障がいをお持ちのお子さんお父さんお母さんに届いて欲しい。療育施設について。
私は作業療法士として児童発達支援の施設で働いていました。
私は作業療法士(リハビリ国家資格)として児童発達支援の施設で働いていました。その時に感じていた施設に対する疑問があったので正直に綴って行きたいと思います。
ここで言う『疑問』は悪い意味合いが大きいです。なのでこの記事を投稿することを迷いました。
しかし、障がいを持つお子さんのお父さん、お母さんさらには障がい児童領域で働きたい方にとって価値あるものになると考え投稿を決めました。
通常の保育園や幼稚園と違うところは障がいを持つお子さんが通うところなので、『療育』が提供されるというところです。
療育とは障がいのあるお子さんに対して発達の遅れや障がいの特性に応じて支援することを言います。まさに保育と医療を混ぜ合わせたような支援となります。
〜 小児領域に興味を持ち、私は就職しました 〜
作業療法士「リハビリ国家資格」として療育に興味があった私は児童発達支援の施設に見学と入職の面接をしました。
面接の時に面接らしい質問(志望動機など)を全くされなかったことから違和感を感じ始めました。結局入職はしましたが!
※波風は立てたく無いので具体的な施設名は伏せます。
児童発達支援の施設で感じた疑問
スタッフが足りなすぎる。5秒も目を瞑ることができない。
入職した時に最初に思ったことが「スタッフが足りなすぎる」というもの。
施設には普通の幼稚園に1人いたら大人たちが頭を抱えてしまう子がたくさんいるわけです。子供がどんどん集まり次から次へと問題行動。危険行動。それらを静止、注意し続けて1日が終わります。
語弊があるかもしれませんが「1日中モグラ叩き状態」です。
これではお子さんを預かって安全に返すのが精一杯。療育に頭を回すことなんてできません。
ちなみに児童発達支援では子供10人に対してスタッフ2名以上でみるという厚生労働省による統一の決まりがあります。
私が働いていた施設でも基本的、、に守られていたと記憶しています。
(守らなかったら次から次へと子供が怪我をします、、)
ただ、子供10人に対してスタッフ2人は少なすぎると感じました。
(お預りするお子さんにもよりますが)
通常リハビリというものは対象者をしっかりと評価して、まとめ、アプローチ(介入)します。しかし、施設では子供をじっくり評価すること、どのようにアプローチすれば良いかなど考える時間はほとんどありませんでした。
療育をしてもらえることを期待して大切な我が子を長い時間預けているお父さんお母さんの想いに応えることは全く出来ていない様に感じました。
ただ、怪我をさせず、食事をして、遊んでお引き渡しするという毎日に疑問を抱きざるを得ませんでした。
・管理者(保育士)の考えが私は嫌いだった
当時施設の管理者をしていたのは保育士の免許を持っている女性でした。その方は保育士としてのキャリアは長いですが、児童発達施設での経験はそこまで長くありません。
その管理者と私は馬が合わず、結局私は入職後半年で退職することになりました。(退職理由は様々ですが!)
管理者の言動を見ていると最も重要視していることは『苦情を出さないこと』のように感じました。
良いサービス(療育)を提供するために苦情を出さないという思考なら賛成ですが、療育の質を犠牲にしても苦情を出さないという姿勢が私とは考えが合いませんでした。
具体的な話をします。私は作業療法士の資格の保有者ですので当時、個別療育(児童と1対1で療育をする)を頻回に行なっていました。
とは言え、やはりスタッフ人員は少ないので利用児童は月に1回個別療育を受けられるかどうか程度です。個別療育を行なった際に個別療育の内容やお子さんの様子、専門的なアドバイスを用紙にまとめて保護者にお渡しします。
その時に管理者は私の記録に頻回な訂正を求めました。その多くは保護者が快く思わない可能性がある文章の削除でした。
私としては出来ない事はできない。苦手なことは苦手だと親御さんに伝える。その上でお子さんがより良い人生を作れるようにコミュニケーションを密にとり行動、解決していくべきだと考えています。それが療育における誠実さではないのかと。
しかし管理者の考えは違く、極力苦情や療育内容に対する質問が来ないようにするため出来たことしか書かない、伝えないという考えでした。できないことは極力というかほぼ100%伝えない。
もちろん、自分の子供の出来ない、苦手なことを聞きたくない。そういう親御さんもいると思います。また、保育士さんの業界ではできることだけ伝えて保護者に安心感を与えるというのが常識なのかもしれません。
ただ、家庭を離れて施設という社会的な場所での様子を長く観察できるのは施設のスタッフです。お父さんお母さんは基本的に見られないお子さんの様子。お子さんの施設での様子をクリアにお父さんお母さんにお伝えする必要はあると思います。
療育の世界ではお子さんの苦手、できないに対して完全に目を瞑るのは不誠実では無いでしょうか。痛い目を見るのはお子さんです。
障がいを持つお子さんのお父さんお母さんへ
児童発達支援の施設を利用するためにまず受給者証を貰います。(詳細は省略します)受給者証が手に入ったらいよいよ施設選びになるかと思います。
ここではどういった施設がお子さんやお父さんお母さんに対して誠実にそして専門性を持ち合わせて療育をしてくれるか。良い施設の見極め方について私なりにお話していこうと思います。
最初に施設と接点を持つのは施設見学だと思います。施設見学で良い施設であるか、そうでないか見極めたいところですよね?
はっきり言って難しいと思います。施設見学でいい顔を見せるのはどんな施設でも容易いと思うのです。就職する会社とかも入ってみないと分からないですよね、、
じゃあどうすれば良いか。
施設を利用した後にお子さんの施設での様子をしつこく聞いてみてください。
そんなに色々な質問をしたら嫌われそうだと思いましたか?
療育の知識が浅く不誠実なスタッフであれば嫌われるかもしれません。
しかし、療育の知識が深く誠実なスタッフならば真剣にあなたの質問を聞いて答えてくれます。
また、施設での様子を具体的に答えてくれるということはスタッフが子供を見る余裕がある可能性が高いです。そして、お子さんの病気のこと不安のことを相談しても嫌な顔をせずに答えてくれる様でしたら、専門性を持ち合わせている可能性が高いように思えますよね。
私が働いていた頃に施設での様子をしっかりと聞いてくるお父さんお母さんは意外と少ない印象でした。
遠慮されているのか、こちら側がお話しやすいフックを作っていなかったからか。しかし、遠慮する必要はありません。
大切な我が子の様子をしっかり聞いてみてください。
お子さんの話を深掘りして深掘りして質問する。話していく。それにしっかりと向き合ってくれるスタッフが多い施設を選びましょう。
もしも、利用している施設が不誠実。お子さんをしっかりみていないと感じたらすぐ契約を切りましょう。
不誠実な施設なんて消えてしまった方が世の中のためだと思ってしまいます。それくらい療育をするためにお子さんを預かるというのは重要な仕事ですよね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
お子さんもお父さんお母さんもより良い人生に進んでいきますように(^^)
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