学校を辞めても大丈夫です
今日という日
今日は3月31日。年度末。
SNSを見ていると,異動の報告が多い。自治体内での異動はいつものことだけれども,異動と言っても公立から私立や公立から一般企業や独立といった,もはやこれまでの「異動」ではない「転職」組が増えてきた。
「今度の春もけっこう動きそうだねえ」なんて話を転職仲間でしていたので,正直驚きはしていないが,それでも「こんなにいるのか」とも思う。
異動,転職される皆さんの選択が明るい将来に繋がることをかつて転職した者として心から祈っています。
心配なこと
公立の先生は異動が当たり前なので,異動となっても「私の人生どうなってしまうのだ?」とはなりにくいかもしれない。もちろん,自分の意に沿わぬ異動であったり,家族と離れたりといったことがあれば不安や心配も大きいだろう。また,私立に移ろうとか別の職業に就こうとなれば話は別だ。
私立にいると法人が大きくて系列校がたくさんあるところはともかくとしてあまり異動はない。同じメンバーで長い期間過ごすのが当たり前の環境にいる先生がほとんどだ。
理由は何にせよ,今の学校を離れて別の学校に行こうとか,別の職業に就こうとなれば,環境が一変するので「大丈夫なのかな?」という気持ちになると思う。
大丈夫です
2016年の夏に突然学校を辞めた私が言えることは「大丈夫です」ということだ。いろんな事情や理由はあると思うけれど,少なくとも次の場所からは望まれているわけだし,環境が変わる戸惑いはあるはずだけど,それでも大丈夫。
なんでそんな無責任なことを,と思われるかもしれない。でもあえて今の環境を飛び出て新しいことにチャレンジしようとしているなら大丈夫だと思う。本人のスキルや気持ちもそれだけのものがあるだろうし,そんな人は必ず学校外に「仲間」がいるであろうから。
仲間
私の場合,翌日から新しい職場で仕事が始まるというわけではなかった。「次が決まってるんでしょ?」と散々言われたが,そんな余裕があって辞めてないので,本当にきっぱりと無職だった。
明日から同僚は一人もいなくなる。どうなっちゃうんだ? これから一人でやっていけるのか? 急に不安になった(遅いよ)。きっとすぐに忘れ去られてしまうのだろう。どうすんだ?
辞めてみてわかったのは仲間が助けてくれるということだ。毎日近くにいるから仲間なんじゃないんだなということもわかった。同僚だから仲間なのではない。
同じ学校にいた人,ライバル関係にあった学校の人,何百キロも離れた学校の人,関わりのあった企業の人,関わりはなかったけどどこかで知り合った企業の人,仲間はたくさんいた。そんな仲間があれこれと心配して声をかけてくれたり,仕事をくれたり,人を紹介してくれたり,本当にありがたかった。
次を求めてチャレンジする人にはきっと学外にもこんな助けてくれる仲間がたくさんいると思う。だから大丈夫。
一生ついていきます
今更恨み言を言うつもりはないし「そんなことないよね」と思っていたので残念でもないけれども,辞めるとなって,だいたい「一生ついていきます」なんて言う人で本当に今も付き合いが続いている人はほとんどいない。仕方のないことだと思う。まあ,採用も長年やってきたけど「ここに骨を埋めます」っていう人で埋めた人っていなくて,そう言う人ほど辞めるよね。。。
半径100mで過ごさない
転職するしないに関わらず,特に私立で働いている方はぜひ学外に仲間をたくさん作っていただきたい。そんな暇はない。現場の対応だけであっという間に一日が終わってしまう。そうなんだろうけれど,実際に外に出なくても学外に繋がる方法はSNSをはじめとしてあるんじゃないかな。
「教員がSNSなんてやって仲良し同士でチャラチャラやってんのはダメ。教材研究や目の前の生徒にもっと目を向けないと。」といったご意見もある。SNSやるやらないは自由だし,言ってることはもっともだけども,得てしてじゃあ教材研究に力入れていて授業がどんどん進化しているのか,クラスや授業の生徒に関わっているかというとどうなんだろうとも思う。外に目を向けたくないだけなんじゃないかなと思わずにいられない方もいらっしゃる。
今いる環境,半径100mで過ごさずに,ぜひその外に出てほしい。心理的にも物理的にもコンフォートゾーンを抜けて,外の世界に出てみるべきだ。
で,そうすると「今のままでいいのかな? どこか行こうかな?」ってなっちゃいがちだけど。
きっといいことある
明日からどうなっちゃうのかなと心配しているかつての私のような方にどれだけ届くかわからないけれど,きっと大丈夫だし,きっといいことある。そしてどこかの仲間がきっと助けてくれる。大丈夫。
2016年8月31日16時
蛇足。トップの画像は最終日の帰り際に思わず振り返って撮影した画像。思い残すことはないと思っていても20年以上いた学校を撮っておきたかったんだろうな。