EXITの多面的で多角的な視点
太陽を浴びてお散歩するのが好きだったり朝日や夕陽がとてもきれいだと思っていたり草や木や風に癒されたり雨に濡れて帰りたがったりマインドフルネスをしてみたり兼近さんって「しろくまカフェ」の世界に住んでいるのかと思う時があります。あくまで個人の見解です。
「道徳」の授業をしていると、ちょいちょい「多面的、多角的なものの見方」というキーワードが出てきます。
みなさん「道徳」はお好きじゃないですよね、価値観の押し付けみたいで。その反省を踏まえたからなのか、今のトレンドは「いろんな価値観を認めていこう」っていう方向です。
ものごとは、片方からだけ見るのではなく、別な角度からも見なさいよ、ということです。いろんな立場の人がいるんだから、多面的多角的なものの見方ができるようになれば、多様性を認め合えるでしょ、というわけです。
わかるけど、本当に申し訳ないのですが、こんな教科書読ませるよりEXITさんのフリートーク聞かせた方がよっぽど「多様な価値観を認め合うってこういうことだ」と理解できるんじゃないかと思っていました。文科省ごめんなさい。あと生徒ごめんなさい。ちゃんと授業はします。
とあるラジオで、「久しぶりに友達に会って喜んで抱きついたら先生に『3密になるから離れて』と注意された」というリスナーのメールに対して、「先生も言いたくなかっただろうな」という言葉が瞬間的に出るあたり、兼近さんは多角的視点をお持ちだなと思います。常に、一般的な視点プラスもう片方からの視点、二つ用意している。それはもちろん、芸人として面白い答え・ありきたりではないオリジナリティのある答えを常に用意しているからであり、立派なプロの仕事だと思うのですが。
「善に対して悪」とかそんな単純な二元論ではなく、うれしい人もいれば悲しい人もいるよね、とか、喜んでいるように見えて実はさみしいのかもね、とか、思ってくれているような気がする。考え方の視点が優しい。
(ここだけの話ですが、上記の兼近さんの言葉に現役教員は救われましたよ。そう思ってくれる人がいるだけでありがたい。)
兼近さんの言葉を、りんたろーさんはうん、うんって穏やかに受け止めていらっしゃる。お二人の価値観は結構離れているときもありますが、それでもお互い拒否せずに、相手の話を聞いている。お二人とも大人なのでちゃんと正しい「批判精神」をもっていて、自分はそんなふうには思わない、ということを穏やかに伝えることができる。それが「否定」や「拒否」ではないことをお互い理解している。
中学生なんか「批判」と「否定」の区別がつかない子が多いから、違いを指摘されるとすぐスネるし傷つきます。「友達だったら私を批判するわけないよね」と思ってたりするし。
りんたろーさん賢いなあと思うところは、今までの自分と異なる価値観に触れた時に「多面的な」ものの見方で、まず受け入れる点だと感じます。そうか、そんなものの見方もあるかーって受け入れるのがすごいですね。
だからもうEXITさんの二人がいろんなこと話している様子を動画で見せて、「一人はこんな風に言っているけどもう一人はどう思ったのかな?」とか問いかけたい。「自分だったらこんな風に言われた時、なんて答えるかな?」とか話し合わせたい。
人と人が誠実にお互いを理解しようと努力すれば、こうなるんだよという実践例として紹介したい。漫才コンビという特殊な関係性だから可能なのではなく、同じ教室で過ごす一般的な同級生でも、社会で出会う他の年代の相手であっても、本来は同じだと思ってほしい。
しかし、自分で言っておいてあれですが、これは普通の中学生には難しいと思います。一般的な同級生は自分と価値観違いすぎるわーと思ったら距離取って卒業まで会話しなければいいもんね。価値観違うたびにコンビ解消してたらいつまでたっても売れないもんね。そう考えれば、我々がEXITさんに感じる関係性の希少価値は、そのへんの教室内では再現できない美しさだからなのかもしれません。
教科書以外で授業をすると校長が嫌な顔をするので、踏みとどまって自分の頭で咀嚼して伝えています。きっと生徒はいつかEXITじゃなくても自分だけのかっこいいと思うお手本を見つけてきて学んでいくんだろうなと思っています。
霜降りミキXIT面白かった!
でも!
粗品さんも脱いで!!