非常時とその後の意識について
こんばんは。たくたくです。以前読んだマンガで印象的なシーンを思い出したのでそれに沿って記事を書いていきます。
20世紀少年というマンガは読まれたことはあるでしょうか。何年か前に映画にもなりましたね。最後はともかく舞台の世界観は日常の浸食という薄ら怖い冒頭から世界そのものがかわるという壮大なストーリーでかなり好きでした。
この作品で何故か覚えているシーンがあります。主人公の友人の一人にやたら強い男がいます。この男は過去に仕事に身を捧げたのですが息子を亡くしてしまいます。その失意から遠い国に渡りある老人と出会います。そして老人と過ごすうちに修行をすることになるのですが、その中で男は水の中に叩き落されます。必死に水の中から空気を求めて足掻き、ようやっと水面から顔をだして男は思うのです、「水の中で見えた光はまるで天国のようで、必死にそこを目指す。だけどそこは天国なんかじゃない、ただの現実だ」と。
このシーンで考えてしまうのは仮に自分がどうしようもない苦難に陥ったときにそれ以前のことを理想的生活だと勝手に思ってしまうのではないかということです。苦しさから逃れたくて只の現実を美化してそこが天国だったんだと思うようにはならないだろかと。
そしてもう一つ危惧しているのは国全体にその思考が蔓延しないかということです。コロナの前が街に人はあふれ活気に満ちていた、そんな誰もが笑っているような生活だったと幻想を抱かないかと危惧しています。そうなってしまってははっきり言ってもうおしまいです。かつてあった問題に意識を背け見たいところしか見れないようになってしまうんです。
消費増税で苦しんでいたのもつかの間、コロナで経済が死んだので復興増税しますなどといわれても前の生活にもどれるならと思って抵抗しない人が出てきます。大概の人からすればなんてバカらしいのかと思うでしょう。でもそれだけ意識の差は大きいのです。今、自粛でどうしても外に出れず苦しい人にとってはそこが理想なんです。だからその理想に戻るために犠牲を払ってしまうんです。
僕が一番恐れているのは味方のふりをした敵、あるいは無能な働き者です。こういった人間は団結して何かに立ち向かうときに組織を内側から瓦解させます。本来はそういった役割は敵のスパイに当たる人間が行うのですが、こういう人間は無自覚にそして悪意なくやらかします。だから敵よりも厄介なんです。その存在だけで怖くて仕方がなくなります。
ここで言いたいのは今後の経済の動向次第では政府は僕らの敵といっても良いレベルの政策を打ってくるということ、そしてその政策をなぜか支持する人間がいるということです。しかもその人間は特別政党や個人を信奉しているわけでもないんです。人間の思考は本当に簡単な思い込みでどうにでもなってしまいます。だからこそ少し誘導されるだけで熱心にその政策を支持するようになります。
この思い込みで恐ろしいのはだれでも可能性があることです。学歴とか会社での立場とかには関係がありません。真実は人の数だけ存在するとはよく言ったもので、ある事象を自分の中に落とし込むときにずれてしまうことが往々にして起こるのです。気を付けてどうにかなるかは正直わかりません。しかし常に自分が正しいとは思わず、疑いを持ち何が正しいのかそうでないのかを把握していくようにしましょう。
それではこの辺で失礼します。
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