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大晦日に108回もジャルってんじゃねぇよ
新年明けましておめでとうございます。
今年も舞台監督としての公演に対する考えや、スタッフの在り方について綴っていきたいと思います。
2019年の大晦日はTTホールにて、ジャルジャルの108本ネタライブでした。単独芸人だけでのこのネタの数は恐らく日本で初めてではないでしょうか!?
数年前、ABCホールで桂小枝さんの8時間耐久落語を担当したこともありましたが、その時はネタ数は16本でしたし、今回のジャルジャルのように8時間40分まで長くもありませんでした(一人だけなので小枝さんも偉業ですが)
とにかく今回のスタッフは東西のジャルジャルが信用出来るメンバーって感じでした。
最初、出来るだけシンプルに行うと聞いていて、彼らのYouTubeとかでもそんなに小道具などを使っていなかったので、経費の削減も鑑み、大道具さんは本番に付かないという段取りで話しを進めておりました。
フタをあければまぁまぁ大きな小道具が何個も…。小道具の担当はbaseよしもと時代からの付き合いがあり、信頼出来る女の子でした。かなりの負担にはなりましたが、本番も完璧な転換を魅せてくれました。
小道具の転換は僕も手伝ったのですが、中盤以降で暗転で小道具出し忘れたりしたのも、彼女がすかさずフォローしてくれてミスなく終えられました。
とにかく今回は108本というとんでもない本数と尚且つ「完全暗転」という状態だったので、視認もまぁまぁハードでコントのリハも段取り確認程度で全てやってないので、そのコントがどのくらいの長さがあるか解らないことも多く、変更点の伝達など細々タイミングが難しくもありました。
そして僕自身も把握しなけりゃならない情報が膨大で恐怖なうえに、さらにSSホールでのライブビューイングも舞監を担当しておりました。
TTとSSは楽屋が繋がっていてるので、走ったら20秒で行き来出来てしまいます。
なのでサプライズで後藤くんがSSに行く時や、段取りが変わる度に両劇場を奔走してました。
また、時間のコントロールも非常にナイーブで、なんせジャルジャルの公演の次にはアキナのカウントダウンライブが控えているので、18時30分終演予定でしたが、上限が19時00分にはアキナ側に舞台を渡すという約束でした。
正直、時間を守れるのかどうか不安しかなかったです。プロデューサーから「もしもの時はアキナ側に本気で謝りましょ」という、それで済むのか済まないのか解らない後押しを頂きまして(笑)
休憩もどのタイミングでするかとか決めずに、そのときの二人の体力やお客さんの空気などでその都度決めるスタイルだったので、一番ハードな時は、僕は暗転の舞台上で小道具の転換をしながらインカムで「この転換終わったら休憩はいります!静止画15分出して下さい!」と超ギリギリで指示…。
綱渡りの上でつま先立ちしてるくらい、ハラハラするものがありました。
もうね、普通ならそんなことはあり得ないんですけど、今回ばかりはやらなきゃならないんです!
スケールでかくてみんな始まる前に全貌が掴めてないんです(笑)
その時の流れで決めなしゃーないな
こればかりはやってみな解らんな。
そんな会話ばかりでした。
そして序盤はスローペースで、このままではアキナ側に本気で謝りコースか!?とも思ったのですが、時間の経過をジャルジャルに伝えると中盤以降はコントのテンポをあげてくれて、時間を調整してくれていました。
もうほんと驚き!!普通コントとかって、セリフやシチュエーションが決まっているから、時間のコントロール難しいんですが、そういうのを二人の空気でさらっとやってのけるんです。恐ろしい才能です。
そう言えばnoteでは書いてなくて、別に隠すつもりもないのですが、今でこそ舞台監督として公演に携わりますが、元々は僕も芸人をやっていました。
NSC25期卒業です。
だからジャルジャルとは同期なんです。
当時はほんとに1000人近く大阪NSCに入学していた時代です。NSC入学式はNGKが満席になっていました。
そして僕はジャルジャルとクラスの期間が長かったので、未だに当時のネタの話しをすることもあります。
先日同じく同期の新喜劇の新名のYouTubeチャンネルにジャルジャルが出演した時に、そういう話しをしてくれていました。
を是非ご視聴&チャンネル登録してあげて下さい!
ジャルジャルとは高卒で入学した同期の中でもさらに近しく感じます。
何年もこの世界で仕事をしていると、思わぬ場所や他のセクションで同じ年の人と知り合いになることは今でもあります。
同級生は今でも増えたり、はたまた辞めて減ったりしますが、同期という存在はあの日同じタイミングで入学した数より増えることはありません。
僕は芸人を辞め、路線を変えましたが今でも残っている同期は本当に掛け替えのない存在だと思うし、一度辞めていった同期は二度と仕事で接点を持てなくなります。
長く続けても人生を浪費するだけのシビアな世界だと思います。そんな中で卒業して16年以上経っても同じ舞台に携われるのは本当に嬉しいです。
そして、ジャルジャル終わり余韻を楽しむ間もなく、僕はSSホールに移り、今度はかまいたいち、藤崎マーケット、天竺鼠のNSC26期メンバーによるカウントダウン同期ライブでした。
もうカウントダウンライブも毎年何処かで担当しているので、仕事が無い年越しが思い出せないくらいです(笑)
僭越ながら、年越しの瞬間のテープの発射は僕が行いました。(こういうの担当するの大好き)
バシューン!!って発射してキラキラテープが舞い降り、お客さんもその瞬間に最大に
ワー!!\(^-^)/
って歓喜してるのが楽しくて仕方無いんです!ちゃんとテープも6色ぶん!
仕事冥利に尽きるんです。その瞬間の為に一生懸命になれます。
同期ライブ終わったあとスグにTTホールへ行き、サプライズでアキナのカウントダウンに顔を出す26期メンバーはほんと素敵だな。
自分達も楽しむ、そしてお客さんが喜ぶ、彼らは本当に素晴らしい仕事をしていると思います。
改めて同期の素晴らしさを噛み締める新年です。
公演を観に来たり、来れなかったり様々だとら思いますが、僕もnoteを通じて少しでも公演の余韻を膨らませもらったり、裏方を目指す人が増えてくれたらいいなぁと思っております。