ですが、現在ではそのような利率をつけるような保険はほぼありません。というか現在の日本をはじめとした欧州等の状況では正直言って保険会社は利率を高めに設定して魅力を上げるのは早々できません。

そしてもう一つお買い得とはなりえない理由があります。これは保険に限らずほかの金融商品に共通しているのですが、手数料の存在です。およそ保険加入時に初回手数料を払っていない人はいないでしょう(ネット保険だとたまにそういった保険もありますがここではそれは除きます)。この手数料は契約時や場合によっては契約の維持・管理手数料として取られます。すると契約そのものに払っているお金はあなたが払っているお金と同額ではありません。

さらに保険では保険会社も損失を出さないように相当苦労しており、支払いが収入を超えることは中々ありません。つまり資産運用の結果を含めても契約者は払った以上の見返りはそうそうありません。この運用が非常に好成績ならともかく、利率は現在はかつてに比べて相当低いので運用益を期待するのも難しいでしょう。そこにさらに手数料が加わるわけですからお買い得な保険というのはそうそう存在しません。

では保険以外の金融商品ではどうでしょうか。これを考えるにはまた経済の話も考える必要があり、複雑になってしまうのですが軽めに書きます。

まず金融商品の場合には将来的にそれがどれだけのリターンをもたらすかを考える必要があります。そしてそれを現在の価値に直さなくてはなりません。最後にこの現在の価値が手数料を含めた購入額より高ければお買い得かなという気もします。ただこの方式は債券などある程度将来のリターンがはっきりしているものはともかく、株や先物では非常に計算が難しくなります。当然保有期間の長短にもよりますし、なにより変動幅の大きな相場の商品を買えばより複雑になります。

ここまで読んでいただけたらお買い得という言葉が以下にふんわりとした概念かわかっていただけたかと思います。僕としてはその言葉を使うことに疑問を投げかけたいのではありません。ただ当たり前に使われた言葉を再検証しそれがどんな状況でどんな意味を持つのかを考えたいだけです。意外とこのように深く考えると難しい問題は山ほどあります。こういった問題を考えてみるのがある種知的作業、古代ギリシャ的暇人の過ごし方なのではないでしょうか。

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