孵道~少しの工夫で面白さが引き立つホラーゲーム感想~
※このnoteはネタバレ&ホラー要素注意です
怪話シリーズ等で有名な法螺貝さんから孵道という変わったタイトルのゲームが発売されました。
振り返らずに帰るだけのアンリアルホラーアドベンチャー
…と、書いてあって、振り返らないだけという簡単なゲームです。
しかし…~してはいけないと言われると、やってみたくなるのが人間てものですよね。しかし振り返ってしまうと……
ストーリー
主人公である「僕」は道の真ん中に立っていた。
僕は先生が言っていた事が気になっていた。
「帰り道は危険がいっぱい。絶対に振り返らない事。何があっても真っ直ぐ進む事。」
なぜ、振り返ってはいけないのだろう?友達も誰が最初に家に帰れるか勝負しようと言って目の前の山道を進んでいく。僕も進もう。
――その時、後ろから誰かの声がした気がする。
とにかく進むだけですが、どうにも振り返ってはダメだというのを当たり前に受け入れる友人?や、早く家まで帰れるかという不公平な競争…何やら違和感がありますし、何よりも山道を進むと異物や異形の者達が…。
ゲーム性
場面ごとにカーソルを合わせて調べる他、進むや振り返るという枠をクリックすることで行動する。QTEがある。難易度はクリアで解放されるものを含み4つ。推奨難易度はあるものの、高難易度はQTEにダミーが入る。
ダミーとは「引き返さない」というQTEの中に「引き返す」と言った選択を誤るとゲームオーバーになるものが加わる。
高難易度の場合はQTEの数も増えるし、特に引き返さないをクリックする瞬間に引き返すという枠が現れて押してしまい、ゲームオーバーという事が何度かあった。これを理不尽と捉える人もいるかも知れないが、個人的には難易度が上がって遊び応えが増した。
勿論、ED回収やゲーム難易度を度外視して本編楽しむために、低難易度に変更して遊ぶ事も可能。
QTEを活かした勝負という名のミニゲームも3本ある。
ホラー度
これを見て怖くて辛いという人には激辛だが、ホラー耐性がややある個人的には怖くない。程良い雰囲気で楽しんだ。
道中、異形の者が突然画面にアップで出て驚かす他、振り返らせようとする声やQTEのプレッシャーの怖さの演出がある。
感想
程良いホラー感で後述してますが、ストーリーの考察もしっかり出来る上に、単純に物語を読み進めるだけでなく、QTEのゲーム性も難易度の選択をした上で楽しめる幅を持たせた痒い所に手が届く親切さもあります。
とても楽しくプレイする事が出来て、steamで350円(8/18現在はセールで235円)というのはお買い得でした。
小さな工夫が良かった
特に山道を行くと女の子が登場します。
この子に負けると、右耳が奪われて次回この子が装着しています。
すると、ゲームをしていて「あれ?何か音がおかしい…?」となります。
最初は普通にバグかと思って、PCのサウンド設定とか、ヘッドフォンがもう逝ったのかと…耐久性は信用してるオーディオテクニカさん…マジか、1年ちょっとしか持ってないぞ…と焦ったまま、取り敢えず進め…。
今度は右目をちょうだいと言われ、ゲーム下手な私はミスして右目を献上することに。すると今度は画面の右側が暗くなっていて…そこでなるほど!となりました。次は左耳、左目…と頂かれるとゲームオーバーとなります。
この子に奪われた部位があるままここを進むと、以後その状態で進まなければならないという事で、不便な状態のままになります。
ここのちょっとした工夫は、本作の面白味を引き立ててくれました。
考察※ストーリーネタバレ
一週目プレイしてクリアして暫く考えた結果。
僕は精子でした。これなら家までの競争というのも納得です。受精までの道のりをとってもハードに、ホラーチックに描写しているのが本作です。
すると多くの男の子の格好をした子達は、ライバルに先に行ってほしくないから引き留めたのだろう。最後の女性は卵子と思われる。
となると…道中の耳と目が無い女の子や、卵を探す女性は不完全な卵子側の存在だったのか、沢山あった四肢や首、異形の者は未熟児等だったのか。
頂き女子に耳を奪われたままクリアしたら、産まれたら耳が不自由だったりするのか…?
等など、色々と考える余地もあるのが良いですね。全体的にちょっとボロいを強調していたので適齢期後半の女性が舞台ではないかと思われる。
最後はお寺のお婆さんが来た道を引き返す様に言い、振り返ってはいけないと言う。逆走ではあるが、それも当然。今度は来た道を進むのは孵るため。留まっては今度は死んでしまうから。ここの表現は上手いなと思いました。
※あくまで私個人が思う考察ですので、ご了承下さい。
是非買ってプレイして欲しい
ネタバレまで書いて言うのも何ですが、配信や実況等で禁止とされている設定資料等のおまけもある事と、ゲーム性でも記載した高難易度ならやり応えもあるので、ここまで見た方でもきっと楽しめると思います。
孵道…低コストとは思えぬ面白いホラーゲームでした!
最後に私は拙いゲーム実況をしてるので、宣伝かねて記載させて下さい。