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-10÷3 の商と余りは?

最近、数学を学び直しているのだけど、「ヘェ〜」と思った問題をひとつ。

タイトルにある、

-10÷3 の商と余りを答えよ

という問題。

さて、すぐに答えが浮かぶだろうか?

小学校の計算問題だと思いきや、意外と引っかかってしまった。

というのも、例えば「10÷3」であれば

商…3  余り…1

と答えればいいので何の問題もないのだが、
「-10÷3」となると、少し勝手が変わる。
単純に

商…-3  余り…-1

と書きたくなるのだが、「ん?余りがマイナスってどういう事?」と、一瞬手を止めてしまう。
「余り」というのが、そもそも「割り切れなくて残った数」なのだから、「残った数」が「マイナス」という事にどうしても違和感がある。


そんな時に、整数の割算では以下のような定理がされている事を知った。

<整数の割り算の定理>
任意の整数a,b(b≠0)に対して、

a = qb + r (0 ≦ r < |b|)

をみたす整数q,rが一意的に存在する。

「-10÷3」をこの定理にに合わせて書いてみると

-10 = 3 × q + r   …①

となり、qが商を表し、rが余りを表す事になる。

定理上、(0 ≦ r < |b|)という条件が付けられており、数学の定理としても余りはマイナスにはならない、という事がわかる。

では、(0 ≦ r < |b|)を満たすようにrを決めるにはどうすれば良いか。
最初の「商…-3 余り…-1」を①式に当てはめると、

-10 = 3 × (-3) + (-1)

この状態だと、余りである(-1)が(0 ≦ r < |b|)を満たさない。
そこで右辺に「-3+3」を加えると、

-10 = 3 × (-3) -3 + 3 + (-1)
→ -10 = 3 × (-4) + 2

と表すことが出来、余り(2)は(0 ≦ r < |b|)の条件を満たす。

よって、「-10÷3」の商と余りは

商…-4 余り…2

が解答となる。

実際のところ、算数・数学の世界では「-3多い」なんて言い方もするので、先の「商…-3  余り…-1」でも間違いではないそうである。

でも、個人的には余りは正の数の方がしっくりくるので、この解答には「ほぉ〜」と感心してしまった。


簡単な算数の問題に見えるけど、いざ考えてみると頭を悩ませてしまうこの問題。
解法を見れば誰でもわかるんだけど、何の前情報も無くこの問題が出て即答出来る人ってそんなにいないんじゃないかと思う。


さて、この問題から僕が思ったことは、
「一見、簡単そうな問題・課題も、実際に手をつけてみるまではその実態はわからない」
ということだ。

仕事なんかでも、すぐに片付くだろうと思っていた仕事が、いざ手をつけてみたらなかなか終わらない、という場面も多々ある。
物事の本質というのは、見た目だけの判断では、正確にはわからないものなのだ。

そんなことを思った一問であった。

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