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『性格』を学ぶと臨床で『人』が見えてくる。

役に立つのに『性格』を学ばないセラピスト


中学生の頃から心理学が好きで心理学の本を読んでいた(簡単なもの)私ですが、
社会人1年目の頃にもよく、心理学に関する本を読んでいました。
(特に性格に関して興味関心が強かったです)

当時はリハビリと性格に関する知識をつなげることは難しかったのですが、今では感覚的に『性格』に関する知識や理解しているものを臨床で使うことがあります。

ここで言う「使う」とは性格テストをガッツリしてアプローチにつなげるという事ではなく、なんとなく会話からクライエントの性格を評価して、こちらの立ち振る舞いを意識するといった程度です。

性格に関する知識をガッツリ臨床で使っているという感覚はないのですが、いぶし銀のように役に立つのです。

私の臨床でちょこまかちょこまか役に立ってくれる『性格』に関する知識ですが、6年間この業界にいて『性格』について学んでいるセラピストは直接みたことがありません。

いぶし銀のように役に立つ『性格』に関する知識。皆さんにはこの記事をきっかけに興味を持っていただけたら嬉しいです。


ビッグ5(主要5因子)を抑えよう


ビッグ5と言うのは現在最も注目されている性格の分類法です。

あなたの性格がA4用紙の1枚の紙だとします。その紙を5等分してそれぞれ性格に領域を作ったのがビッグ5で、ボトムアップ的に性格を捉えています。

その5つがどのような領域かを表したのが下図になります↓

参考:ハーバードの心理学講義 ブライアン・R・リトル

※ちなみに性格は大体50%は遺伝すると言われてます。
(残り50%は後天的による)

「自分は統制性が低いのかな?内向的なのかな?」
「友達はどうだろう?」
と、考えてみたら結構おもしろくないですか?

統制性に注目してみよう。運動を継続できるのは限られたエリートのみ!?


ビッグ5に絡めてリハビリの話をしていくとめちゃ長くなってしまうので、
今回は『統制性』と『リハビリ』をテーマに話していきます。
※今回はこの二つを語りたいので、その他の要因は除いて説明します。

統制性が低い人はコツコツと努力をすることが苦手です。
(逆に言うと今を楽しむ才能がある!?)

そして、リハビリはコツコツと努力をすることが求められることが多いです。
(例:スクワット1日30回 自身の思考を毎日紙に書き出す)

つまり、統制性が低い人はリハビリが苦手な場合が多いです。
以前、私は自主トレーニングに取り組まない患者を叱責するPTを見たことがありますが、
叱責することが適切なアプローチでない可能性が高いことがわかるのではないでしょうか?

その患者さんが極端に統制性が低い性格(コツコツの活動が出来ない)であった場合、自主トレーニングが続かないことはやむ終えない。

そこに叱責するのは性格自体を否定している。
人格の否定?のように私は捉えてしまいます。

私であれば、どのように工夫すれば自主トレーニングを続けることができるか、また、自主トレーニングができないことを前提としてリハビリの効果を最大化させるにはどうすべきか考えます。

ちなみに、統制性が低い(コツコツが苦手)人はコツコツ作業(運動、勉強等)を諦めた方が良いのか?というとそうではありません。

アプローチ出来る余白はあります。ここで3つお伝えして終了とします。
この知識は自主トレが苦手な患者さんのアプローチにも役に立ちますし、あなたのダイエットにも役に立ちます。

環境からアプローチ。

自主トレが苦手な患者さん。この患者さんには毎日奥さんがお見舞いに来るとしたらどうでしょうか?
奥さんに自主トレを促すように伝えると、自主トレを行う可能性は増えるかもしれません。これは人的な環境にアプローチすると言うことになります。

活動に価値を加える

スクワットをしてどんなメリットがあるかわからない患者さんはスクワットをしません。
なぜならきついだけですから。スクワットが転倒予防に繋がり、それが孫と楽しく遊ぶ健康な身体を維持できると知ったらスクワットを継続するモチベーションにつながるかもしれません。

活動に緊急性を加える

作業・活動を4つの領域に分けてみます。

リハビリ(特に自主トレーニング)は基本的に『緊急性が低くて重要な活動』に入ると思います。
ここに『緊急性』を加える事で自主トレーニングの定着につながる可能性が上がると思います。

例えば、食事をする前にスクワットを行うというルールを作る。
いつやってもいい時間規定のない自主トレーニングから、自主トレーニングしないと食事が出来ないという緊急性が加わる。

※もちろん当事者の同意がないと倫理的に問題がありますが。
自主トレをする意欲はあるが、なんとなく1日出来ずに終わっていたくらいのテンション感の利用者さんに良いかもしれません!

最後に100冊くらい心理学の本を読んだ私ですが1番のおすすめ

初学者でもすらすらと理解できる内容にもかかわらず、しっかり根拠のある情報が詰め込まれていて、あっという間に最後まで読み終えます。

そして、性格に関するトピックを網羅的に理解できます!おすすめです(^^)


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