【第28話】感謝

ベッドでぼーっとしていると、中学生の時の野球部の友達から着信が入りました。

「家の電源と水道だけ、借りるよ!」

聞けば、日曜日にわざわざ集まり、僕の自宅周辺の草刈りや洗車をしてくれると言うのです。

最初は、「本当に有難いけど、大丈夫よ」と断っていたのですが、僕が動けない期間の長さを考えた結果、そのご厚意に甘えることにしました。

高校の同級生と同様、彼らともいろいろなことをしました。中でも、想い出に残っているのは、練習後、みんなでよく魚釣りに行っていたことです。

魚が釣れるかどうかなんて、どうでもよくて、広い海を見て竿が曲がるのを待ちながら、ただ、おしゃべりする時間が楽しかったのだと思います。

あれから25年が経った今、こんな形でお世話になるとは、想像もしていませんでした。月並みな言葉ですが、本当に感謝しています。今は、それしか、思い浮かびません。感謝。

2023.12.3

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