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ポスタープレゼンが中止になったら
イベント中止
このnoteを書いている本日から時差登校と短縮授業が始まりました。東京都の公立中高の動きに対応してというのが私学としてどうなのかはともかくとして。
他校同様、卒業式をはじめとして様々な学校行事やイベントが中止または延期となっています。本校でも日頃の学習成果を発表するようなイベントが中止になっています。
私が関係しているもので言うと、高校2年の「総合」で取り組んでいる国際協力プログラムの成果発表会があります。「情報」の授業とコラボレーションして進めてきたので、中間発表のプレゼンテーション作成や、成果発表会でのポスタープレゼンテーションのポスター作成などに関わってきました。
今年も発表会に向けてポスターを作っていたのですが、イベントが中止となり、担当者と「さてどうする?」という話になりました。こういう時に「あ〜、残念だね」ではなくて「どうする?」と考えられる仲間がいるのはありがたい。
ポスタープレゼンテーションを動画に
みんな集めてポスタープレゼンテーションはできなくなりましたが、せっかく大型のモニターもあるし、iPadもあるし、ということで「ポスタープレゼンテーションを動画にしよう」と決めました。昨年はポスターをプリンタでポスターサイズに出力して行っていました。でも今回は時間的な制約もあって、紙に出力せず、そのままモニタに映し出し、モニタ脇で説明を行なっているのを動画で撮影することにしました。ここの段階では、実際に見られないんだから動画で収めといて観て貰えばいいねという程度の発想でした。そう、我々オトナの思いつきなんてそんなもんなんです。
もはやポスタープレゼンではない
授業もあと2回というタイミングで生徒に発表会の中止とプレゼンの録画を急遽行うことを伝えました。拍子抜けするくらい」「はいはい、わかりました」という反応。もっと「なんで?」とか「めんどくさい」とかあるのかなと予想していたのでちょっと驚き。でも考えてみれば1年間取り組んできた成果の発表だからねえ、そりゃ簡単に中止って言われたら嫌だよな。
数名のグループ毎に分かれてしばし相談。ラーニングコモンズにある4台のモニタに移動して撮影が始まりました。すぐには撮影を行わずにあれこれ相談しているグループも。事前に総合の授業でリハーサルはしていると聞いていたのですぐに撮影するのかなと思っていたらそうでもありませんでした。はじめは「準備が足りないのかな」と思って見ていましたが、そうでもないようで。。。実際のプレゼンではなくて録画になったことでプランを変更していました。
私たちの発想は、実際にプレゼンできないなら、それと同じものを録画すればいいじゃんという程度。いやまあお恥ずかしい。
それに比べて生徒は、録画だったらどんな工夫が出来るのか、紙のポスターではなくてモニタへ映すならどんなやり方があるのかを考えていました。これって「もはやこれってポスタープレゼンじゃないでしょ」と指導すべきなんだろうか? 一緒に授業やっている先生と一瞬考えてしまいましたが「せっかく工夫しているのだから、そのままやってみよう」と決めました。
経験の積み重ね
グループによってはただ作ったポスターをモニタに写して説明して終わるところもありました。あるグループは説明する生徒とは別にiPadを操作して、説明しているポスターの部分を拡大させたり、ポイントになるところにアンダーラインを引いたりしていました。確かにこういうのって紙のポスターではやるのが難しいけれど、iPadとモニタの組み合わせだったら簡単。ただ、できることとやってみようと考えられるかは別。今まで経験したことから「こんなことできるはず」とやってみていることは素晴らしい。
また別のグループでは、スピーカー毎に細かくカット割して撮影してiMovieで編集して一つの動画にしていました。これも経験したからこそ「やってみよう」となることです。やってみようと思ったとしても限られた時間で撮影するとなると経験がなかったら難しかったでしょう。
STEAMのプロジェクトは短いものを出来るだけたくさんやって、いろんなアプリやサービス、そしてプロジェクトの経験をしてもらうようにしました。何か課題や問題に当たった時に、その経験の中から使えそうなものを組み合わせて解決策を導けるといいなと考えているからです。
災転じて
イベントが中止になったのは残念ですが、出来なくなったポスタープレゼンを動画で収録となった時に、経験を活かしてより良いアウトプットを考えられるようになっていることは嬉しいことです。「ポスタープレゼン」道みたいなものがあったとしたら「こんなのダメだ」と言われるかもしれません。でも「道」も大事かもしれないけれど、最善の結果を求めて工夫すること、工夫できることもとても大事なのですよね。私にとっては災転じて福となす結果となりました。
ここで作った動画をまとめてアップして、本来プレゼンを観ていただく予定だった生徒や教職員、そしてお招きするはずだった外部有識者の方々に観ていただくことになります。どんな反応があるか楽しみですし、これらを観て来年度このプロジェクトに取り組む後輩達がどんなことをやらかしてくれるのかも今から楽しみです。
そういえば一人一台
そういえば、こんなことが出来るのも本当の「一人一台」環境だからです。授業の時だけ貸し出しで一人一台だったら、撮影した動画の保存も手間だし、好きなアプリを使えないこともあるし、休み時間や自宅で作業を進めることも大変。一人一台、自分のiPadを持っているからこそ、こんなことを気軽にやってしまえるのです。費用がとかMDMがとかキーボードがとか、色々とめんどくさい問題あるんでしょうけれど、大事なのは本当に一人一台あって使いたいように使えるような環境作りだよねと改めて考えました。
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